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宿屋めぐり 講談社文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2012/07/13 |
JAN | 9784062773072 |
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宿屋めぐり
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宿屋めぐり
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商品レビュー
4.1
16件のお客様レビュー
町田康の多くの小説は、多彩な擬音・現在と過去の区別・実在なのか創造か・人間なのか動物か・死んでいるのか生きているのか等等 意味不明・摩訶不思議な調子で淡々と続くのです。結末も何だかスッキリしない読後感があったりするのですが、面白いいんです! 読みながら何故だか声を出して笑ってし...
町田康の多くの小説は、多彩な擬音・現在と過去の区別・実在なのか創造か・人間なのか動物か・死んでいるのか生きているのか等等 意味不明・摩訶不思議な調子で淡々と続くのです。結末も何だかスッキリしない読後感があったりするのですが、面白いいんです! 読みながら何故だか声を出して笑ってしまうんです。 この小説は、ある世界で師匠に仕えて暮らしているうだつの上がらない弟子”鋤名彦名”が主の指令で大刀を遠い国の神社に奉納する道中記ですが、いきなり大刀奉納って江戸以前?とか思うのですがやはり町田小説は凄いのです。現代ぽいテンションと江戸的な様相を呈した舞台となっていて何がなんだか判りません。。。 この彦名は各地を旅しながら不本意にも人を殺したり強盗を働いたり街を破壊したりと次々と犯罪を繰り返して行く、それでも主の命である大刀奉納を目的にどんどん障害を乗り越えたり逃避行したりしながらつき進んでいく。 一度は磔になって殺されながらも最後にはミッションを完了するのだが目の前に現れた現実は、、、 人生は”宿屋めぐり”です延々とぐるぐる廻るみたいです
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みんながおれを悪党だというが なにもおれは悪党になりたくてなったわけじゃない わざとじゃないんだ、わざとじゃ だからおれは絶対に謝らんぞ といったような、ちんけなプライドに根ざす傲慢さを抱えながらも わたしはけっして根っからの悪党じゃない だからつねに、そんなわたし自身の自己防衛...
みんながおれを悪党だというが なにもおれは悪党になりたくてなったわけじゃない わざとじゃないんだ、わざとじゃ だからおれは絶対に謝らんぞ といったような、ちんけなプライドに根ざす傲慢さを抱えながらも わたしはけっして根っからの悪党じゃない だからつねに、そんなわたし自身の自己防衛的ないいわけについても 懐疑的でありつづけているのです だからおれは本質的には善人であるわけだ 絶対に謝らんぞ といった具合に、おれとわたしが無限増殖をしている といった具合で、たくさんの我を背負っている それ故にむしろ我ありということがいえるのではないかしら? などとそのように 己を正当化するための欺瞞的信仰まで持ち出してくるのなら もはやこちらとしては戦争しかないのであって それを避けたいというなら、せめて形だけでも詫びを入れてほしい 頭を下げてほしい 郷に入れば郷に従ってほしい つーか普通に生きなさいよ普通に などとそんなつまらぬ結論をみるまでに 700ページも小説を読まなければならない かくも人間の自意識とは度し難いものである が故に 普通とはなにか?それを定義せよなどといった クソめんどくせえ議論がここからはじまってしまうであろうことも 容易に予測できてしまうのであるが まあ神ならぬ人の子がやることですからね、仕方ないね 絶対に謝らんからな ってまたそういう話になってしまうわけよ 安らぎを得るために、我ら人の子は無謬をあきらめるしかないよ
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『パンク侍』や『告白』のあたりで芸風がすっかり固定したようだ。相変わらずの目くるめく町田節。特にこの本は、主人公の道中のドタバタぶりや、展開の目まぐるしさが際立っている。ページをめくらせる力はめっぽう強い。 「主」(最初は「あるじ」かと思っていたが、やっぱり「しゅ」と読むんでし...
『パンク侍』や『告白』のあたりで芸風がすっかり固定したようだ。相変わらずの目くるめく町田節。特にこの本は、主人公の道中のドタバタぶりや、展開の目まぐるしさが際立っている。ページをめくらせる力はめっぽう強い。 「主」(最初は「あるじ」かと思っていたが、やっぱり「しゅ」と読むんでしょうな)という存在が、この波乱万丈の物語を唯一つらぬく背骨になっている。しかし、いったいなんなんだろうなこれは。こんな話をよく次から次へと書けるものだよ。
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