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冷血(下)
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髙村薫【著】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 毎日新聞社
発売年月日 2012/11/30
JAN 9784620107905

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商品レビュー

3.7

102件のお客様レビュー

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2024/11/04

心情を汲もうとする人間と、犯人を取り巻く制度。主体がからっぽ・空洞である以上、それらは空回りと言っていい。その状況に対峙する様々な視点。 前半の軽さ?を踏まえてどうなるのかと思っていたが、軽さはそのまま軽くあるがゆえの、どんどんと物語の強度が上がっていく構造。面白かった

Posted by ブクログ

2021/09/22

上巻を読んで前作の合田雄一郎シリーズから打って変わったある種のとっつきやすさに下巻はどのように展開して仕掛けてくるのかたいそう不安になったものだが、納得の高村薫であった。 今作も相当アバンギャルドに攻めた実験小説であることは間違いない。事件そのものの時系列が上巻での犯人たちのド...

上巻を読んで前作の合田雄一郎シリーズから打って変わったある種のとっつきやすさに下巻はどのように展開して仕掛けてくるのかたいそう不安になったものだが、納得の高村薫であった。 今作も相当アバンギャルドに攻めた実験小説であることは間違いない。事件そのものの時系列が上巻での犯人たちのドキュメント、刑事の取り調べ、検事の取り調べ、実況見分、一年半に及ぶ裁判。事実関係そのものをいえば、なんら省略されることはなく無くただただ繰り返されていく。これはバロウズでいうところのカットアップの変形であるし、拡大解釈すればニーチェで言うところの永劫回帰にも繋がるかもしれない。しつこく略さずに。驚くべきかなこれがおもしろいのだ。 一回一回の事件の再現にもちろん犯人たちの心情、発言、態度が変化する。それらを偏執的な神経質を持ってある時は形而上学的に実存的に受け止めて「否、否、否」と苦悶する合田雄一郎。そのまま狂言回し兼解説者として機能するという図式だ。唯一信頼できる語り手であるため感情は移入することを余儀なくされ、全く飽きることなく読み進めていくことができた。 日本の司法制度、特に死刑制度について大きく訴えてくる傍ら、個人の生と死をその表現の最優先に書かれていること忘れない。 事件が何度も繰り返されていく中で犯人二人が、かたや精神をかたや肉体を棄損されていく時間に反比例して、人間の本質がそれぞれ浮かび上がっていくところが本当に感動する。 本当に作品を追うごとに思いもしなかったような力技をよくこれだけ繰り出せるものだ。 やはりこの先生は改めて変態だと思う。

Posted by ブクログ

2020/09/23

上巻が捜査逮捕までなら、下巻は留置所と裁判の話になってきた。被告人の人生と真摯に向き合う刑事たち。雄一郎は、なんていいやつなんだろう。遅れてきた高村ファンである。

Posted by ブクログ

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