ナチ戦争犯罪人を追え

ガイウォルターズ【著】, 高儀進【訳】

• 販売会社／発売会社: 白水社
• 発売年月日: 2012/03/16
• JAN: 9784560081990

商品レビュー

2024/04/25

散漫。最後まで読むのが辛かった。緻密に事実が叙述されているのかもしれないが、詳しすぎて、様々な事例を把握しきれなかった。ヴィーゼンタールの嘘や虚像、ナチに対する冷戦下の各国の消極性や政治的利用を、知ることができたのはよかった。アイヒマン、メンゲレ、シュタングル、ツクルスの話は面白かったが、あちこちに出てきて読みづらかった。このように、盛りだくさんすぎ！

2012/09/21

ホロコーストの映画を観る度にその後ナチはどうなったのか疑問だった。

伊藤聡さんの紹介がきっかけで読んでみる事にした。

人名が多いのと馴染みのない地名が多いので何度も戻り挫折もしたけど、
伊藤さんのレビューや励ましもあってなんとか読了！！

読んでみて分かった事。

ドラマgleeでスー先生のお母さんがナチハンターで登場して初めてナチハンターの存在を知った。
この本で出てくる有名なナチハンターはジーモン(サイモン)・ヴィーゼンタールですが、とんでもないペテン師。

戦後ナチの残党はカトリック教会のアロイス・フーダル司教をはじめカトリックの神父に助けられてアルゼンチンに逃亡。
当時アルゼンチンの独裁者ファン・ペロンが元ナチを積極的に受け入れる。

アメリカ、イギリス、ロシアなどの諜報機関で元ナチを受け入れていた。

などなど。

ナチの戦犯者の裁判でも反ユダヤ主義の人の妨害もある。

余談だが、ちょうどミルグラム実験のWikipediaを読んでいたら

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%AB%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%A0%E5%AE%9F%E9%A8%93

アイヒマン実験とも呼ばれていたようで妙にシンクロした。

最後に国連旧ユーゴスラビアの国際軍事法廷の主任検事のカルラ・デル・ポンテが出てきたので、
ずっと観たかった『カルラのリスト』を観てみようと思う。

2012/08/19

取材対象に入り込む余り、成果を微に入り細にわたって全部書いてしまう。
日本のノンフィクションにまま見られるが、訳書でこうなるのは少し珍しい。
テーマだけに削るところがないという判断もあるかもしれないが、読者全員が専門家になるつもりはないのでもう少し読みやすくする工夫も欲しかった。
単純に資料としては一級と思う。