女王陛下は海賊だった 私掠で戦ったイギリス MINERVA歴史・文化ライブラリー21

櫻井正一郎【著】

• 販売会社／発売会社: ミネルヴァ書房
• 発売年月日: 2012/08/24
• JAN: 9784623062829

商品レビュー

2014/07/27

私掠について、イギリスではずっと賛美されてきた
➡︎80年代に偶像破壊が完成、賛美される歴史ではなく、新しい見方が生まれる。
旧い見方と新しい見方の違いを意識しつつ、新しい見方を紹介する。

第一部
一章
エリザベス一世…海賊だby当時のスペイン〜各国
➡︎死後それを誇るように

私掠…公認の海賊行為 裏で資金も船も
諸外国との違い…フランス、オランダは反政府側のもの、ドイツは商業団体のもの
役割、成果の大きさにおいて別格

私掠↔︎常備海軍 私掠は海軍の代わりに …エリザベス前後は海軍盛ん

私掠は衰退していた交易の代わり
…アントワープから締め出されはじめていたイギリス 奪った商品の輸出

結果としてプロテスタンティズムがカトリシズムへ挑戦する形に
プロテスタントを理由にスペイン・スペイン同盟国から追い出されていた商人が主役として私掠に参加
↔︎生活のためであったが、周りの見方はプロテスタンティズムの勝利

20c中頃からの大転換〜80年代に完成
旧：私掠の讃美 私掠によって大英帝国は造られた 大英帝国の讃美＝私掠の讃美
新：研究によって明らかになったありのままの姿によって破壊
➡︎ギルバートの航海への評価
北米への植民地獲得目的の航海…途中船団の一隻が漁船から略奪
北米にもたどり着けず、英雄的な死
新:
ギルバートの過失
私掠は主催者だけでなく、ヒラの船員のもの

航海日記を警戒して読む…構造主義の影響
書いた側のバイアス

私掠…二つの許可状
言葉は1650年ごろになってから
➡︎当初は中立的➡︎大英帝国の成立、拡大とともに讃美
言葉は大英帝国への見方で好まれたり嫌われたり

エリザベス当時のイギリス…西仏に挟まれた小国
専守防衛、攻撃が向かないように仕向ける
➡︎私掠の登場
エリザベスは、スペインの戦力を削る、本土防衛のための外国へ派兵する費用獲得
重臣はより攻撃的、拡大を意図して

発行について
私掠許可状➡︎海事総提督から海事高裁、高裁が発行
勅許状➡︎女王が発行
賄賂で発行
海事総提督に最も集った
当時は腐敗が横行。極悪人、ではなく典型例

約定書…船団に課されるルール
攻撃対象は、目標だけ、積み荷の査定など。
➡︎守られず
政府側も利益目的で無効化に協力

山分けルール…三分方式も守られず

↔︎17世紀バッカニァズの分配についての合意事項は守られた
私掠には女王様などへの天引き…国家事業

船員から見ることで新しい見方
船員…記録は隊長や船長のが多い
劣悪な環境、食事、伝染病