1,800円以上の注文で送料無料

世界短編傑作集(2) の商品レビュー

3.8

8件のお客様レビュー

  1. 5つ

    3

  2. 4つ

    1

  3. 3つ

    3

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2022/12/15

江戸川乱歩編集の第二弾は、1907年~1923年までの推理ものを収録しており、前巻のバラエティ豊かな面白さと比較すると、全体的に、何かすっきりしない印象が残りました。 モーリス・ルブランの、「赤い絹の肩かけ」は、あのリュパンが思わぬ形で登場するものの、当時の社会事情に精通してい...

江戸川乱歩編集の第二弾は、1907年~1923年までの推理ものを収録しており、前巻のバラエティ豊かな面白さと比較すると、全体的に、何かすっきりしない印象が残りました。 モーリス・ルブランの、「赤い絹の肩かけ」は、あのリュパンが思わぬ形で登場するものの、当時の社会事情に精通していないと分からないような内容に、置いてけぼり感が残り、F・W・クロフツの、「急行列車の謎」は、真相が判明するまでは非常にワクワクする展開だったのが、それを知ると、「…まあ、そうだよね」という気持ちになり、当時としては、画期的だったのかもしれませんがね。 そして、一番の注目であろう、M・D・ポーストの、「ズームドルフ事件」も今になって読むと、新鮮味は感じられず、これはこれで有り得ると思いましたが、人の運命を、他の何者かが握っているような、その暗示的なメッセージには、目を見張るものがありました。 逆に、私が好きだったのは、R・オースチン・フリーマンの、「オスカー・ブロズキー事件」と、G・D・H & M・I・コール夫妻の、「窓のふくろう」で、前者は、当時の科学捜査の面白さを、その上品な物腰が、また印象的な探偵、「ソーンダイク博士」が教えてくれて、後者は、ウィルスン警視と、その友人のプレンダガスト医師の、たった一つの矛盾点を解明する過程が、やはりこと細かく丁寧に描かれていて、二人のやり取りを含め、読み応え満点でした。 また、物語としては、V・L・ホワイトチャーチの、「ギルバート・マレル卿の絵」の終わり方の不可解さに、人間の奥深さを感じられたのが印象的でした。 それから、本書におけるトリックには、列車を含めた、機械的トリックが多いのですが、それと私のモヤモヤ感も含めて、中島河太郎さんの解説に納得できるものがあったので、最後にそれを掲載いたします。 『人情の機微をついたものより、科学的な犯罪工作に工夫をこらしたものが多かった。意外性が重視されればされるほど、作者は難解な謎を用意し、それを合理的に説明するために、専門知識をもちこまねばならぬようになって、読者の敗北感はすっきりしなくなって来た。そのため本格的な謎解き短編はだんだん袋小路にはいってしまうのである』

