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特高警察 岩波新書
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2012/05/24 |
JAN | 9784004313687 |
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商品レビュー
3.2
12件のお客様レビュー
国会設立時の政党活動規制のため高等警察が成立し、その後は労働運動や社会主義運動に取締対象が変化した。大逆事件を機に特別高等警察が創出された。治安維持法の整備などもあり1928年に特高体制が確立した。 警察内部では花形部署であり、活躍すれば叩き上げでも出世できた。 特高は共産党員検...
国会設立時の政党活動規制のため高等警察が成立し、その後は労働運動や社会主義運動に取締対象が変化した。大逆事件を機に特別高等警察が創出された。治安維持法の整備などもあり1928年に特高体制が確立した。 警察内部では花形部署であり、活躍すれば叩き上げでも出世できた。 特高は共産党員検挙の暴虐性を暴露した小林多喜二を拷問殺した。その後の取り調べではお前も小林のようにするぞと脅すのが常套であった。スパイも活用されsと呼ばれていた。 日本人に対しては処罰により思想を矯正するため死刑は回避される傾向があったが、満州人や朝鮮人など日本人以外に対する場合は、かなり峻烈であり、裁判は形式的、死刑も多く出た。 戦後GHQにより特高警察は解体されたが、公安警察、思想検察を承継した公安検察、公安調査庁へ引き継がれ、50年代半ばには戦後治安体制が確立した。
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これは戦前に起きたとんでもない出来事だと思いながらも、手が震え動悸がしたのはなぜだろう。先に読んだ「思想検事」の対として特高警察を捉えようと読み始めたが、こちらの組織の方が凄まじい。思想検事には高い知能とそれ故の距離感があるが、特高には理屈が通らない怖さがある。何を言っても無駄だ...
これは戦前に起きたとんでもない出来事だと思いながらも、手が震え動悸がしたのはなぜだろう。先に読んだ「思想検事」の対として特高警察を捉えようと読み始めたが、こちらの組織の方が凄まじい。思想検事には高い知能とそれ故の距離感があるが、特高には理屈が通らない怖さがある。何を言っても無駄だと言う絶望。特高に知能は必要なくて、屁理屈を押し通す強引さと、考えもなくただ職務への忠実さとがあれば良い。つまりは誰もが特高になれてしまうかもしれない、その身近さに寒気を感じたのだろうか。 そもそも人の考えを取り締まるって了見が私は嫌なのだが、その思想が私たちの生を脅かすとしたら(例えばヘイトとか差別のような)、私だって当然、拡がるのをやめさせようとしたいだろう。共産主義思想は当時、そんな位置付けだったのだろうか?そうだ、当時は民主主義ではなかった。「私たち」ではなく「国体(天皇中心国家)」を脅かす、それが共産主義思想だった。 最初、共産主義思想の殲滅を掲げて始まった特高は、やがて共産主義でなくても国の意に反する気配を感じるもの全てを事前に取り締まるようになった。「日本無産党は日本共産党と1字違いだから」こんな理屈にもなってないこと言う国家組織、最悪。特に関心なかった「横浜事件」も、特高のデタラメぶりを知ったら、自分にも起きうることと感じて恐怖を覚えた。だって出版記念の宴会の集合写真が「アカの集会の証拠」とされて、拷問で4人死んでるんですよ。 戦争が始まるともう、「思想」を取り締まる域を超えてる。兵隊に取られて戦死した夫を嘆くこともできないし、「お腹空いた」って言ってもいけない。そんな世の中を私は生きていく自信がないし、やがて見て見ぬ振りをしたり、特高的な行動をすることになるかもしれないことが怖い。当時の人の気持ちを考えると苦しさで胸が詰まる。 この本を読んでると、彼らがこんなにも怯えた共産主義思想とは何か、またそもそも警察組織って何かということが次に気になってきた。戦後に引き継がれた「公安警察」にも俄然興味が出てきた。今までは暴力団を取り締まるくらいの認識だったけど、そういえばデモも彼らの管轄なのかも。また、日本共産党へのアレルギーは、この国の根っこには国体維持の思想がずっと維持されていて、民主主義出来てないせいなのかなとも思った。
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戦前・戦中を通じて苛烈を極めた特高警察についての本。 要注意人物への日常的な監視、スパイ網を通じた市民の視察、盗聴、信書抜き取り、あいまいな理由での検挙と拘束、拷問、長期拘留など。恐るべきその活動内容が説明されている。 特高警察の目的は、「国体」、天皇制護持が目的であり、治安維持...
戦前・戦中を通じて苛烈を極めた特高警察についての本。 要注意人物への日常的な監視、スパイ網を通じた市民の視察、盗聴、信書抜き取り、あいまいな理由での検挙と拘束、拷問、長期拘留など。恐るべきその活動内容が説明されている。 特高警察の目的は、「国体」、天皇制護持が目的であり、治安維持法もこの目的に沿って徐々に拡大・強化され、アジア太平洋戦争期には、共産主義者や社会主義者だけではなく、戦争へのや厭戦的な感想、「少しの疑問」を漏らしただけで、逮捕や拷問が待っていた。 帝国主義国家体制を国内および植民地で支えたのが特高警察であったことを、多くの史料を元にして具体的に説明している。良書。
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