笑いとユーモアのユダヤ文学

広瀬佳司, 佐川和茂, 大場昌子【編著】

• 販売会社／発売会社: 南雲堂
• 発売年月日: 2012/03/23
• JAN: 9784523293200

商品レビュー

2015/12/28

「ユダヤ人にとってはユーモアやジョークなしに生きていくことなど、考えることができない」と述べるラビ・M・トケイヤーの言葉にある。ユダヤのユーモアに他民族のそれと異なる特徴があるとするならば、それはユダヤ民族の宗教および歴史に依るところが大きい。つまりユダヤのユーモアは、ユダヤ民族が神の選民であるｔことと、彼らが受けてきた迫害や苦難の歴史に深く関連している。より具体的には、神の選民でありながら、恩恵と祝福を受け手クラスどころか、彼らの生活は迫害と苦難の連続であったという格差がユーモアを生み出している。ユダヤのユーモアはしばしば、涙を通した笑いという言葉で表現されるが、これはまさにユダヤ人が数々の苦難に皮肉な思いをこめたy-モアをもって対処してきたことを象徴的に表した言葉 。