Posted byブクログ

2014/11/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

短編ミステリーアンソロジーの第二巻。本巻では1920年代前半までの作品が収録されている。 「赤い絹の肩かけ」 モーリス・ルブラン アルセーヌ・リュパンが何故かガニマール警部に事件とその手掛かりを提供する話。実質謎解きは全てリュパンがやっていた。ホームズのレストレード刑事に比べて、どうもガニマール警部は貧乏くじばかり引かされているイメージがある。社会的には成功しているのかもしれないが…… 「奇妙な跡」 バルドゥイン・グロルラー 探偵ダゴベルトが古城の管理人殺人事件を捜査する話。彼は多忙なので、あっという間に事件を解決して帰っていった。大抵の読者も中盤まで読んだ時点で後の展開は分かると思う。 「ズームドルフ事件」 M・D・ポースト アメリカ開拓時代にアブナー伯父が活躍するシリーズの一つ。メイントリックである「天の火」も凄いのだが、ランドルフの「このヴァージニアでは、そんなことでは罪にはならないんだ。たかがけだもの一匹撃ち殺したくらいのことではな……」という台詞が非常に格好良い。 「オスカー・ブロズキー事件」 R・オースチン・フリーマン 科学捜査で有名なソーンダイク博士の短編にして倒叙もの。犯人の隠蔽工作が博士の科学捜査であっという間に崩されていく様子が堪能できる。しかし、前話のズームドルフ事件もそうだが、「被害者の名前+事件」というネーミングの話はアクロイドクラスでもないと印象に残りにくい。といって「犯人+事件」とする訳にもいかないのだが……本作なら倒叙なのでいけるな。ヒクラー事件。 「ギルバート・マレル卿の絵」 V・L・ホワイトチャーチ 走行中の列車の中の一両だけを盗み出すという、奇抜な発想の作品。正直トリックはあまり奇抜ではないのだが、こういうアイデアを考えた時点で勝ちである。 「好打」 E・C・ベントリー 早朝にゴルフコースで練習していた男が雷に打たれたような状態で発見される話。ゴルフコースは広いので、誰も見ていなければ屋外でも密室殺人になり得る所に目を付けたのが面白い。それから、最後にトレントと大尉が犯人について話すシーンがとてもいい。 「ブルックベンド荘の悲劇」 アーネスト・ブラマ 盲人探偵のマックス・カラドスが雷雨の日に妻を暗殺しようとする男の計画を阻止しようとする話。カラドスは盲人なのに現地調査で現場の間取りや風景を頭に入れているのだが、どうやっているんだろうか。 「急行列車内の謎」 F・W・クロフツ 世界初の社会派ミステリー「樽」で有名なクロフツの短編で、社会派らしく列車もの。走行中の寝台急行内部で起こった殺人事件の話。最初に列車編成図や内部の図が載っているのだが、これがまた古めかしくて味がある。 「窓のふくろう」 G・D・H&M・I・コール ウィルスン警視が、電話室で射殺された男の事件を調査する話。現場は密室な上に凶器も行方不明となっていたが、手掛かりになるのは最初に目撃したふくろうだった。一見事件と関係なさそうなタイトルを終盤で回収してくれたのは嬉しい。 二巻は「オスカー〜」に「ギルバート〜」、「急行列車〜」など、列車系のミステリーが多かったのが印象に残った。一番好きなのは「ギルバート〜」で、次点で「好打」と「ズームドルフ事件」。

Posted byブクログ

2013/02/02

第二巻の目玉は「ギルバート・マレル卿の絵画」大掛かりなトリックが炸裂する。これを面白いと感じるか、バカバカしいと思うかでミステリーの指向性が分かる。リトマス紙のような一作だ。

Posted byブクログ

2012/12/15

3+ 『有栖川有栖の密室大図鑑』でクロフツの「急行列車の謎」が紹介されていて、面白そうと思い、前々から読んでみたかった。全体的に期待度高めで読み始めたのだが、少しハードルを上げ過ぎたようだ。好きなタイプの作品ばかりだし、それなりに面白いが、理由は様々なれどモヤッとした読後感を抱...

3+ 『有栖川有栖の密室大図鑑』でクロフツの「急行列車の謎」が紹介されていて、面白そうと思い、前々から読んでみたかった。全体的に期待度高めで読み始めたのだが、少しハードルを上げ過ぎたようだ。好きなタイプの作品ばかりだし、それなりに面白いが、理由は様々なれどモヤッとした読後感を抱くものも多い。目当てのクロフツは肝心のトリックの細部がわかり難かった。

Posted byブクログ

2012/02/15

【出版社/著者からの内容紹介】 短編は推理小説の粋である。その中から珠玉の傑作を年代順に集成したアンソロジー。2には、ルブラン「赤い絹の肩かけ」、グロルラー「奇妙な跡」、ポースト「ズームドルフ事件」、フリーマン「オスカー・ブロズキー事件」、ホワイトチャーチ「ギルバート・マレル卿の...

