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乱気流(上) 小説・巨大経済新聞 角川文庫

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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 角川書店/角川グループパブリッシング |
発売年月日 | 2012/05/25 |
JAN | 9784041002988 |


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商品レビュー
3.3
5件のお客様レビュー
高杉良氏による、バブル崩壊の頃の日経新聞を題材にした小説。「対抗誌のないのをいいことに、経済情報を独占し、いい気になっている点を反省してもらいたいな。」と登場人物に言わせるという(笑 調べればわかる「ほぼ史実」「ほぼ実名」の内容を取り上げつつ、結構にこき下ろしていて、これはこれで...
高杉良氏による、バブル崩壊の頃の日経新聞を題材にした小説。「対抗誌のないのをいいことに、経済情報を独占し、いい気になっている点を反省してもらいたいな。」と登場人物に言わせるという(笑 調べればわかる「ほぼ史実」「ほぼ実名」の内容を取り上げつつ、結構にこき下ろしていて、これはこれでかなり勇気がないとできない振る舞いだなと思いました。 …と思ったら日経の鶴田元社長と島田元常務に名誉棄損で訴えられてたんですね。提訴時に講談社と著者が発表したコメントがなかなか奮っていて、「言論・出版の自由を守るべき立場にある代表的新聞社の元トップと現役の最高幹部が、あろうことか文芸作品の出版禁止命令を公権力に求めるなど前代未聞の暴挙としか言いようがない」と。 そういえば、元々講談社の本だけど、文庫は角川から出てるんですね…。 本著、読み始めるとまぁ読みやすい。ラノベよりスイスイ読めます!(笑 ただし、自分がサラリーマンに馴染んで(染まって?)しまった証拠でもあるなと…経済小説はサラリーマンのラノベですね。 登場人物たちをちょいちょい居酒屋に行かせては人の悪口を延々と喋らせるというストーリー展開が繰り返される(笑 んですが、バブルの頃のリーマン暮らしってこんな感じだったのかなぁ…と社会科見学気分で読めてしまいます。 (それだけ、著者の取材力があるってコトだと思いますが) 上巻ではリクルート事件やイトマン事件、「私の履歴書」の諸々、といったトピックが扱われましたが、本番は下巻なんですかね。一気に読み切ってしまいたいと思います。
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恐らく日経新聞のことを題材にしているのではないかと思われる小説の上巻。リクルート事件っぽいエピソードや他にも実際にあった事件などをテーマにしていると思われる話があり面白い。新聞記者の夜回りや取材の大変さや、大企業の重要ポストにつく人間とも若いうちから会える等、強い立場にいることな...
恐らく日経新聞のことを題材にしているのではないかと思われる小説の上巻。リクルート事件っぽいエピソードや他にも実際にあった事件などをテーマにしていると思われる話があり面白い。新聞記者の夜回りや取材の大変さや、大企業の重要ポストにつく人間とも若いうちから会える等、強い立場にいることなども少し垣間見えるので参考になる小説。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
本書は、私と同じように新聞記者を目指している方から、「これは必読!」と勧められて購入したものだ。社名こそ改変されているものの、日経新聞のスキャンダルを扱ったものである。 物語のクライマックスは、2003年に起こった株主総会が舞台となった社長解任騒動。解任要求の理由は、子会社の不正会計と社長の資金流用の二つ。社会の木鐸という言葉の無意味さが響く。 ■ここがへんだよ新聞社 ・文中の「競争原理」という言葉 他社とではなく社内でのスクープ合戦競争のことを指している。スクープをとってきた記者は羨望とともに嫉妬の目線で見られる事となる。競争原理と言う言葉の使い方に違和感があるが、本書の著者は業界紙記者を経て作家になった方なので、業界特有の用法なのだろう。 ・業界紙出身の中途採用者差別 本文中に取材先からお金を積まれて提灯記事を書いたのではという事件が起こっているが、この時主人公は業界紙出身の中途採用者を真っ先に疑っている。決して生え抜きの社員はクロではないと思いこみ、業界紙出身記者を下に見ている。これも著者の経歴を考えると過剰な書き方なのかもしれないが、一面の真実を捉えているといえよう。 ・企業の太鼓持ちとの批判(日経) ある企業が大型の投資案件を発表した日に、1面ALLの広告を掲載するのは日常茶飯事。私の履歴書では経営者の自慢話を延々と書き連ねることもあり、形を変えた企業広告ともいえる。 ・日経は経済部が強いという言葉の真実 当たり前だが、日経新聞は経済面が強い。この強さの源泉は何かというと、もちろん記者の数・質によるところはあるだろう。しかし、それ以外にも要因はある。少なからぬスクープは企業側からのリークによってもたらされる。企業側は宣伝効果の最も大きい日経新聞に集中してリークをするという要因も忘れてはいけないと、本書から読み取れる。 記者が企業側からのリークをそのまま受け取ってしまうと単なる企業のいいなりになってしまう。批判記事を書くペンの矛先を自ら折ってしまう恐れには自覚的でなければならない。 また、経済部は他紙にスクープを抜かれた際には、絶対にその記事は大々的に1面に載せないとの描写がある。これも真偽のほどは定かではないが、記者にはキツイプレッシャーなのだろうと想像される。 小説という形をとっているものの、ほんの10年ほど前に大スキャンダルが起こったことは確かな真実である。来年から新聞記者として働いているかもしれない(?)者としては、「記者の本懐とは何なのか」非常に考えさせられる小説であった。 まずは入社試験を通らないとエライ事もいえないのだが‥‥。 参考) 最近の日経社長スキャンダル http://gendai.ismedia.jp/articles/-/32999
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