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死体は見世物か 「人体の不思議展」をめぐって
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死体は見世物か 「人体の不思議展」をめぐって

末永恵子【著】

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死体は見世物か 「人体の不思議展」をめぐって

定価 ¥1,980

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 大月書店
発売年月日 2012/08/08
JAN 9784272330775

死体は見世物か

¥550

商品レビュー

4.5

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2013/01/31

“人体の不思議展”が開催され、マスコミで大々的に宣伝されたとき、私の中に何か不快感とういか、わだかまりのようなすっきりしない思いが残った。 この本を見つけて、内容を知っていくと少しその不愉快な感情が整理されて気がした。 私が思っていたよりも長いこと続いていた人体の不思議展は、多々...

“人体の不思議展”が開催され、マスコミで大々的に宣伝されたとき、私の中に何か不快感とういか、わだかまりのようなすっきりしない思いが残った。 この本を見つけて、内容を知っていくと少しその不愉快な感情が整理されて気がした。 私が思っていたよりも長いこと続いていた人体の不思議展は、多々の問題(法的なものも)を含み最後は後援する団体がが無くなり閉幕している。 私は、亡くなった人にも尊厳はあると考える。 ここに展示された人体については、中国からの本人の意思を確認した検体とされているが、本当のところは実にあやしい、というよりそういう検体ではない。(詳しくは本をよんでいただきたい)。 可能性は低いにせよ、仮に検体希望の者であったとしても。本書にもあるとおり“科学のために与えられた同意と、展示としての同意を同等にうけとることはできない。”という意見に同感だ。  この人体の不思議展は教育的展示という事になっているが、どれだけの人が解剖学に触れ、人間とは、命とは、体とは、健康とは、を感じることができたのだろうか? 私には理解できないし、ましてや小さな子供までが目にしていいはずがない。  本書には諸外国における人体展示という章がある。 とても興味深く、法的な立場からいろいろあげられるているがフランスの“国家生命倫理諮問委員会”がいう、 「我々自身の親しい人の人体は展示されたくないと思っているのにもかかわらず、ほかの人々の身体を展示することを許したいと思いか否かということ」を基本として考えるべきという事、まさにそうだと思う。 問題を多く孕みすぎていて、まとめるのは難しい。 あれだけ、賞賛していたマスコミの中で、問題を指摘し人体の不思議展の終了を伝えた所ががいくつあっただろう。 そして、情報をうけるほうも、深く考えなければいけない。 日本人は何においても、流行にとびつく。 この、不思議展もそういうものの1つと考えていた人もおおいのではないだろうか? さて、あなたの亡くなった大切な家族が、または亡くなったと知らされていなかった家族が ふと見た、博物館で妊婦の姿で胎児と共に展示させられたいたら?または“愛の営み”という題と共にさらされていたら、あなたはどう思いますか? そして、更に、それが商業目的であったなら、あなたは許せますか?

Posted by ブクログ

2012/11/28

 著者は 「『人体の不思議展』に疑問を持つ会」の中心となり、批判活動を続けてきた末永恵子氏です。本書では「人体の不思議展」における死体標本の一般展示の論理的な諸問題を明らかにし、その学会、自治体、マスコミの責任を追及しています。  本書において、死体標本が学術的利用目的による貸...

 著者は 「『人体の不思議展』に疑問を持つ会」の中心となり、批判活動を続けてきた末永恵子氏です。本書では「人体の不思議展」における死体標本の一般展示の論理的な諸問題を明らかにし、その学会、自治体、マスコミの責任を追及しています。  本書において、死体標本が学術的利用目的による貸与ではなく、商業的に購入されたものである点、また本人の合意のもとでの公開とは考えづらい点について具体的な資料とともに紹介されております。  個人的には、遺体であってもその尊厳はまもられるべきであると考える。また、遺体の当事者たちが、このような一般展示を生前に承諾するようなことは、まず考えづらいと容易に想像できる。  問題はこれを開催および後援した開催者・自治体・学会・マスコミだけにあるわけではない。そのような、遺体に対する尊厳と想像力を働かせれば、おのずと、このような展示会のもつ倫理性の欠如が明らかである。これに対して消費者は良識をもってNOという明確な立場を持つべきだろう。    また、全ての消費者にその論理性や想像力を求めることは難しくとも、少なくとも遺体が正当なプロセスで持って取得されたものでない事を知らされる必要があるように思う。  同種の展示会っは世界中の国々で行われており、特に気になったのは、その各国の対応である。アメリカは州によっては消費者に選択の自由を定めている。例えば、取得のプロセスに問題があることを知りそれに異議がある場合はチケット代金の払い戻しを定めている点である。フランスは民法の厳密な適用によりこの展示会自体を違法と認定している。各国の対応はその国民性を表しているようである。  一方で日本は、学会、自治体、マスコミは好意的にこの展示会を捉えており、その論理性に言及した例は少ない。本来、マスコミなどはジャーナリズムの担い手として、このような人権蹂躙とも言える行為に対して何らかの反応を試みる必要があるのでは無いだろうか。日本では大きな利益をだす集団に対して往々にして無批判である。マスコミはこの展示会の後援者であることから、わざわざ餌をくれる飼い犬の手を噛んだりはしない。これは日本の国民性の哀しさとも言えるかもしれない

Posted by ブクログ

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