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萬月な日々
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 双葉社 |
発売年月日 | 2012/10/18 |
JAN | 9784575304633 |
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萬月な日々
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花村萬月。20代初頭に心を鷲づかみにされた作家だ。 きっかけは、芸人笑い飯の西田さんが好きというのを何かで読んだことだった。 当時(今でもか)、自己顕示欲が人一倍強いのに結果何一つできていなかった自分に 花村萬月の小説は、前に星空が広がりくらくらするようなメガトンパンチを食ら...
花村萬月。20代初頭に心を鷲づかみにされた作家だ。 きっかけは、芸人笑い飯の西田さんが好きというのを何かで読んだことだった。 当時(今でもか)、自己顕示欲が人一倍強いのに結果何一つできていなかった自分に 花村萬月の小説は、前に星空が広がりくらくらするようなメガトンパンチを食らわせた。 ナイーブな青年たちが容赦のない暴力を振るい、性行為に耽溺していく様子に ただただ眩しいまでの嫉妬を感じ、悶々としていたのを今も覚えている。 幸いパートナーにも恵まれ、人並みに性を営むようになり、だんだん疎遠になっていった。 10数年ぶりに花村萬月の著作を手に取った。 エッセイである。 花村節炸裂の本だった。正確無比かつ縦横無尽に言葉を操りつつ、卓越したワードセンスで味付けられる文章に思わず身を乗り出して笑ってしまう。 そして、やはり今でも身につまされるのは、客観性なき若年層を唾棄すべき存在として、 糾弾してくる姿勢だ。もう痺れてしまう。 かくいう私も誰に頼まれるでもないのに、もてあます気持ちを落ち着かせるべく書評などを偉そうに書いている。 自分が見たものや感じたことをできる限り客観的に捉えて書いていく。 そしてまかり間違っても、勘違いして人におすすめしたりしてはいけない。 自慰行為を人に見せている羞恥の自覚を持ちつつ、 文章を書いていることを忘れてはいけない。と強烈に思う。
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本書は衝撃的な作品を次々と発表する作家・花村萬月先生による『笑う萬月』『萬月療法』につづくエッセイ集の第三弾です。今回もまた硬軟織り交ぜた聖俗一致の『萬月節』が縦横無尽に炸裂しております。 本書は『笑う萬月』『萬月療法』につづく花村萬月先生によるエッセイ集の第三弾です。前の二つ...
本書は衝撃的な作品を次々と発表する作家・花村萬月先生による『笑う萬月』『萬月療法』につづくエッセイ集の第三弾です。今回もまた硬軟織り交ぜた聖俗一致の『萬月節』が縦横無尽に炸裂しております。 本書は『笑う萬月』『萬月療法』につづく花村萬月先生によるエッセイ集の第三弾です。前の二つもかつて読んで、大笑いしつつ、「萬月節」の縦横無尽さに「なるほどなぁ」とうなづいていたものですが、本書を読んで、円熟味を増した筆致とそれでも下世話な話から、作家を志す人間のために新人賞の内幕から作品を送る際の警告にいたるまで、本当に聖俗一致のエッセイでした。 一読して現代の書き手というのは本当にネットとかかわりがあるんだな、ということでした。だからこの駄文も本人の目に触れるということが前提で書いているんですけれど、それでも花村氏のネットとの適度な距離のとり方やウィキペディアをよく見つつも、作品を執筆する際には何の役にも立たず、人の手をいくつも経た上で精査された者がやっぱりいいというのは、「本物」の書き手の一人なんだな、ということを思うのでした。 さらには「アウトサイダー」に関する記述が本当に自分の身にもつまされていたり、自身が若いときに全国各地の「原発道路」を走って、そのひとつで警備員に取り囲まれたときの話は本当に面白かったです。最後に花村氏の愛犬であるパグのブビヲがこの世を去ったことを告白しているのですが、 「ブビヲの存在を他の犬に置き換えることができない」 という言葉の中に、喪失の悲しみが集約されているような気がしてならないのです。とにもかくにも笑えて、うなづけて、最後はすこし哀しい。そんなエッセイでございました。
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