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熊撃ち ちくま文庫

吉村昭(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 筑摩書房
発売年月日 1985/12/01
JAN 9784480020307

熊撃ち

¥605

商品レビュー

3.8

10件のお客様レビュー

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2024/03/24

 本書を手にしたのは、最近読んだ河﨑秋子・熊谷達也両作品の「狩猟者と熊が対峙する物語」関連です。加えて、本書と同一著者作品『羆嵐』の恐怖に慄いた経験が甦り、違いを含めて関心が高まりました。  本作は、吉村さんが雑誌連載のため1970〜翌年にかけて取材し、猟師たちから聞き取った話...

 本書を手にしたのは、最近読んだ河﨑秋子・熊谷達也両作品の「狩猟者と熊が対峙する物語」関連です。加えて、本書と同一著者作品『羆嵐』の恐怖に慄いた経験が甦り、違いを含めて関心が高まりました。  本作は、吉村さんが雑誌連載のため1970〜翌年にかけて取材し、猟師たちから聞き取った話をもとにした短編小説集です。全7編のうち富山の1編を除き、6編が北海道が舞台の実話(登場人物も実在)とのこと。1篇ずつ独立し、各話の熊撃ちもそれぞれ個性的です。  上述の『羆嵐』は本作取材後に着手したようで、留萌の苫前村三毛別で起きた最悪の羆事件(7名死亡、3名重症)に基づいた作品で、本作とスタンスが違いどこまでも恐ろしい話でした。  本作のあとがきで、「短編という制約の中で、できる限り簡潔な筆致と構成を意図した、人間と土の匂いを描きたかった」と吉村さんは記しています。  確かに緻密な光景がリアリティを生み、無駄な主観的感情表現を削ぎ落として、事件の実態を淡々と記述している印象です。しかし各短編の中に、悲惨な状況、マタギの勇姿と人間の弱さなどが、臨場感たっぷりに展開されます。  単なる熊被害の羅列やホラー要素の強調でなく、自然や熊への畏敬の念、厳しさとの闘い、生と死、共生など、大自然の懐に抱かれて暮らす人々の生の声を掬い上げ、今の時代に伝える硬質で良質な短編集でした。

Posted by ブクログ

2024/01/26

熊とハンターを題材とした短編集。同作者の熊嵐は未読だったが、こちらが先になった。熊の恐ろしさは各メディアで目にし、耳にしてきたが、今作は熊の恐ろしさも勿論だが自然への畏怖、不器用であるが故、社会から離れた孤高な者達の姿が描き出されている。しかしながら短編の宿命である感情移入する頃...

熊とハンターを題材とした短編集。同作者の熊嵐は未読だったが、こちらが先になった。熊の恐ろしさは各メディアで目にし、耳にしてきたが、今作は熊の恐ろしさも勿論だが自然への畏怖、不器用であるが故、社会から離れた孤高な者達の姿が描き出されている。しかしながら短編の宿命である感情移入する頃に終わるという感じで、深く没頭はできず。

Posted by ブクログ

2021/02/14

マタギや熊撃ちハンターのインタビューから短編小説化した7本収録。野生動物の中でも巨大で500kgにもなることもあるヒグマ(羆)相手に命がけで挑む人々。 羆嵐と言う作品は短編に収まりきらなかったから、後日発刊されたと、あとがきより。 羆の人を襲うシーンはエグくて、残虐なのでご注...

マタギや熊撃ちハンターのインタビューから短編小説化した7本収録。野生動物の中でも巨大で500kgにもなることもあるヒグマ(羆)相手に命がけで挑む人々。 羆嵐と言う作品は短編に収まりきらなかったから、後日発刊されたと、あとがきより。 羆の人を襲うシーンはエグくて、残虐なのでご注意。

Posted by ブクログ

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