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風が笑えば
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
| 発売年月日 | 2012/03/01 |
| JAN | 9784120043277 |
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風が笑えば
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商品レビュー
3.9
22件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
アーティチョークやシエスタとはなんだろうと調べながら読み進めました。 好きな句です。 手をつなぐ子どものように菜の花がドレミドレミとゆれているなり 日本語の響き最も美しき二語なり「おかあさん」「ありがとう」 何よりも大事なことと思うなり この子の今日に笑みがあること
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写真と短歌のコラボレーションが見事だった。好きな歌がけっこうあった。「地震や津波を起こすのも自然。そして目の前の神々しい風景を生み出すのも自然。」というところが印象に残った。「この青はいつか龍馬の見た青か 春を運んでくる土佐の海」という歌が一番好き。
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奥宮誠次さんの写真のオマージュ歌文集ですね。 奥宮誠次さん(1953年高知県生まれ)写真家。ロンドンをベースに、主にヨーロッパを中心に活動。 詩や短歌に写真を添える、というのは割にありますが、この歌文集は奥宮さんの写真から歌を詠み、エッセイを添える方法を俵万智さんは挑戦されてい...
奥宮誠次さんの写真のオマージュ歌文集ですね。 奥宮誠次さん(1953年高知県生まれ)写真家。ロンドンをベースに、主にヨーロッパを中心に活動。 詩や短歌に写真を添える、というのは割にありますが、この歌文集は奥宮さんの写真から歌を詠み、エッセイを添える方法を俵万智さんは挑戦されています。 万智さんは「写真というのは、瞬間を切り取るものというイメージが強かった。けれど、物語を内包し、見る人を旅に連れ出してくれる写真というものもあるのだなと知った。私の心は躍り、揺れ、旅をし、そしてたくさんの歌が生まれた。」と、あとがきに綴られています。それほど、奥宮さんの写真は幻想的であり、詩的な様相を浮かべています。 春、夏、秋、冬、の章に二篇のエッセイを添える、ちょっと贅沢な歌文集です。 咲くように顔をあげれば初春の 風に型抜きされてゆく我 手をつなぐ子どものように菜の花が ドレミドレミと揺れているなり 川べりの道を散歩に選ぶ午後 風が笑えば水面が笑う 青空の青と同じく吾輩は 猫であるなりここにいるなり はつ夏に 金魚の赤を点じれば 翡翠の色に水は輝く それぞれの時間持ちよる海辺には 寄り添うということのやさしさ ひとりじめできない人を 五分だけひとりじめする コーヒータイム 行き先は夢の中かも 真夜中に離陸を待てる 二羽の飛行機 笹の葉の みどりの肌を 湿らせて やさしく積もる にっぽんの雪 くっきりと鳥を飛ばせてロンドンに 冬の終わりを告げる青空 花びらのような足おと追いかけて ゆけば春へと続くこの道 東日本大震災の頃にこの歌文集は編まれました。エッセイでは、その頃のことも語られています。 万智さんの段階は、私にはどれも心に響くので選ぶのに苦労をします。写真の素晴らしさももちろん、短歌も詩情豊かで満ち足りたひとときを過ごせました。
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