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ベッカー先生の論文教室
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 慶應義塾大学出版会 |
発売年月日 | 2012/04/21 |
JAN | 9784766419375 |
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商品レビュー
4
3件のお客様レビュー
論文についてのエッセイというか社会学的探求みたいな感じ。入門とかハウツーとかそういうのではない。専門家向き、特に社会学者。一般人があえて読むものではない。 2章の「ペルソナと権威」とか社会学にありがちな小難しい書き方を攻撃している。
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大学院生と学部生とでは書くものの長さもまるで違う。楽器松の一発勝負に慣れきった学生にとって、大学院レベルの長い論文の内容を頭の中で処理するのは至難の技だ。 アウトラインを作ってあらかじめパズルをすっかり解いておけば、自らの筆がどこへ向かおうとしているかがわかるし、これから書かれる...
大学院生と学部生とでは書くものの長さもまるで違う。楽器松の一発勝負に慣れきった学生にとって、大学院レベルの長い論文の内容を頭の中で処理するのは至難の技だ。 アウトラインを作ってあらかじめパズルをすっかり解いておけば、自らの筆がどこへ向かおうとしているかがわかるし、これから書かれるものが願意するところを見通すことで、思わぬ落とし穴にはまることも避けられ、すべてがうまくいく。 社会学者は何かを書くときに規則だとか指針とかについて考えない。アーティストのような作業をする。 学問は集積の企てである。事実においても理論においてもそうである。いざ書こうというときにまったくのゼロからはじめる人はいない。先人に依存する。先人の方法、結果、そして考えを使うことなくして、仕事は成り立たない。私たちに先立って彼らが語り、為したこととの間になんらかのつながりを明治することができなかったら、私たちの結果に関心を持つものはほとんどいないだろう。 学者はすでに言われてきたことに関連させつつ、何か新しいことを言わなくてはならないのであり、しかも誰が聞いても論点が理解できるようにそれをしなくてはならないのである。語られることは少なくとも何かしらの新しい内容を含んでなくてはならない。経験科学においては結果の反復という考えに口先では敬意が払われるが、それに対して報酬が与えられることはない。
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回送先:品川区立二葉図書館(OM02) 逸脱論で知られるハワード・ベッカーが記した「論文教室」。訳者も言うように、しかしその衒いの書籍にありがちなお作法の話ではなく、論文を書く若手研究者がやってしまいがちな「お作法の真似事」は必要なのかい? もっと簡潔にできないのかい? と問い...
回送先:品川区立二葉図書館(OM02) 逸脱論で知られるハワード・ベッカーが記した「論文教室」。訳者も言うように、しかしその衒いの書籍にありがちなお作法の話ではなく、論文を書く若手研究者がやってしまいがちな「お作法の真似事」は必要なのかい? もっと簡潔にできないのかい? と問いかける内容である。 評者にとっても身につまされるエピソードがふんだんに盛り込まれているだけに、自分の論文の書き方、あるいは論理展開を振り返って顔から火が出ているが、たぶんそれが大切なことなのだろうと一読して実感している(陳腐なレトリックの乱発、承認欲求丸出しのタイプ打ち、修正校をおざなりにしていることetc)。 原題の副題は「How to Start and finish Your Thesis, Book, or Article」、意訳すれば「己の論理を文章化しきるまでの方法」だが、ただ文章にすればおしまいではなく、その先、最後の最後まで責任を果たせということなのだ。それは、この書評で読んだつもりになることのできない問いをベッカー先生から授けられたに等しいのかもしれない。社会学部・社会学研究科の学部生・院生・教職員必読である。
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