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どくとるマンボウ医局記 改版 中公文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2012/06/23 |
JAN | 9784122056589 |
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どくとるマンボウ医局記 改版
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商品レビュー
4.3
3件のお客様レビュー
精神科医と作家という2つの顔を持つ故人の著書、北 杜夫の多忙な医局時代の物語である。 著書の父親は歌人であり、精神科医である斎藤茂吉である。著者は幼い頃より父親の歌を聴いて、見て、肌で感じており、尊敬していた。父親はかなり怒りっぽくてよく激怒していたという。しかし、そういった...
精神科医と作家という2つの顔を持つ故人の著書、北 杜夫の多忙な医局時代の物語である。 著書の父親は歌人であり、精神科医である斎藤茂吉である。著者は幼い頃より父親の歌を聴いて、見て、肌で感じており、尊敬していた。父親はかなり怒りっぽくてよく激怒していたという。しかし、そういった性格のお陰で緩急ある素晴らしい歌が出来るのだと、そうした性格も尊敬していた。また著者自身も喧嘩腰であった。著者はそんな父親の影響を受けてか、精神科医であり、歌人ではないが、作家という2つの仕事を持っている。奇想天外な行動を見せる精神患者相手に仕事をしつつ、合間に原稿を書くというかなり多忙な生活をしていた。本書を読んでいて、どちらが本職かわからなくなるし、自分でもヤブ医者と言ってはいるが、従事する割合的に医者だと思う。というのも、本書を読んで改めて医者という仕事のプレッシャーや忙しさ、患者に対する姿勢、考え方が素晴らしいと思えたからである。特に印象的なことは、父親譲りの怒りっぽさを患者の前では出さず、優しく接しており、むしろ患者に尊敬の念を抱いたことである。精神病患者は危ない、殺されかねないと言うイメージが多いが、実際にはそんなことするのは一握りで、むしろ罪を犯すのは健常者の我々の方である。精神病患者の中には、事後新作という、勝手気ままに新しい漢字を考案するものもいる。そういった真新しい考え方に感銘を受けたり、患者と同じ目線に立つため、白衣を脱いで病室に入り、患者達の話し声に耳を傾けたりもした。とある患者はベッドの端に寝ており、その理由を聞くと、「あんたが寝るスペースさ」と言った。こういった場面を見ると可愛らしいなと思う。著者は壮年期に躁鬱病を患う。しかし著者はこの病気のお陰で人生をより充実して過ごすことが出来るという。躁状態の時は正常時より気分が数オクターブ高くなり、様々なアイデアや自信に満ちた行動を取る。逆に鬱状態の時には自身の行動を省みる。かと思えばどちらでもない中間の自分もおり、バランスを取っていた。そうした捉え方をする姿勢も素晴らしいと思った。 本書はかなり昔の本で、「マンボウ」シリーズの中の一冊である。他のシリーズは読んでいないが、本書を読んで、人との接し方について大きく学んだ。著者は喧嘩腰であり、仕事関係で気に食わない人には容赦なく怒った。それはそれで自分を持つという面からは非常に大切である。しかし、病人、心身弱ってる人に対しては同じ目線に立ち、優しく接した。僕や僕の家族、友人がいつ心を病み、理不尽な発言や行動をとるかわからない。僕自身がそういった時、親身になって接することが出来るのか、その中に長所や可能性を見いだすことが出来るのか、本当の所は分からない。現代でも、育児や介護に疲れ、悪気が無くてもストレスが溜まり、暴力を振るったりネグレクトする事件をよく耳にする。これからは高齢化のスピードがますます上がり、より多くのストレスを抱える事になるだるう。僕が病んだ時に殴られたり無視されたら悲しいし、それは他人も同じだろう。著者は世に名を残した詩人や作家の多くは精神疾患だったと言っている。例えば、トルストイやゲーテ、夏目漱石等である。彼らは病んでこそ、また、常人に無い感性があったからこそ、名作を残せたと言っている。著者もその1人であり、「マンボウ」シリーズで芥川賞等、様々な賞を受賞している。病気一つとってもそうだが、普段の生活から負の面ばかり見るのではなく、そこに可能性を見いだしていきたいと思った。
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「どくとるマンボウ」シリーズなので最後までユーモアに溢れているが、ただ一つ「山梨県の病院へ売りとばされたこと」の章だけは、他の章とは打って変わって描写が際立って透明で、繊細で、稀に見る美しさ。 理解しにくい言葉は出てこず、とにかく正確、的確に言葉が使われ、曖昧な表現がまったくな...
「どくとるマンボウ」シリーズなので最後までユーモアに溢れているが、ただ一つ「山梨県の病院へ売りとばされたこと」の章だけは、他の章とは打って変わって描写が際立って透明で、繊細で、稀に見る美しさ。 理解しにくい言葉は出てこず、とにかく正確、的確に言葉が使われ、曖昧な表現がまったくない。 文中では毒のオンパレードだが、この人の人間を見つめる眼差しは尊敬すべきものだと思う。
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医局時代のこと、また初期小説が生まれたあたりに絡むエピソードも多く、ファンにとっては嬉しい内容ではないかと思います。 「どくとるマンボウ~」はほかの「マンボウ~」ものとはちょっと違う(どくとるマンボウ~の方が主??)ようですが、ほかのエッセーにも出てくるエピソードも(佐藤愛子氏...
医局時代のこと、また初期小説が生まれたあたりに絡むエピソードも多く、ファンにとっては嬉しい内容ではないかと思います。 「どくとるマンボウ~」はほかの「マンボウ~」ものとはちょっと違う(どくとるマンボウ~の方が主??)ようですが、ほかのエッセーにも出てくるエピソードも(佐藤愛子氏に紅茶を提供したら、何度も使いまわしたディーバッグのせいで味がかなり薄くなり、怒られる・・・など)登場してきます。
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