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『どろぼうがっこう』『だるまちゃん』シリーズなどの物語、『かわ』『雪の日』などの科学絵本で有名なかこさとしの書いた、子ども向けエッセイ。 たまたま古本屋で見つけたけど、じつにいい本だった。 ぼくは、もともとアンチ科学信仰派だったし、最近ドラッカーを読んで、デカルト以来のモダン...
『どろぼうがっこう』『だるまちゃん』シリーズなどの物語、『かわ』『雪の日』などの科学絵本で有名なかこさとしの書いた、子ども向けエッセイ。 たまたま古本屋で見つけたけど、じつにいい本だった。 ぼくは、もともとアンチ科学信仰派だったし、最近ドラッカーを読んで、デカルト以来のモダンの思想にますます否定的になっていたわけだけど、子どものころから親しんできたかこさんの本を読んで、とても新鮮な驚きを得た。 もともと大きな会社の技術職として、部長にまでなったかこさんが、まだ絵本の世界に入る前に、新聞に連載したという『科学者の目』。 アインシュタインやノーベルも出てくるけど、紹介されている41人はどちらかというと、マイナーな人が多い。ぼくが知っていたのは、ほんの数人。 かこさんは、歴史上、重要な発見や発明を行った科学者のたちの「目」をとらえて、紹介している。 彼が、彼女が、何を見ていたのか、何をどう見て取る目を持っていたのか、それをわかりやすく説明してくれる。 そして、みずからも技術者であったかこさんは、なによりも「努力する科学者の姿」をいっしょうけんめいに伝えようとしている。 子どものころから天才の名をほしいままにしながら、一生努力を惜しまなかった数学者ガウスの姿と目を伝え、また逆に「恐竜」という名前を命名したオーエンは、晩年ダーウィンの進化論に反対し続けたことをさして、「どんなに名声があろうとも、それによりかかって努力を怠るならば、恐竜のように滅びてしまう」ということを伝えようとしている。 全編から、かこさんの、歴史に貢献してきた科学者たちへの愛情が、また未来の科学者たる子ども達が平和を大切にする科学者に育って欲しいという願いが感じられてくる良書だった。
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