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驚きの介護民俗学 シリーズ ケアをひらく
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 医学書院 |
| 発売年月日 | 2012/03/09 |
| JAN | 9784260015493 |
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驚きの介護民俗学
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商品レビュー
4.4
61件のお客様レビュー
かなり面白かった。 私がこれまで興味を持ってきた「ケア」は、主に精神疾患の人に対するものだったけど、本書を読んで、認知症の高齢者への聞き書きという形のケアの面白さにとても惹きつけられた。 ケアに対する興味がまた一つ広がった。 ・まず、純粋に高齢者たちが語る昔の話自体が面白い。 ...
かなり面白かった。 私がこれまで興味を持ってきた「ケア」は、主に精神疾患の人に対するものだったけど、本書を読んで、認知症の高齢者への聞き書きという形のケアの面白さにとても惹きつけられた。 ケアに対する興味がまた一つ広がった。 ・まず、純粋に高齢者たちが語る昔の話自体が面白い。 食糧供給がまだ安定的とは言えなかった戦後間もない時代は、地主の家の人たちは、食うものの蓄えがないサラリーマン家庭を下に見ていたようで、地主の娘からサラリーマン家庭に嫁ごうとしたら泣いて反対されたとか、植民地時代には日本本土でなんと「アリラン」が流行っていたことがあるのだとか、聞いたことのない話ばかり。 さらに、高齢者たちのかつての仕事内容もとてもバラエティ豊か。 蚕のオスメスや産地ごとに選別をする「鑑別孃」や、農家が副業で靴下などを作るメリヤス編み機械のメンテナンス兼営業で全国の農村を飛び回る営業職など、昔は会社員としても様々な仕事があったのだなと興味深い。 筆者のテンションが上がるのも非常によくわかる。 ・「一見よくわからないことを言っている高齢者の話にも、実は彼ら自身なりの文脈がある」というエピソード、普通に読むとなんてことないけど具体的な話を読むと非常に示唆的で感動した。 自動で流れるトイレが理解できない認知症のおばあさんが、どこも押してないのに水が流れるのを「自分がおしっこしたのかな?なのに何も汚れていない」といぶかしがり、挙げ句の果てには「自分に生理が来たのだ(血が流れた)」と理解していたという話。 筆者はこれを「(この人にとって)自動洗浄トイレはどんなに不可解なものだったろう。それに対して、これまでの経験値を総動員してなんとか理解可能なものにしようとしていたかと思うと、その涙ぐましい努力に感動さえ覚える」と表現していた。 私もこれを読んで感動した。 たださらっと聞くだけでは到底意味がわからないおばあさんの言動を、うまく相手の視座に立てればこんなにちゃんと理解できるなんて、すごい。 ・上記のような理解に辿り着くのはハードルが高そうだけど、その際に民俗学的視点が役立ちうるということもよくわかった。 例えば「同じことばかり繰り返す」というのはよくある困った症状だが、筆者は柳田國男が最晩年に人の出身地ばかり聞いていたのは「それが彼の原点を象徴する問いだったからだ」という話を踏まえて、「認知症の人は自分の人生にとって大切だったことを繰り返すんだ」という示唆を導き出す。 そこから、「あなたはどこに住んでるの?今度うち来なさい」と延々繰り返す人には「地域の様々な活動を引っ張ってきた人生が表れているのだなあ」、自分の出身高校を誇示する語りを繰り返す人には「地主に嫁いできた自分の正当性を示すことで農村で生き抜いてきた人生が表れているのだなあ」というふうに読み解いていた。 「おかしな認知症高齢者」に見える人でも、その人なりの合理性があるんだ!まさに「他者の合理性だ!」と、読み解きが圧巻で舌を巻いた。 ・そして、民俗学者からしたら、例えば「狐がいる世界」を語ってくれるような彼らの調査対象の高齢者と、幻覚や幻聴のある世界で生きている認知症高齢者は何が違うのだろうという問いを筆者が抱いていたのも面白かった。 確かに本質的な違いはなんなのかわからない。 そして、こういう認知症患者を相対化し調査対象と同様のリスペクトを払えるのは民俗学者ならではだと思った
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民俗学准教授から特養勤務という経歴を持った著者が利用者に行う「聞き取り」の話。 傾聴という言葉に対し、 『「利用者の気持ち、思い、心の動き」はそう簡単に察することができるのだろうか。そもそも、利用者はそうした「隠された気持ち」を深読みしてほしいのだろうか』 と疑問を呈していてスッ...
民俗学准教授から特養勤務という経歴を持った著者が利用者に行う「聞き取り」の話。 傾聴という言葉に対し、 『「利用者の気持ち、思い、心の動き」はそう簡単に察することができるのだろうか。そもそも、利用者はそうした「隠された気持ち」を深読みしてほしいのだろうか』 と疑問を呈していてスッキリする。最初から福祉を目指した人より、後から踏み入れた人の方がよっぽどセンスがあるというあるある現象を如実に感じた。誰の人生も興味深いものだと感じられる本だった。
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本書で作者の六車さんが提唱する「介護民族学」は介護者の知的好奇心を原動力にし、多種多様な利用者の人生を教えていただくものです。教えていただくことで知らなかった過去の人々の生活や人生訓を介護者は学べ、利用者も教える側という優位な立場を得ることで尊厳を守れるというもの。 回想法のよう...
本書で作者の六車さんが提唱する「介護民族学」は介護者の知的好奇心を原動力にし、多種多様な利用者の人生を教えていただくものです。教えていただくことで知らなかった過去の人々の生活や人生訓を介護者は学べ、利用者も教える側という優位な立場を得ることで尊厳を守れるというもの。 回想法のようにテーマに沿わなければいけないとするものよりは、その場の流れで話が進むほうが利用者としても楽しめるのも魅力的に感じました。 本書を読んで多種多様なその人の人生を見出し、その人の活力に繋げることを考えるとたしかに回想法よりも有意義に感じました。その一方で、介護士の人手不足などを考えるとやはり難しいのではという思いは拭い去ることができませんでした。 ただ、具体例のなかで語られる人生の先輩方の話はどれも面白く「驚き」に満ちていました。自分も介護士となりたいと思ったときに、こんな風に歴史を紐解くような人になりたいと思ったことを思い出せたことで方向性を少し見出だせたように思えます。 本書はその人のことをもっと知りたいと思う介護士に新しい方法論を示してくれました。このなかで語られる六車さんの活動はとても魅力的で、それを実践するにはどうすれば良いかを考える機会となりました。
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