枯れ騒ぎ 創元推理文庫

ジルチャーチル【著】, 新谷寿美香【訳】

• 販売会社／発売会社: 東京創元社
• 発売年月日: 2012/07/28
• JAN: 9784488275181

商品レビュー

2016/04/21

主婦探偵ジェーン・シリーズの第12作。

ただの不注意から足の骨を折ってしまったジェーン。
でも、松葉杖をつきながらガーデニング講習会には予定通り参加することに。
予定の講師が重傷を負い、代わりの講師が殺される。

一番面白かったのは、冒頭のジェーンとシェリイが行き違いになって、
メモをを張りあうところかな。

2013/01/24

ガーデニングの講習会に参加した、ジェーンとシェリィのコンビ。主婦探偵はやっぱりここでも事件に巻き込まれ、不注意からジェーンが骨折してしまいます。痛む足をかばいながら、事件の解決を目指します。

面白くないわけではないけれど、ジェーンとシェリィの会話、あまり私は好きじゃなくなっちゃいました。若い頃の軽やかさもない代わり、おばさんにもなりきれない中途半端な喋り方が、どうにも気に障るのです。吹き替えの海外ドラマの喋り方や、中年には早い、だけど若くもない主婦の、ちょっとざらっとした話し方が嫌なのかも。もう少し優しい話し方を、二人共していた気がするんですよね。講習会の受講者に向ける眼差しは、疑惑の中にも優しさがあって好感が持てるのですけれど。

恋人のメルとジェーンの関係も、私が見ると「この二人なんで付き合ってるんだろう？」と思うような冷め方に見えます。メルのお母さんと会って、半分決裂したような感じで単なる友人に、ちょっと色が付いた、っていうふう。二人のロマンスも上手くいって欲しかったけど、取って付けたみたいなのもつまらないです。

息子のマイクのGF問題も、正直ジェーンの態度って
女から見ると嫌でした。気持ちは解るんだけど…。マイクの方が賢くて、さっと自立してくれるしかなさそうです。「ジェーン、マイクはあなたの彼氏じゃないんだから…！」って思いました。メルのママにおかんむりだったけど、自分も同じ事してる（笑）まあ、望まない妊娠や結婚の厄介事を愛息に抱えて欲しくないのでしょう。娘のケイティには微妙に冷たいのにマイクは可愛くて仕方ない感じ。親だって子供に対して好き嫌いありますからね。きっと。

好きなシリーズなので、やはり次を待ってしまうけどちょっとトーンダウンかな。作品としての新鮮さが落ちたんじゃないといいなあ。

2012/11/11

ガーデニング講習会に参加する予定のジェーンとシェリイだったけれど、講師が誰かに襲われてしまったことでまたしても事件に首を突っ込むことに…。

主婦探偵ジェーンシリーズの12作目。
こんなにミステリから遠ざかっていたっけ？
今回特に事件の成り行きよりも、ジェーンの子供たちとのやり取りにページを割かれていた印象。
最近、1作目を読み返したもので、余計そう思ったのかも。「ゴミと罰」は主婦目線で事件を解決するという点が面白かったのにな〜。
今作はどうにも…。
グレイス&フェイヴァーシリーズの後半のようなやるせなさを感じる。無理やりミステリをくっつけた風でね。
せっかくジェーンが骨折して松葉杖を使うなんて設定を作ったんだから、事件解決にもそれを生かすぐらいのひねりがあってもよかった。
なんか残念な1作だったな…。

あと、作中に出てくる夾竹桃の串でバーベキューはミリアム・Ａ・デフォードの「夾竹桃」かな？
こういうところには作者のミステリ愛を感じるんだけどなぁ。