スカイツリー45の秘密 世界が驚いた！ 青春文庫

樫野紀元【監修】

• 販売会社／発売会社: 青春出版社
• 発売年月日: 2012/04/11
• JAN: 9784413095389

商品レビュー

2016/08/28

昨年(2015)本社の同僚が来日する前に、「スカイツリーが見たい」と言われたので、その機会を利用してスカイツリーに上ったことがあります。東京タワーよりも高い第一展望台（３７５ｍ）での景色にも驚きましたが、それよりも高い第二展望台（４５０ｍ）では、自分の目を疑うくらいの見たこともないような景色が広がっていたのを覚えています。

勤務しているオフィスから、スカイツリーが建設されているのが見えていましたが、記憶をたどれば、完成前に東日本大震災を経験しているのですよね。スカイツリーはその耐震性を見事に示した素晴らしい塔ですね。

この本にはスカイツリーにまつわる話が「４５の秘密」として解説されています。楽しく読ませてもらいました。

以下は気になったポイントです。

・さいたま市への設置も検討されたが、電波の混信世帯が１０万世帯を超えると想定され、その対策費が膨大になることから選定から外された（ｐ２２）

・スカイツリーが現在の場所への選定理由は、１）事業主体と建設用地の確保が明確、２）地元誘致のため地域の受け入れ態勢が整っている、３）観光地・浅草が至近にあり展望タワーとしての観光収入が見込める（ｐ２４）

・放送各社の「在京６社新タワー推進プロジェクト」が求めていたのは、６００メートルのタワー、高層建築林立で東京タワーでは放送エリアをカバーしきれなくなった（ｐ２９）

・スカイツリーは、自立式電波塔として世界一の建造物、自立式とは、地上から自立している＝建造物としてひとりだちしていること（ｐ３５）

・２０１１年３月１日の昼過ぎに、ゲイン塔のリフトアップで、中国・広州塔を抜いて世界一の高さに到達した。１１日に東日本大震災を経験するが、異常なしと、１４日に発表した（ｐ３７）

・ツリーのロゴマークに設定されている淡い色には意味がある、常盤色：伝統、萌葱色：若さ、刈安色：みんなの、黄金色：未来、紅梅：華やかさ、江戸紫：粋、空色：エコロジー（ｐ４１）

・ツリーの断面は地面は三角形だが、第一展望台までに円形に変わる。この理由として、お客さんが展望台に上がったら、自分の家の方角を見てみたいだろう、というコンセプト（ｐ６４）

・とび職も人達も、地下の工事からずっと、ほぼ同じメンバーを確保して携わってもらった（ｐ７２）

・設計の際に、コンピュータを使うと便利なのが、シミュレーションである。紙データを分析していたころは何日もかかったが、コンピュータ分析では、数時間で可能となった（ｐ９５）

・周辺の低層棟を先につくり、そこをヤードとする「多重の敷地」をつくった。１階は車両通路や地下階の工事のための作業ヤードとし、四階を材料や部材を運び上げて組み立てることにした（ｐ１１１）

・最後に高層階に残った巨大クレーンをどうやって下すか、それは解体用の一回り小さいクレーンを最上まで巨大クレーンで上げて、最上階で解体して、一回り小さなクレーンで各部品に分けて下す。最後に一番小さなクレーンが屋上に残るが、これは屋上で解体して、エレベータで下す（ｐ１２１）

2016年8月28日作成