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ブルックリン エクス・リブリス
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ブルックリン エクス・リブリス

コルムトビーン【著】, 栩木伸明【訳】

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ブルックリン エクス・リブリス

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 白水社
発売年月日 2012/06/04
JAN 9784560090220

ブルックリン

¥2,475

商品レビュー

4.3

14件のお客様レビュー

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2023/02/17

同名の映画版(2015年)が好きで、不特定多数の人に推しまくってきた。 ある日推した一人から「アイリーシュ(ヒロインの名前)が渡米してやんちゃになっただけの話では?」という意見があり、ショックを受けることがあった。 悔しいことに、渡米して自由な風に吹かれて身も心も垢抜けていく、...

同名の映画版(2015年)が好きで、不特定多数の人に推しまくってきた。 ある日推した一人から「アイリーシュ(ヒロインの名前)が渡米してやんちゃになっただけの話では?」という意見があり、ショックを受けることがあった。 悔しいことに、渡米して自由な風に吹かれて身も心も垢抜けていく、というのは考えれば考えるほど否めない。閉鎖的とは言え愛する母親がいる故郷に背を向けているようにも見えてきて、自分も段々その意見に傾いていた。 そんな自身の寝返りを食い止め、また、アイリーシュの深い胸の内も知りたくなって原作に飛びついたのである。 1951年アイルランドの片田舎に住むアイリーシュはフラッド神父の計らいにより働き口を得て、ひとり米ブルックリンに移住する。(ブルックリンにはアイルランド系移民が多く暮らしている) この作品の好きなところは、礼儀正しいが引っ込み思案な彼女が、(恋人のトニーをはじめ)様々なバックグラウンドを持つ人との出会いを重ねて変化していくところだ。何なら身も心も垢抜けていくところだって、見ていて心地良かった。 映画はほとんど原作に忠実だったが、原作ではエイリーシュの心情変化がより細やかに描写されており、自分の中でモヤっていたものへの答えがすぐに得られるような気がした。 実際、思っていた以上の気づきがあった。 アイリーシュは、故郷に背を向けたわけではない。 彼女は渡米前「アメリカに移住したアイルランド人たちは望郷の念を忘れて得意満面で暮らしている」と聞かされていた。しかしクリスマスの慈善パーティーに集まった、行き場のない何十年も故郷と音信不通で援助してくれる人もいないアイルランド人たちを見て考えを改める。 また「ここでは自分は幻のような存在だ」と思い詰め、激しいホームシックにもなった。 転機はやはりトニーとの出会いだろう。一度帰郷し故郷への思いに揺らぎつつも、最終的には自分の居場所ではないと感じるまでに彼女は生まれ変わっている。 ここまでは映画で見たままのアイリーシュだったが、最後のあの一節で故郷を完全に締め出したわけではないと悟った。 今後帰郷する機会があっても、それは身内の「婚」と「葬」くらいになるだろう。だが、何年経ってもあの母親の姿は彼女の脳裏にくっきりと焼き付いていると思う。 「じっとして、息をなるべく静かに保って、吐きたくなったら思う存分吐いちまうがいい。明日には新しい女に生まれ変わってるよ」 ようやく自分を取り戻した気分笑 映画では伝わりきらなかったところもあったし、(どんな作品にも言えることだが)万人受けするって難しい。こうして書いてきたけど、まだまだ掴みきれてない箇所だって絶対ある。 でも何と言われようが、これだけは言える。自分は原作・映画版どちらの『ブルックリン』も好きだって。

Posted by ブクログ

2020/02/13

今の彼氏と 昔憧れていた人 新天地と故郷 自分の新しい家族と 故郷の母親 離れがたいもの同士のなかで 決断を迫られます 最後はちょっとほろ苦い決断なんですが 女性が 自分の道を歩んでいく様には 未来に幸あれと願ってしまいますね

Posted by ブクログ

2018/03/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

なんて、なんて素晴らしい小説なんだろう。他の人の人生を歩ける小説が大好きです。アイリーシュがエニスコーシーからブルックリンへ行き、百貨店で働きながら大人になっていく過程(ここは簡単な言葉では語り尽くせないところ)も、マンハッタンの本屋に法学の本を買いにいってホロコーストのことを言われるところも、ローズが亡くなってアイルランドへ里帰りするところも、トニーのことをもう愛していないと気づくところも全部全部好き。こんなに好きな作家には久々に出会ったかもと思う。『ノーラ・ウェブスター』も良かったし、コルム・トビーンの作品を全部読みたいです。あとどう考えても翻訳が素晴らしいです。栩木伸明さんの翻訳している本を読んでいきたい。映画も良いって聞いたのでDVDを買いました! 楽しみ!!

Posted by ブクログ

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