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ほんとうの中国の話をしよう
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
| 発売年月日 | 2012/10/15 |
| JAN | 9784309206073 |
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ほんとうの中国の話をしよう
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商品レビュー
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嫌中感情というよりは苦手意識が先行する。 東京の街中にいる中国人にも、 喋っている姿を見てうるさいなと思うし、 はたまた街中でしゃがみ込んでいる姿を見ると 「またか」と思う気持ちにさせられる。 ワイドショーやバラエティでも 日本人の目線で奇怪と思う行動をする中国人の 動画をいく...
嫌中感情というよりは苦手意識が先行する。 東京の街中にいる中国人にも、 喋っている姿を見てうるさいなと思うし、 はたまた街中でしゃがみ込んでいる姿を見ると 「またか」と思う気持ちにさせられる。 ワイドショーやバラエティでも 日本人の目線で奇怪と思う行動をする中国人の 動画をいくつも流すし、大抵はそれに対して 視聴者に「日本人じゃあり得ないよね〜」と 思わせる演出が日常的に流される。 私も同じように思うし、好意的な感情は薄い方だと思う。 しかし、私がこれまで好んで観てきた ジャ・ジャンクーやロウ・イエなど中国人監督の作品は どれも糸の先ほど繊細な感情で満ちているし、 『象は静かに座っている』を観た時には、 「こんな素晴らしい映画、他に滅多にない!」 と気持ちが高揚するくらい熱くなったし、 劇中で描かれた物語のうねりに気持ちを持っていかれた。 その『象は静かに座っている』の監督フー・ボーは 若くして自殺してしまったそうで、 この人の目線で映される中国をもう観ることが出来ない。 けれどこの映画に作家の余華がコメントをしていて、 検索してみれば「ほんとうの中国の話をしよう」本が ちょうど出版されていた。 私は、先に挙げた監督達の描く中国が観たい。 それは日本人一般が思うザ・中国とは少し違うもののようで、もしかしたらそのヒントがこの本にあるかもと思い手に取ったのがきっかけだった。 前置きが長くなったけれど、 そういう思いで読んだこの本は、 「対人関係においてどうして言葉が喧嘩腰なの?」 「どうして身の回り以外のもの以外大切にしないの?」 「なんで粗野なイメージが抜けないの?」 「中国人はどうして模倣品ばかり作りたがるの?」 という疑問に全編を通して答えを出してくれた様に思う。 それは、各章ごとにまとめられた10のテーマから、 いかに中国人にとって文化大革命が大きい出来事だったか、 毛沢東とはどんな人で、どう人民を先導したのか、 そもそも日本人に馴染みのない人民とは、 という社会現象から生まれた概念を取り上げつつ、 今を生きる中国人の根底に持つ思想について書かれていた。 あくまでも、著者の見た世界ではこうだった という中国の一片でしかないかもしれないけれど、 その一片を垣間見れる機会はそうそうないんじゃないかと思う。 個人的にとくに好きだったエピソードは読書。 著者は幼少期に文化大革命を体験しているが、 そのころ巷に本は多くなかったそう。 そんな中たまたま手に取れてしまった本に魅了され 街中を本を探しに歩いたエピソードは、 日本では有り得ないような光景だった。 また「シャンチャイ」「フーヨウ」の章では、 まさにこれが日本人が思う中国人に対する偏見の 根本にある言葉だ!と唸った。 知らないことはまだまだ多い。 興味の幅を大きく広げてくれた一冊でした。
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三十五年目の六月四日のために。 「六四天安門事件糾弾!ひとり読書デモ」敢行中。 黄昏れても、ポンコツでも、無能でも、燃えつきても、読書デモ実施中!/ 小説『活きる』や『兄弟』などの作家余華(ユイホア)が、「人民」、「領袖」、「読書」、「創作」、「魯迅」、「格差」、「革命」、「草...
