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サムライと愚か者 暗闘オリンパス事件
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サムライと愚か者 暗闘オリンパス事件

山口義正【著】

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サムライと愚か者 暗闘オリンパス事件

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 2012/03/30
JAN 9784062175890

サムライと愚か者

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商品レビュー

3.8

19件のお客様レビュー

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2023/04/26

オリンパス事件は去年後半における日本ビジネス界最大の注目事件だったといえるだろう。本書はオリンパスの損失隠しのために行われた怪しい国内M&A案件を最初に記事投稿したフリージャーナリストによる手記である。本書を読むことでオリンパス事件の大まかな概要は理解することができるが、...

オリンパス事件は去年後半における日本ビジネス界最大の注目事件だったといえるだろう。本書はオリンパスの損失隠しのために行われた怪しい国内M&A案件を最初に記事投稿したフリージャーナリストによる手記である。本書を読むことでオリンパス事件の大まかな概要は理解することができるが、確かに細かい点(たとえば会計処理上の不明瞭な点)については、会計の知識がないと本書を読んでも100%は理解できないだろう。  しかし何が皮肉かと言えば、やっぱり日本は黒船(外圧)がないと動かない国なのか?ということである。本件も社長を解任されたウッドフォード氏がイギリスの捜査当局に出向いて捜査を依頼したことで、欧米マスコミが大きく取り上げ、日本も後追いで動き出した感が強い。  また著者も記述しているように、今回オリンパスがしでかしたことに比較すると罰の度合いが小さいように感じる。企業の中心部で最高経営幹部が悪事をはたらいたのに会社が存続しているのは(しかも社名も変わらず)理解に苦しむ。いまだに「菊川さんに忠誠を誓います」と思っている現役社員がいそうで恐ろしい。  明るい材料としては題名にもあるようにサムライもそれなりにいることだ。著者に内部情報をリークした深町氏(仮名)、ウッドフォード氏などである。ただ本書を読む限りオリンパス社内ではサムライはかなりの少数派で、愚か者の方が多く、大多数が事なかれ主義者という印象を受けてしまった。  最後に、本書の余談になるが、オリンパス記事を最初に出したFACTAという雑誌だが、本書を読んだ後にインターネットで山口氏の当該記事を拝読した。この雑誌、各号の目次を見るとわかるように99%が批判記事で埋まっている。この雑誌の編集長は方針を変えるべきだ。つまり、人間でもそうだがいつも大声で批判ばかりしている人の意見は軽視(無視)されがちである。そうではなくほめる時はほめ、批判するときは批判する、という人の話を人間は真剣に聞くものだ(批判も説得力が増す)。この雑誌を見て、前者のケース(いつも大声で批判だけしている人)を連想してしまい、せっかくの山口氏の投稿記事の価値がやや幻滅してしまった。「うちの雑誌は徹底的に批判するぞ!」と言っている編集長は、相手を褒めることもやることで、むしろ自社の批判記事の説得力が増すことにさっさと気づくべきだ。

Posted by ブクログ

2022/08/29

「石つぶて」ほどではないが、社会の暗部であり、恥であったこの事件の顛末を採り上げた意義は大きいと思う。

Posted by ブクログ

2018/11/05

オリンパス事件が発覚する端緒になったファクタ記事を書いたフリージャーナリストによる手記。当時はウッドフォードの社長解任のニュースを聞いて「そう言えばファクタオンラインで何か書いてたな」と思い出すのも束の間、pwcの調査報告書やら事情通元証券マンのブログやら何やらが続々ネットに出て...

オリンパス事件が発覚する端緒になったファクタ記事を書いたフリージャーナリストによる手記。当時はウッドフォードの社長解任のニュースを聞いて「そう言えばファクタオンラインで何か書いてたな」と思い出すのも束の間、pwcの調査報告書やら事情通元証券マンのブログやら何やらが続々ネットに出てきて、野次馬根性をおおいに満足させてもらった。そんな急展開する事態の裏では、こんな徒手空拳のフリージャーナリストの奮闘があったのかと改めて感心。 やっぱりなと思うのは内部告発があったことについて。少人数の偉い人だけであれだけの粉飾を長期間できるわけはない。M&Aも不自然だし、社内ではいろんな噂が流れていたろう。また本社ばかりがお偉いというオリンパスの企業風土も描かれる。これはまったくの仮説だが、粉飾の秘密を抱えると、上に上がれるのも秘密を守る人だけになるし、それが風通しの悪さにますますつながる悪循環があったのではなかろうか。なにしろ10年以上のあいだごまかし続けていたのだから。 こわいのは、こうした形で事件が明るみに出たのも、社員からの告発をたまたま著者がキャッチできて、たまたまウッドフォードという日本人サラリーマンではない人が社長のポストについて、ファクタの記事をウッドフォードに伝えた人がいてと、偶然が重なってのもの。いずれ別の形で表に出たかもしれないが、逃げ切り一歩手前まで行っていたと言える。 またわが身というか勤め先を振り返ってみると、オリンパスとまでは行かずとも、完全に他人事とばかりも言えない感じがする。コワイコワイ。 著者が戦う相手はオリンパスだけでなく、大手マスコミや日本の企業社会全体とも見える。組織のメンバーとして組織に同一化し、雉も鳴かずば撃たれまいでリスク回避するのが標準的な日本のサラリーマン道であれば、ペン1本で時には人の嫌がることを暴きたてもするフリージャーナリストはその対極にある。日系企業育ちとは言え、やっぱりアングロサクソン型経営者のウッドフォードと著者が気脈を通じ合うのはなんとなく分かる。 事件を報道で追っかけていた頃は、一サラリーマンとしてある意味身近なオリンパス内部のことがどうしても関心の対象だったが、元野村やジェイ・ブリッジの強盗紳士たちは悪いね。著者やウッドフォードがこの事件においては善玉の一匹狼とすれば、こちらは鈍くて従順な羊を食い物にする悪玉狼だ。 最後の章のあたりでの、上場維持判断や官製粉飾決算疑惑については、ボクは著者とは見解を異にする。上場廃止は誰得問題が残る。再発防止の見せしめという要素はあろうが、つきつめると事業自体はまだ健全な会社を罰してもしようがない。下手人=経営者個人をとことん罰するべきだろう。ここの分離ができないのは、組織と一体化してしまう日本人サラリーマンの文化とコインの裏表だ。 細かいところだが不正確だったり、疑問だったりする点も。 ・税務は検査でなくて調査。調査官が1人や2人ということもない。2チームの間違いだろう。 ・買収手数料をのれんに含めるのは正当な処理。オリンパスの場合は、それは正常な手数料じゃないでしょ、ということ。 ・株主代表訴訟で賠償を払わねばならないのは訴えられた経営者など。会社が払っても意味ない、それじゃ配当じゃないか。 ・公認会計士に監視がないというのも舌足らずでは。ピアレビューや金融庁の検査がある。どれだけ機能しているか分からんが、常にアカウンタビリティーを意識しながら監査しているとは思う。 公益通報者保護法が役に立たんと言うのはその通り。 怪僧和空なんて登場人物まで。

Posted by ブクログ

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