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地域銀行の貸出行動 パネルデータによる分析
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地域銀行の貸出行動 パネルデータによる分析

寺崎友芳【著】

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地域銀行の貸出行動 パネルデータによる分析

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 東京図書出版/リフレ出版
発売年月日 2012/09/22
JAN 9784862235893

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2014/01/09

この本は、地域銀行(地方銀行・第二地方銀行)を対象として、パネルデータを用いた調査分析(ダイナミック・パネル法)を行っている点に最大の特徴があります。 調査分析結果は、以下のようにまとめられます。 (1)預貸率モデルを推定した結果、1人あたり実質県内総生産とデフレーターが有意に...

この本は、地域銀行(地方銀行・第二地方銀行)を対象として、パネルデータを用いた調査分析(ダイナミック・パネル法)を行っている点に最大の特徴があります。 調査分析結果は、以下のようにまとめられます。 (1)預貸率モデルを推定した結果、1人あたり実質県内総生産とデフレーターが有意に正であることから、預貸率の低下は地域経済の低迷とデフレが主因であると示唆されたこと (2)預貸率の低下は実体経済にマイナスの影響を与える結果にはなっていないこと(低下要因が分母の預金増加の場合、家計の資産効果や企業のキャッシュフロー改善による実体経済のプラス効果の可能性もあるが、精緻な分析が必要) (3)預貸率の低下により金融再編や大手行の撤退が進展し、競争環境が緩和すること (4)自己資本比率9%以上の地域銀行では自己資本比率が貸出残高に影響を与えない一方、9%未満の場合、有意に正の影響を与える(自己資本比率が低いほど、貸出残高は少なくなる) →地域内の地域銀行すべてで9%を下回る場合、貸出供給が過小となる可能性があり、公的資金注入等の必要性が高まると示唆 (5)貸出金利鞘は自己資本比率・貸出金県内シェア・個人ローン比率・中小企業向け貸出金比率と有意に正となること →再編は、域外の地域銀行との統合よりも、域内のシェアを高める県内銀行の統合が収益拡大に貢献する可能性が高いこと、各銀行が取組むリテール強化戦略は有効性が高いこと 政策当局はアメリカの地域再投資法のように地域内の融資量で金融機関の申請制限を行い、預貸率を高めるような規制は地域経済にとって無効であり、自己資本比率9%を注視しつつ、住宅ローン以外の個人ローンの審査力向上、中小企業金融におけるソリューション提案力向上、域内に3行以上が競合する地域では地域銀行再編等の支援が求められると提案しています。 データに基づき、政策提案につなげている説得力の高い本です。ただ難易度は高いと思います。

Posted by ブクログ

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