1,800円以上の注文で送料無料

悪の哲学 中国哲学の想像力 筑摩選書
  • 中古
  • 書籍
  • 書籍

悪の哲学 中国哲学の想像力 筑摩選書

中島隆博【著】

追加する に追加する

悪の哲学 中国哲学の想像力 筑摩選書

定価 ¥1,650

1,485 定価より165円(9%)おトク

獲得ポイント13P

在庫なし

発送時期 1~5日以内に発送

商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 筑摩書房
発売年月日 2012/05/16
JAN 9784480015433

悪の哲学

¥1,485

商品レビュー

4

5件のお客様レビュー

レビューを投稿

2020/08/28

近年、性善説、性悪説というのが気になっていた。 そもそも人間の本性は善か、悪かという議論は、なんだか、古いテーマな感じで、利己的か、利他的かというのと概ね同じ議論ではあるんだけど、多分、利己、利他という表現を使うと、進化論とか、脳科学とか、心理学とか、ゲーム理論とか、その辺を読...

近年、性善説、性悪説というのが気になっていた。 そもそも人間の本性は善か、悪かという議論は、なんだか、古いテーマな感じで、利己的か、利他的かというのと概ね同じ議論ではあるんだけど、多分、利己、利他という表現を使うと、進化論とか、脳科学とか、心理学とか、ゲーム理論とか、その辺を読めば、もう結論はでちゃっている感じがしているし、興味はあるのだけど、どっちかというと知的な理解の問題になるんだと思う。 わたしの感覚では、やっぱ善か、悪か、というのがやっぱふさわしい感じがしている。だけど、このテーマに付き合ってくれる人がいなくて寂しかった。 そういうなか、やっとわたしの問題にしっかりフォーカスしてくれた本に巡り合った。 人間のあらそいごとって、一種の「正しさ」からくると思う。自分がなにかを正しい、正義だ、つまり、善であるということからくる。 自分が善だと考えるので他者が認められない。 だったら、どうすべきかというと、正義とか、善とか、悪だとか、固定的に考えるんじゃなくて、もっといろいろな意見の多様性を共感をもって認めていこうという話しになる。 ところが、なにが正義かという基準がなくなると、なんでもいいことになって、これはこれで困ってしまう。なにか共通のルールなり、価値観がないと社会はなりたたない。 極端な話し「人を殺してはいけない」というのはかなり世界共通のルールだと思うが、これすら「戦争」とか、「正当防衛」とか、「死刑」とか、「中絶」とか、結構な幅がある。 時代を遡れば、「他の部族だったら」とか、「神への生贄」とか、「王が死んだから従者も」とか、「夫が死んだら妻も」とかあったわけだし、さらには「御婆捨」とか、子供の「間引き」とか、さまざまなものがあった。 「人殺し」というかなり人類共通に思える規範についても、社会とか、歴史的に結構な多様性があることがわかる。 そこで、「科学的」になにか基礎付けるものがないかという議論になるかもだけど、これも怪しい。たとえ、ある程度、科学的になんらかの共通のものが「人類のDNA」とかから見出せたとしても、それが社会的に正しいという価値判断の根拠にはならない。 というわけで、どう考えればいいのか〜と思っていて、性善説とか、性悪説とか、中国の古典が気になっていた。 それは、中国はあんまり超越的な神様、人格神的な一神教から遠くて、人間の現実の社会ということを考える傾向があるから。神なき世界でどう人間は善な社会をつくることができるか?という話。 そういう問題意識にぴったり合った本。かなり納得しました。(答えはないんだけど) この本がどういう議論なのかは自分のなかでもうちょっと熟成したい。中島先生の本をもう少し読んでみることにする。

Posted by ブクログ

2018/08/19

中国の思想哲学では悪に関しての考察が薄いという批判があるがそんなことはないという話。 朱子学や陽明学、遡って老子や孔子、荘子、孟子、荀子がいかに人間の善悪を扱ってきたか。善悪という観点から読み返すとそれぞれの哲学の展開の仕方の違いがまたわかって勉強になる。

Posted by ブクログ

2016/08/30

「悪」をどのようにとらえ扱おうとしているのかという観点から、中国の思想史を読み直している。時系列に沿って記述されているわけではないので、ある程度中国思想史についての知識が必要であると感じた。著者は、最終章に置いた荀子の思想に共感しているように読める。実際読んでみて荀子の思想に興味...

「悪」をどのようにとらえ扱おうとしているのかという観点から、中国の思想史を読み直している。時系列に沿って記述されているわけではないので、ある程度中国思想史についての知識が必要であると感じた。著者は、最終章に置いた荀子の思想に共感しているように読める。実際読んでみて荀子の思想に興味を持った。

Posted by ブクログ

関連商品

最近チェックした商品