図説 日本国憲法の誕生 ふくろうの本

西修【著】

• 販売会社／発売会社: 河出書房新社
• 発売年月日: 2012/04/12
• JAN: 9784309761886

商品レビュー

2024/06/04

日本国憲法・前文に転用された文書。p.37

われらとわれらの子孫のために、自由のもたらす恵沢を確保する目的をもって、ここにアメリカ合衆国のために、この憲法を制定し、確定する。アメリカ合衆国憲法
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われらとわれらの子孫のために、...自由のもたらす恵沢を確保し、...この憲法を確定する。日本国憲法

われらは、...専制と隷従、圧迫と偏狭を排除しようと努めている、大小すべての国家の協力と積極的参加を得ようと努める。テヘラン宣言
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われらは、...専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う。日本国憲法

人類が恐怖と欠乏から解放されて、その生命を全うすることを保障する平和が確定されることを...　大西洋憲章
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全世界の国民が恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有する...　日本国憲法

われらは、神聖な名誉にかけ...この宣言を擁護することを誓う。アメリカ独立宣言
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日本国民は、国家の名誉にかけ、この崇高な理想と目的を達成することを誓う。日本国憲法

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日本国憲法の執筆者 p.32

・前文：アルフレッド・ハッシー海軍中佐
・天皇：ジョージ・ネルスン陸軍中尉、リチャード・プール海軍少尉(26歳)
・立法権：フランク・ヘイズ陸軍中佐、ガイ・スォウプ海軍中佐、オズボーン・ハウゲ海軍中尉
・行政権：ミルトン・エスマン陸軍中尉(27歳)、サイラス・ピーク
・人権：ピーター・ロウスト陸軍中佐、ベアテ・シロタ(22歳)
・司法権：マイロ・ラウエル陸軍中佐、アルフレッド・ハッシー海軍中佐、マーガレット・ストウン
・地方行政：セシル・ティルトン陸軍少佐、ロイ・マルコム海軍少佐
・財政：フランク・リゾー陸軍大尉

チャールズ・ケーディス陸軍大佐(運営委員長)

彼ら執筆者たちは日本の歴史・伝統・文化に対する知識が不足していた。西欧的な民主主義を日本に植え付けることに殉教者的な使命感を抱いていたように感じられる。p.33

著者の執筆者たちへのインタヴュー(1984)。私たちの手元には役立ちそうな資料がありませんでした(ケーディス)。私は憲法案を作成するバックグラウンドを持ち合わせていませんでした(ハウゲ)。戦争放棄条項について、私たちは将来を見通せず、近視眼的にものを見ていたように思います(ハウゲ)。外国人によって起草される憲法は正当性を持ちえないと感じました(エスマン)。私は誕生日が昭和天皇と同じだったので、天皇の章を担当しました(プール)。p.34

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1945年9月2日の布告。第1号(日本の公用語を英語とする)、第2号(日本の司法権はGHQに属する)、第3号(日本円を廃し、B円と呼ばれる軍票を日本の通貨とする)。岡崎勝男(外務官僚)の尽力により撤回された。p.11

日本国憲法の原文案に対するマッカーサーによる修正(1946年2月12日)。修正前：Emperor is a the head of the state. 修正後：the symbol of the state. p.30

清水澄(とおる)。憲法学者。枢密院議長。日本国憲法施行後、国体の危機を憂えて、熱海の錦ヶ浦海岸から投身自殺。p.66

GHQによる検閲。東京裁判に対する批判・闇市の状況・飢餓の誇張など、広範にわたり徹底した情報統制が行われた。例えば、プロレタリア作家の中野重治が『展望』(1947年1月号)に書いた文章「日本の憲法を日本人がつくるのにその下書きは日本人が書いたのだと外国人(GHQ)からわざわざことわって発表してもらはねばならぬほど何と恥さらしの自国政府を日本国民が黙認していることだらう」→DELETE対象に　p.97