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ナショナリズムとジェンダー 岩波現代文庫 学術271
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2012/10/18 |
JAN | 9784006002718 |
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ナショナリズムとジェンダー
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商品レビュー
4.2
6件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
お勉強として。 恋をすると気になる「本気か遊びか」。「私のこと遊びだったの!?」とか「私のこと本気じゃないの!?」と苦しんでしまうのは、女性が「妻・母コース」「娼婦コース」に分けられてきた歴史ゆえなのかなと。 それで、私が「私は本気よ!」と思う時は、相手に自分の存在を全依存するような、ずっと死ぬまで一緒に居ようねという確約を求めるような、いわゆるシンデレラコンプレックス状態・ロマンティックラブイデオロギー洗脳になっていた気がする。 おそろしい。 もっと、軽やかに愛することができれば、女はもっとチャーミングなのにね。そんなことは47歳になったから言えることであって、30歳だったら言えなかっただろうな。。。 ーーーーーーーーー 〇従軍慰安婦、売春婦、娼婦 〇任意か強制か 〇女性が「正妻コース」でありたい時、同時に「娼婦コース」を否定する。がゆえに、売春婦を助けようとする発想にならない。 〇従軍慰安婦・・・韓国側男性にとっては、敵によって自国の女性を凌辱されたという最大の侮辱であるがゆえに、触れたくない話題。よって、救われてこなかった。 〇強姦、性犯罪、家庭内暴力、性的な幼児虐待・・・女性の性的自己決定権への侵害であるがゆえに、救われるべき。 〇恥の概念で締め付けて、本人からの告発を抑え込む 〇強姦:男性の権力支配の誇示のために行われる。弱者への攻撃を通じて、連帯を「確立」する儀式。(彦坂1991)戦時輪姦は時に”観客(敵兵?)”を伴う。
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刊行直後には読み遂せませんでしたが、今回は読み切りました。「ヘイトスピーチってなに? レイシズムってどんなこと? (のりこえブックス)」を読んだ後でしたから、自分にとっての読みどころがあって、興味深く読めました。
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上野氏自身が述べるところ、1990年代の研究の集大成ともいえるのが本書だそうだ。「従軍慰安婦」問題などを中心に、国家主義とそのなかでのジェンダーについて思考した大部の書。 本書ではまず、国家における女性の扱いを「統合型」と「分離型」としている。前者は男女に同じ役割を課すもの、後者...
上野氏自身が述べるところ、1990年代の研究の集大成ともいえるのが本書だそうだ。「従軍慰安婦」問題などを中心に、国家主義とそのなかでのジェンダーについて思考した大部の書。 本書ではまず、国家における女性の扱いを「統合型」と「分離型」としている。前者は男女に同じ役割を課すもの、後者はたとえ非常時でも女性には女性の役割を課すもの。戦時に男女ともに徴兵があれば前者であり、女性に「軍神の母」「銃後の妻」役割を課せば分離型という理解でいいと思う。こんなふうに国家主義とジェンダーを論じていくのだけど、何といっても力が入っているのは「従軍慰安婦」に関してだ。 以前、韓国へ行った時、ほんの短い時間だが、かつての「従軍慰安婦」だったというハルモニたちが支援者とともに共同生活を送る「ナヌムの家」を訪ねたことがある。資料館にはたくさんの折り鶴や色紙が飾られ、平和への思いを訴える言葉が並んでいたが違和感があった。「慰安婦」問題はそうじゃないだろうと。それ以来、慰安婦問題は戦争問題ではなく、男と女の問題だと思っている。その視点で読むと……というか、いつも上野氏の本は明晰で腑に落ちるものだけど……本書の「慰安婦」に対する言質には大いに共感する。 この「慰安婦」問題が解決しないのは、もちろん日韓が本気で手をつけようとしていないせいもあるだろうが、そうしていられる背景をきっと全世界がつくっている。というのも、男たちが女性を慰みものにすることなんて、世界に掃いて捨てるほどあるからだ。「慰安婦」問題が解決することで、聖人面の化けの皮が剥がれる男たちがたくさんいるからだ。 そのとき、大国が何だとか、戦勝国だからといった言い訳が許されないことが目に見えているから、根本的な解決に向かわないのだと思う。 韓国では(「慰安婦」に限らないが)、両国の煮え切らない態度に業を煮やし、国籍放棄を願い出た人までいる。国どうしだと日韓条約で解決済みとされかねないが、韓国籍がなければ保証済み対象にはならないからだ。そこまでの手段を講じる人たちに、何という誠意のない態度をとっていることだろう。日韓条約で解決済みとする日本の態度もひどいが、国を挙げて日本を非難する韓国だって、自分自身への補償を求めている元「慰安婦」たちの声に乗じて代弁などしてほしくない。 国家どうしの話になれば、往々にして女性たちの声はかき消され、顧みられることがない。国と国の問題になることで、往々にして「男どうし」の話になってしまい、男と女の間での話ではなくなってしまう。家父長制的な論理がまかり通ってしまう。これほどまでに、世の中には大小の集まりが様々あるけれど、国というまとまりが益ないものに思えてならなかった。
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