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母なる海から日本を読み解く 新潮文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 新潮社 |
| 発売年月日 | 2012/10/30 |
| JAN | 9784101331751 |

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商品レビュー
3.7
7件のお客様レビュー
沖縄にルーツを持つ佐藤さんならではの視点を持った本。沖縄について、何も知らなかった自分に気付かされた。
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著者の母の故郷である沖縄の久米島の歴史を探求することが、本書の主題となっています。そしてそのことを通じて、琉球の人びとの精神に深く錨を下ろすとともに、日本国家の取るべき道についての構想へと思索をつないでいく試みをおこなっています。 国民国家が近代の発明品だということは、いまや左...
著者の母の故郷である沖縄の久米島の歴史を探求することが、本書の主題となっています。そしてそのことを通じて、琉球の人びとの精神に深く錨を下ろすとともに、日本国家の取るべき道についての構想へと思索をつないでいく試みをおこなっています。 国民国家が近代の発明品だということは、いまや左派論壇のみならず右派論壇においても常識とされています。しかしながら、藤岡信勝に代表される自由主義史観の論者たちは、国民の物語を構築することの必要性を叫ぶのみで、それがシニシズムに取り込まれてしまう危険性を持っていることに気づいていませんでした(この問題をいち早く見抜いていたのは福田和也でした)。それに比べると、本書で著者が提示する構想は、はるかにラディカルでありながら、同時に極めて理性的だと言えるように思います。 本書は、著者の「ルーツ探しの旅」です。しかし、こうした言葉から直ちに予想されるような、ロマン主義的な「ふるさと」への没入は、どこにも見られません。むしろ、著者の説くインテリジェンスの視点をくぐり抜けた上で積極的にコミットするべき「物語」を見いだそうとする試みだと言えるように思います。 本書の冒頭で、著者が外交官時代に親交を結んだブルブリスとのやりとりが記されています。そこでブルブリスは、北方領土問題をめぐって、末次一郎を切り捨てた経緯を著者に語っています。ブルブリスは、末次は「現実のロシア」を相手にすることを止め、「日本の正当性を最後まで主張したロビイストとして歴史に名を残すという選択をした」と言います。この末次の態度に、日本という国家へのロマン主義的な没入を認めることができます。他方、沖縄の悲劇を背負う著者の場合、復讐という要素を戦略的提携のうちに包摂することに成功していたというのが、ブルブリスの見立てでした。 本書では、久米島出身の伊波普猷や仲原善忠の沖縄学について、詳しく検討をおこなっています。著者は、同化傾向を持つとされてきた伊波や仲原の思索のうちに、あえて同化にコミットすることで、久米島の独自性を保持する道をさぐろうとする思想的努力を突き止めます。 こうした努力は、神話的なルーツを現実のインテリジェンスの中で活かしていくものでした。著者は他の本の中で、北畠親房や葦津珍彦の思想への傾倒を表明していますが、本書で紹介される伊波、仲原も、彼らと同じ戦略的思考を身に着けていた思想家だということができるように思います。
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作家、佐藤優氏の母の故郷であり、自らのルーツでもある沖縄・久米島。その新垣の杜には世界の中心がある――『おもろそうし』の一節に心を揺さぶられた氏は久米島を『世界の中心』と見立て、国家論を展開します。 本書は、作家・佐藤優氏が自分の母親の出身である沖縄は久米島を『世界の中心』と捉...
作家、佐藤優氏の母の故郷であり、自らのルーツでもある沖縄・久米島。その新垣の杜には世界の中心がある――『おもろそうし』の一節に心を揺さぶられた氏は久米島を『世界の中心』と見立て、国家論を展開します。 本書は、作家・佐藤優氏が自分の母親の出身である沖縄は久米島を『世界の中心』と捉え、そこから世界はどう映るのか?という視点で書かれた異色の国家論です。 そう思うにいたったきっかけは佐藤優氏が文字通り命を懸けてとりくんだきっかけは緊迫を極めた北方領土返還交渉の経験と、琉球古謡集の『おもろさうし』からだそうです。実は本書を読み終えた直後、『おもろさうし』を実際に手にとってぱらぱらとめくってみましたが、またもとの本棚に戻してしまいました。これについては、またの機会に…。 それはさておき、沖縄に足を踏み入れたことのないということと、佐藤氏の多種多様の文献を大量に引用した沖縄論の『濃さ』に読み終えた現在でも理解したのか理解していないのか、よくわからないような感覚を持ちながらこれを書いております。ただ、沖縄には本土と違って『易姓革命』の思想が息づいているという話や、ここであげられたことがめぐりめぐって、現在でもその解決策が見当たらない『沖縄問題』について大手のマスメディアが報じない『沖縄人』の複雑な感情のルーツや、万が一沖縄が日本から独立して行った際にどのようなことになっていくかということが佐藤氏は『反対』の立場をとっており、その理由を読んでみると、『あぁ、なるほど。そういうことか・・・。』ということはなんとなくわかった気がいたします。 でもこれは、相当難しい文献になりますので、佐藤氏個人や沖縄問題に関心がある方以外には少し敷居が高いのかもしれません…。
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