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桂太郎 外に帝国主義、内に立憲主義 中公新書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2012/05/25 |
JAN | 9784121021625 |
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桂太郎
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商品レビュー
3.1
11件のお客様レビュー
本書は明治後期から大正にかけて活躍した政治家「桂太郎」の詳細な研究書である。 現在ではあまり知られているとは言えない政治家と思うが、本書を読んで、幕末から明治の英雄たちに負けない「大政治家」であると思った。 本書によると、「桂太郎」は歴代の総理大臣としては在任期間最長の28...
本書は明治後期から大正にかけて活躍した政治家「桂太郎」の詳細な研究書である。 現在ではあまり知られているとは言えない政治家と思うが、本書を読んで、幕末から明治の英雄たちに負けない「大政治家」であると思った。 本書によると、「桂太郎」は歴代の総理大臣としては在任期間最長の2886日(約7.9年)を担い、そのキャラは「ニコポン」と言われた柔軟な政治手法を得意としながら「日露戦争」と「韓国併合」という国家の命運をかけた重要な政治課題を遂行したという。 いやいやこれは、日本の「中興の祖」といっても良いような「大政治家」ではないか。 そして、本書で紹介されている「桂太郎」の経歴と当時の日本の政治・軍事の進行の紹介は、実に詳細かつ緻密である。 当時の日本が、国際関係の世界的再編の中で「帝国主義的国策」にどのような経過でつき進んでいったのかがよくわかる。 しかし、昭和の時代の我が国だけでも300万人以上の戦死者を出した「昭和の戦争の破局」を思い起こすと、明治から現在までの歴史でどこで誤ったのだろうとの思いを持つが、本書での「日露戦争」や「韓国併合」の歴史を読んでも、よくわからないとの感想を持った。 これは、「歴史知識」の問題ではなく、「歴史認識」の問題なのだろうか。 本書で紹介されている、本来なら「偉大」といっても良いほどの経歴を持つ「桂太郎」だが「スペシャルドラマ・坂の上の雲」でも完全に脇役だった。 日露戦争という勝った戦争には英雄がいるが、その後破局を迎えた「帝国主義政策」を推し進めた主人公の歴史的評価は高くはないということなのだろうか。 そして本書でわかりにくいのは、当時の日本の国家体制についてである。 「元老」というこの時期のみに存在した役職や、現在とは全く違う黎明期の「政党」がくんずほぐれつして展開する事態は、その持つ意味と「時代の空気」がわからないためにイメージしにくいものとなっており、よほどこの時代に興味を持つ読者以外は、なかなか読み通すことが困難な内容になっているように思える。 新書の分量で、この時代の全てを考察することは、ちょっと無理があるのかとも思えた。 この時代を鳥瞰するという意味では良書であると思うが、時代を理解するという意味ではちょっと不満が残る書である。
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桂太郎って影が薄く功績がよく分からない。が藩閥政治から政党政治への変遷、日露戦争など維新を終えた日本のセカンドコーナーにおいて重要な役割をになった人物であることがこの本から理解できた。 調整型の政治家で「ニコポン宰相(ニコニコしながら近づき背中をポンと叩いて接近して会話を始めたいう)」であり、無思想かつ機会主義で柔軟に効率に運営していく人材がこの時代にあったということが興味深い。大きな変化のあとはそれを均していく必要があるということである。イノベーションだけが仕事ではない。
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日本最長の八年に及ぶ首相在任期間を誇る桂太郎。三度の政権下、日露戦争、韓国併合と、外には帝国主義政策を断行、内には伊藤博文らの次世代として、最後には政党結成に動く。山県有朋の"傀儡〟と、低く評価されてきた桂だが、軍人出身ながら、軍の予算を抑制、国家全体の利益を最優先し、緊縮財政を追求し続ける。時代の制約の中、「ニコポン」と呼ばれた調整型政治家が求めたものは何か――。その全貌を描く。
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