1,800円以上の注文で送料無料

世界短編傑作集(2) 創元推理文庫
  • 中古
  • 書籍
  • 文庫

世界短編傑作集(2) 創元推理文庫

江戸川乱歩(編者)

追加する に追加する

世界短編傑作集(2) 創元推理文庫

定価 ¥638

330 定価より308円(48%)おトク

獲得ポイント3P

在庫なし

発送時期 1~5日以内に発送

商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 東京創元社
発売年月日 1961/01/13
JAN 9784488100025

世界短編傑作集(2)

¥330

商品レビュー

3.8

8件のお客様レビュー

レビューを投稿

2022/12/15

江戸川乱歩編集の第二弾は、1907年~1923年までの推理ものを収録しており、前巻のバラエティ豊かな面白さと比較すると、全体的に、何かすっきりしない印象が残りました。 モーリス・ルブランの、「赤い絹の肩かけ」は、あのリュパンが思わぬ形で登場するものの、当時の社会事情に精通してい...

江戸川乱歩編集の第二弾は、1907年~1923年までの推理ものを収録しており、前巻のバラエティ豊かな面白さと比較すると、全体的に、何かすっきりしない印象が残りました。 モーリス・ルブランの、「赤い絹の肩かけ」は、あのリュパンが思わぬ形で登場するものの、当時の社会事情に精通していないと分からないような内容に、置いてけぼり感が残り、F・W・クロフツの、「急行列車の謎」は、真相が判明するまでは非常にワクワクする展開だったのが、それを知ると、「…まあ、そうだよね」という気持ちになり、当時としては、画期的だったのかもしれませんがね。 そして、一番の注目であろう、M・D・ポーストの、「ズームドルフ事件」も今になって読むと、新鮮味は感じられず、これはこれで有り得ると思いましたが、人の運命を、他の何者かが握っているような、その暗示的なメッセージには、目を見張るものがありました。 逆に、私が好きだったのは、R・オースチン・フリーマンの、「オスカー・ブロズキー事件」と、G・D・H & M・I・コール夫妻の、「窓のふくろう」で、前者は、当時の科学捜査の面白さを、その上品な物腰が、また印象的な探偵、「ソーンダイク博士」が教えてくれて、後者は、ウィルスン警視と、その友人のプレンダガスト医師の、たった一つの矛盾点を解明する過程が、やはりこと細かく丁寧に描かれていて、二人のやり取りを含め、読み応え満点でした。 また、物語としては、V・L・ホワイトチャーチの、「ギルバート・マレル卿の絵」の終わり方の不可解さに、人間の奥深さを感じられたのが印象的でした。 それから、本書におけるトリックには、列車を含めた、機械的トリックが多いのですが、それと私のモヤモヤ感も含めて、中島河太郎さんの解説に納得できるものがあったので、最後にそれを掲載いたします。 『人情の機微をついたものより、科学的な犯罪工作に工夫をこらしたものが多かった。意外性が重視されればされるほど、作者は難解な謎を用意し、それを合理的に説明するために、専門知識をもちこまねばならぬようになって、読者の敗北感はすっきりしなくなって来た。そのため本格的な謎解き短編はだんだん袋小路にはいってしまうのである』

Posted by ブクログ

2014/11/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

短編ミステリーアンソロジーの第二巻。本巻では1920年代前半までの作品が収録されている。 「赤い絹の肩かけ」 モーリス・ルブラン アルセーヌ・リュパンが何故かガニマール警部に事件とその手掛かりを提供する話。実質謎解きは全てリュパンがやっていた。ホームズのレストレード刑事に比べて、どうもガニマール警部は貧乏くじばかり引かされているイメージがある。社会的には成功しているのかもしれないが…… 「奇妙な跡」 バルドゥイン・グロルラー 探偵ダゴベルトが古城の管理人殺人事件を捜査する話。彼は多忙なので、あっという間に事件を解決して帰っていった。大抵の読者も中盤まで読んだ時点で後の展開は分かると思う。 「ズームドルフ事件」 M・D・ポースト アメリカ開拓時代にアブナー伯父が活躍するシリーズの一つ。メイントリックである「天の火」も凄いのだが、ランドルフの「このヴァージニアでは、そんなことでは罪にはならないんだ。たかがけだもの一匹撃ち殺したくらいのことではな……」という台詞が非常に格好良い。 「オスカー・ブロズキー事件」 R・オースチン・フリーマン 科学捜査で有名なソーンダイク博士の短編にして倒叙もの。犯人の隠蔽工作が博士の科学捜査であっという間に崩されていく様子が堪能できる。しかし、前話のズームドルフ事件もそうだが、「被害者の名前+事件」というネーミングの話はアクロイドクラスでもないと印象に残りにくい。といって「犯人+事件」とする訳にもいかないのだが……本作なら倒叙なのでいけるな。ヒクラー事件。 「ギルバート・マレル卿の絵」 V・L・ホワイトチャーチ 走行中の列車の中の一両だけを盗み出すという、奇抜な発想の作品。正直トリックはあまり奇抜ではないのだが、こういうアイデアを考えた時点で勝ちである。 「好打」 E・C・ベントリー 早朝にゴルフコースで練習していた男が雷に打たれたような状態で発見される話。ゴルフコースは広いので、誰も見ていなければ屋外でも密室殺人になり得る所に目を付けたのが面白い。それから、最後にトレントと大尉が犯人について話すシーンがとてもいい。 「ブルックベンド荘の悲劇」 アーネスト・ブラマ 盲人探偵のマックス・カラドスが雷雨の日に妻を暗殺しようとする男の計画を阻止しようとする話。カラドスは盲人なのに現地調査で現場の間取りや風景を頭に入れているのだが、どうやっているんだろうか。 「急行列車内の謎」 F・W・クロフツ 世界初の社会派ミステリー「樽」で有名なクロフツの短編で、社会派らしく列車もの。走行中の寝台急行内部で起こった殺人事件の話。最初に列車編成図や内部の図が載っているのだが、これがまた古めかしくて味がある。 「窓のふくろう」 G・D・H&M・I・コール ウィルスン警視が、電話室で射殺された男の事件を調査する話。現場は密室な上に凶器も行方不明となっていたが、手掛かりになるのは最初に目撃したふくろうだった。一見事件と関係なさそうなタイトルを終盤で回収してくれたのは嬉しい。 二巻は「オスカー〜」に「ギルバート〜」、「急行列車〜」など、列車系のミステリーが多かったのが印象に残った。一番好きなのは「ギルバート〜」で、次点で「好打」と「ズームドルフ事件」。

Posted by ブクログ

2013/02/02

第二巻の目玉は「ギルバート・マレル卿の絵画」大掛かりなトリックが炸裂する。これを面白いと感じるか、バカバカしいと思うかでミステリーの指向性が分かる。リトマス紙のような一作だ。

Posted by ブクログ

関連ワードから探す

関連商品

最近チェックした商品