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フリント船長がまだいい人だったころ ハヤカワ・ミステリ
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 早川書房 |
発売年月日 | 2012/08/09 |
JAN | 9784150018627 |
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フリント船長がまだいい人だったころ
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商品レビュー
3.6
9件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
これまた何で読みたいリストに入れていたのか思い出せない。 長らくリストに入っていたので、そろそろ消化しようと手にとる。 タイトルにある「フリント船長」は『宝島』に出てくる悪名高き伝説の海賊。 うすうす思っていたけど『宝島』先に読んでおけば良かったー。 読んでなくても支障はないけど、やはりそこが具体的に思い描けないので何かもやもやする。 1986年秋、アメリカ北西部、漁業の町ロイヤルティ・アイランド。 この町の経済を支える漁業会社の社長ジョン・ゴーントが亡くなった。 町のカリスマの死去による深い悲しみもさることながら、町民に広がるのは不安。 遺産を受け継ぐ放蕩息子のリチャードが漁業権もろとも会社資産を売り払ってしまい、職にあぶれ、生活基盤を失ってしまうのではないかと。 主人公カルの父親ヘンリーもゴーント家の所有する船の船長。 秋から春先にかけて一年の半分はアラスカに出てカニ漁に勤しんでいる。 家にいる間はなるべくカルとの関係を育むべく、寝物語に聞かせた自作話がタイトルにもなっている「フリント船長がまだいい人だったころ・・・」。 あの極悪人のフリント船長もその昔、”いい人”だった。 フリント船長はなぜ”悪い人”になってしまったのか。 それは、何もかもを欲しがるほどの欲深さを身に付けてしまったから。。。 ロイヤルティ・アイランドを支える船長達が、町を、自分達の生活を守るためにとった行動は欲深さだったのか。 人が成長し大人になる過程、または責任を果たそうとする中で純真さ、善良さを手放し黒きものを手にしてしまうことの切なさを感じた。 ましてや、行為の矛先が、いけ好かないもので同情や憐憫を感ずるには程遠い場合とあっては。 ただそうは言ってもその矛先ですら、自らの悪意に100%責任があるわけではないのだ。。 正解のない問題を抱え、惑い、出した答えに囚われ続ける人々の悲しい物語。
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まずはタイトルが秀逸。長編だけどアメリカ短編小説家の系譜に連なるような作風。と思ったら父は「シカゴ育ち」のスチュアート・ダイベック。 いつも天気が悪くてパッとしない片田舎の港町と、そこで暮らす人々を支えるアラスカの荒れ狂う海。そんなイメージの中をサンタクルーズからやってきた母は父...
まずはタイトルが秀逸。長編だけどアメリカ短編小説家の系譜に連なるような作風。と思ったら父は「シカゴ育ち」のスチュアート・ダイベック。 いつも天気が悪くてパッとしない片田舎の港町と、そこで暮らす人々を支えるアラスカの荒れ狂う海。そんなイメージの中をサンタクルーズからやってきた母は父が母のために拵えた地下室のスタジオでLPレコードを聴いているのだった。 ポケミスには似合わない、やるせない青春物語。個別の小さなエピソードは素晴らしいのだけど、長編ならではのダイナミックさも欲しかったな。 「昔々フリント船長が…」で始まる父の創作話は、子供の頃に僕の父が毎晩お風呂で物語を話してくれたことを思い出す。残念ながら話は覚えてないけど「最後に一緒に入る時に血湧き肉躍る話をしてやるよ」って言ってたことは覚えてるよ。 3.8
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タイトルに惹かれて読みました。描写のひとつひとつが丁寧で、ゆったり読めるお話だなと思いました。ミステリだけどあったかく読めるかなと思いきや、という展開と、少しだけ正気ではなくなった人の痛々しさが一番印象に残りました。好きな場面や台詞がたくさんあるお話だけど、所々に出てくる悪人とは...
タイトルに惹かれて読みました。描写のひとつひとつが丁寧で、ゆったり読めるお話だなと思いました。ミステリだけどあったかく読めるかなと思いきや、という展開と、少しだけ正気ではなくなった人の痛々しさが一番印象に残りました。好きな場面や台詞がたくさんあるお話だけど、所々に出てくる悪人とは、というテーマは、なんていうか、つらい。展開はゆっくりだけど好きなお話でした。
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