三十五年目の六月四日のために。 「六四天安門事件糾弾!ひとり読書デモ」敢行中。 黄昏れても、ポンコツでも、無能でも、燃えつきても、読書デモ実施中!/ 小説『活きる』や『兄弟』などの作家余華(ユイホア)が、「人民」、「領袖」、「読書」、「創作」、「魯迅」、「格差」、「革命」、「草の根」、「山寨(シヤンチヤイ)※1」、「忽悠(フーヨウ)※2」の十のキーワードで、大躍進、文化大革命、天安門事件、現代中国を斬る。2012年出版。中国国内で発禁処分! 必ずしも、悲憤慷慨ばかりではない。 至る所に笑いの爆弾が巧妙に仕掛けられているところに、余華の大きさを感じる。/ ※1 山寨:コピー。模倣品。/ ※2 忽悠:勝手に誘導すること。巧みに罠を張ること。人をペテン人かけること。/ 「人民」: 次の文章は帯で引用されているので割愛しようと思っていたが、どうしても当時の雰囲気を伝えるものがほしいので、やはり引用することにした。/ 【一九八九年春の北京は、アナーキストの天国だった。警察が急に姿を消し、大学生と市民が自発的に警察の任務を果たした。あのような北京が再現することは、おそらくないだろう。共通した目標と共通した願望が、警察のいない都市の秩序を整然と維持していた。街に出れば、友好的な空気が流れていることを感じる。地下鉄もバスも切符を買わずに乗れた。(略)当時の北京は、「四海の内はみな兄弟」とも言うべき都市になっていた。】/ 【私の「人民」に対する理解は、(略)五月下旬の深夜に経験した小さな出来事に由来している。当時の北京はすでに戒厳令が敷かれ、学生と市民は自発的に北京の交通の要衝、およびあらゆる立体交差橋と地下鉄の出口を警護していた。完全武装した軍隊が天安門広場に進入するのを阻止するためである。 (略) ある日、日中(略)出かけた私は、深夜になって寒さを感じながら、自転車で広場から学校に戻る途中だった。 (略) 遠くから歌声が聞こえてきた。さらには、遠くに灯火がまたたいているのが見えた。その後、(略)驚くべき光景が出現した。灯火まばゆい呼家楼の立体交差橋の上と下に、一万人あまりの人々が集まって、守りを固めていたのだ。彼らは激情に駆られ、夜空の下で高らかに国家を歌っていた。 「我らの血と肉で新しい長城を築こう!中華民族は危難のとき、追い詰められて最後の雄叫びを上げる!起て!起て!起ち上がれ!我らは心を一つにして‥‥‥」 彼らは寸鉄も身に帯びていなかったが、自信に満ちていた。自分たちの血と肉で軍隊や戦車を阻止できると思っていた。(略) 私はついに、「人民」という言葉を本当に理解した。】/ 中国の動物園はつまらない 虎もいなけりゃ、龍も犀も牛もいない 犬と羊とカメレオンがいるばかり 地ならしの重機の音が耳を聾する いつか、踏み固められたアスファルトの下から ど根性大根のように 「自由」と「民主」が 頭をもたげる日が再び訪れるだろうか?/ 春節は毎年やってくる。 だが、中国の人々にあのときのような本当の春が訪れるのは、いったいいつになるのだろうか? そして、そのとき僕はその柔らかな風を、もう一度感じることができるだろうか?
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文化大革命から現代社会にかけて、社会の集団幻想から距離を置いた視点で中国社会の矛盾を淡々と語っている。著者は、父親も文化大革命で打倒され、またその時代の暴力を間近で体験した。高校生まで毛沢東と魯迅の著作しか読むことができなかった時代。文化大革命が終わったのが43年前の1976年...
文化大革命から現代社会にかけて、社会の集団幻想から距離を置いた視点で中国社会の矛盾を淡々と語っている。著者は、父親も文化大革命で打倒され、またその時代の暴力を間近で体験した。高校生まで毛沢東と魯迅の著作しか読むことができなかった時代。文化大革命が終わったのが43年前の1976年、現在50歳以上の人はみな記憶にあるのだろう。 「領袖」、「私は千人の泣き声の中、びくびくしながら笑っていた。」に著者の視点が生々しく描かれている。
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