市場主義3.0 「市場vs国家」を超えれば日本は再生する

山田久【著】

• 販売会社／発売会社: 東洋経済新報社
• 発売年月日: 2012/05/12
• JAN: 9784492395707

商品レビュー

2012/09/05

新自由主義と北欧型の社会民主主義をミックスするような考え方は一見目新しさはないが、
震災後の社会構築の観点から述べているところに参考になる部分があります。社会保障政策に関して、現役世代と引退世代にわけて再分配機能を論じる点は興味を惹かれたが、市場の失敗について触れていない点が残念です。やはり、引退世代に対する社会保障が強くならざるを得ないことは否定できないでしょう。

2012/07/07

日経書評より（日大乾教授）引用。

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日本経済の閉塞感の背景は、グローバル経済化への対応と、若年年齢比率の低下にあるとして、市場主義3.0への移行を提言。

市場主義1.0：市場の競争、効率を重視する経済社会システム（米英型）
市場主義2.0：経済システムでは市場を重視する一方で、社会システムでは社会の役割を重視する（北欧型）
市場主義3.0：上記のハイブリッド経済システムでは市場原理を尊重し、社会システムでは政府の所得再配分機能を樹脂しつつ、社会保障サービスの提供主体は民間事業者にする
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本書評では、今後はビジョンと同時にエビデンスの提示が求められると指摘する。例えば、日本企業のいっそうの国際化が本当にビジネス支援サービス業を拡大させ、マクロ的な雇用の拡大をもたらすのかどうか、社会保障サービスの提供主体が民間事業者となった場合に、どのような雇用創出をもたらすのかなど。ビジョンは明快で賛同できるだけに、具体の道筋づくりについて、本書を追随する研究成果の登場に期待したい。