- 中古
- 書籍
- 書籍
暮らしのなかの妖怪たち
定価 ¥3,080
1,540円 定価より1,540円(50%)おトク
獲得ポイント14P
在庫なし
発送時期 1~5日以内に発送
商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 慶友社 |
発売年月日 | 2012/10/01 |
JAN | 9784874492475 |
- 書籍
- 書籍
暮らしのなかの妖怪たち
商品が入荷した店舗:0店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
お客様宅への発送や電話でのお取り置き・お取り寄せは行っておりません
暮らしのなかの妖怪たち
¥1,540
在庫なし
商品レビュー
4
2件のお客様レビュー
http://lib.s.kaiyodai.ac.jp/opac/opac_details.cgi?amode=11&bibid=TB10070882
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
チェック項目11箇所。妖怪とは何ぞや、妖怪と人間はどう関りをもったのかと思いを巡らせて、その一端を『暮らしの中の妖怪たち』として、平成二年に刊行された、それから二十余年、今、また不景気を実感させられるような世情となり、妖怪が世の関心を得るようになったので、ここにまた前著を増補改訂して版を新たなにして出版する機会に恵まれた。妖怪としてもっとも活躍したのは鬼と天狗で、この両者はなんといっても妖怪の両横綱である、この両者がわが国で人々の眼前に現れるのは、奈良時代を少しさかのぼったころである。河童ほど人びとに親しまれ、もてはやされている妖怪はない、女児の断髪を「お河童」といい、泳ぎ上手の人を「河童」という、少しも気にかけないこと、平気なことを「屁の河童」という、お寿司のなかにも「河童巻き」というのがある、あれやこれや日常生活のなかで「河童」という言葉はよく使われている。座敷童子の由来について、遠野地方などで、家の庭・和泉や村の川・淵から出現した童子というところからも、またオカッパ頭の童子ということからも、河童または水界の小児と関係があるとも考えられている。猫の化けるのを防ぐ手段としては、子猫のうちに尻尾を切って、根元だけをわずかに残しておくとよいという、尻尾の二本に裂けたいわゆる猫股はよく化けるので、尻尾を切るのも猫股にならないようにするためという。昔、自分の産んだ子供だけを愛し、先妻の子供にご飯を与えない母親がいた、そのため、とうとう先妻の子は飢え死にしてしまった、死んで四十九日目のこと、父親が薪を割っていたとき、誤ってこの母親の頭に傷をつけてしまった、その後、傷は少しもよくならず、やがて唇の形になり、歯が生え、舌ができ、ひどく痛んだ、そこに食べ物を入れると痛みがやわらぐので、毎日御飯を入れると、その口から「自分の意地悪から先妻の子供を殺してしまった」という声が聞こえてきた、そうしたことから、この女を「二口女」と呼んだという。妖怪とは、人知で不思議と考えられるような現象または異様な物体をいい、一般には「おばけ」「化け物」などの言葉でよばれているもので、人間に畏怖の念を抱かせるものである。共同幻想・共同幻覚・共同幻聴することによって、妖怪そのものが生活のなかにイメージされ、その妖怪が人間と交渉をもつことになるのである。わが国には古くから捨て子の習俗がある、これは庶民だけでなく、徳川将軍家においても行われていたことが「徳川実紀」などに記されている、「四十二の二つ子」といって、父親の四十二歳に子供が二歳になることが忌まわれ、また子供が産まれても早死にすることも忌まわれた、そうしたとき、その忌まわれる家の子ではなく、寿福の家の子、長寿筋の家の子とするため、産まれた子供を道端に捨て、あらかじめ拾ってくれる長寿筋の人を頼んでおいて、その人に拾ってもらう、拾った人は新しい産着を着せて、こんな良い子を拾いましたと抱いてきてくれるのである。家代々の古い道具ということになると、古い霊がこもっているという考えが生じてくる、ところがこうして再生・補強されない霊があり、また新しい道具が生まれてきて、使われないようになると、古い道具がおろそかにされる、ときには捨て去られてしまう、そうした道具の霊が人間に自己の存在を訴え、あるいは怒り、祟ろうとする。妖怪は本来神であったが、長い年月の間に人間に祀られなくなった神、すなわち零落した神で、山・海・川、里や家屋敷などだいたい棲む場所がきまっていて、そのなかでもとくに聖なる神や零落した神たる妖怪の居場所たる他界で、人間が接触する場所に現れる、それに対して幽霊は死んだ人の霊、すなわち死霊でそれも死後供養をしてくれる人がいなくなって、淋しさや悲しさをもった霊や、この世に怨みをもった霊で、生前の姿や死に望んだときの姿となってこの世に現れる。
Posted by