【出版社/著者からの内容紹介】 短編は推理小説の粋である。その中から珠玉の傑作を年代順に集成したアンソロジー。2には、ルブラン「赤い絹の肩かけ」、グロルラー「奇妙な跡」、ポースト「ズームドルフ事件」、フリーマン「オスカー・ブロズキー事件」、ホワイトチャーチ「ギルバート・マレル卿の絵」、ベントリー「好打」、ブラマ「ブルックベンド荘の悲劇」、クロフツ「急行列車内の謎」、コール夫妻「窓のふくろう」の全九編。全編に江戸川乱歩の解説、全巻末には中島河太郎の短編推理小説史を付した。 ルブラン「赤い絹の肩かけ」 グロルラー「奇妙な跡」 ポースト「ズームドルフ事件」 フリーマン「オスカー・ブロズキー事件」 ホワイトチャーチ「ギルバート・マレル卿の絵」 ベントリー「好打」 ブラマ「ブルックベンド荘の悲劇」 クロフツ「急行列車内の謎」 コール夫妻「窓のふくろう」 「世界短編傑作集1」と同じく、有栖川有栖の密室大図鑑に触発されて読んでみました。 一応お目当ては、クロフツの「急行列車内の謎」 時代がかなり前になるので、読んでいてもピントこないところがあるのは仕方ないですね。 ブラマの「ブルックベンド荘の悲劇」はまさに悲劇、あまりに悲しい結末でした。

Posted byブクログ

2011/11/18

第1巻が粒よりで期待が高まっていたせいか、この2巻は少々物足りなく感じた。 特にこれと言って印象に残るものがなかったが、ルパンものはやはり上手いなぁと感じた。 私はルパンよりも断然ホームズ派で、ルパンは一冊読んだのみでやめてしまっていたのだが、これを読んで「こんなに面白かったっ...

第1巻が粒よりで期待が高まっていたせいか、この2巻は少々物足りなく感じた。 特にこれと言って印象に残るものがなかったが、ルパンものはやはり上手いなぁと感じた。 私はルパンよりも断然ホームズ派で、ルパンは一冊読んだのみでやめてしまっていたのだが、これを読んで「こんなに面白かったっけ」とびっくりしてしまった。ルパンがあまりにも天才的な頭脳を持っているがゆえに、彼を憎むガニマール警部のキャラクターがよいと思った。幼い頃は、この感覚がわからなかったのかも。

Posted byブクログ

2011/04/28

ベントリーの「好打」目当てに購入。これがあの有名なアレですね。とワクワクして読んだ。 他の収録作も黄金期の佳作揃いでどれも面白かった。(クロフツの短編は、車両の構造が良くわからないので、文章読んでも「?」でしたがw) この時代の作品が持つ雰囲気が大好きなので☆5つ。

Posted byブクログ

2013/11/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『赤い絹の肩かけ』 モーリス・ルブラン アルセーヌ・リュパン・シリーズ ガニマール警部を拉致したリュパン。リュパンの持つ赤い絹の肩掛けの半分と絞殺事件の証拠と言うリュパン。被害者が持つサファイアの行方。事件の証拠を固めるために照合される赤い絹の肩掛け。 『奇妙な跡』 雨上がりに殺害された被害者。被害者の周りに残された奇妙な跡。 『ズームドルフ事件』 M・D・ポースト アブナー伯父シリーズ 密室の自分の小屋で殺害された被害者ドゥーム・ドーフ。彼を殺したという2人の人物。気のふれた宣教師ブロンソン、使用人の女。神の手による殺人とは? 『オスカー・ブロスキー事件』 オースティン・フリーマン ソーンダイク博士シリーズ 道に迷ったオスカー・ブロスキーを家に招き入れたサイラス・ヒクラー。ブロスキーがダイヤの原石を持っていることを知り殺害したヒクラー。殺害時に壊れたメガネとサイフォン。遺体を線路におき自殺に見せかける工作。死体の状況に疑問を持ったソーンダイク博士の捜査。壊れたメガネの破片に注目したソーンダイク博士。 『ギルバート・マレル卿の絵』 V・L・ホワイトチャーチ 走行中の貨物列車の消失。貨物列車に積まれていたマレル所有のベラスケスの絵画。贋作の絵画を所有していたリングミア伯爵。すり替えられた絵画。列車消失の謎。 『好打』 E・C・ベントリー トレント・シリーズ 1人でゴルフをプレイ中に死んだアーサー・フリア。酷く破損している被害者の遺体。遺体の発見者であるロイデン大尉の秘密。遺体のそばに落ちていたゴルフクラブの秘密。 『ブルックベンドン荘の悲劇』 アーネスト・ブラマ マックス・カラドス・シリーズ 自分の姉であるミリセントが夫であるクリークに殺害されそうになっているとマックス・カラドスに相談にやってきたホリアー大尉。田舎の館でひっそりと暮らす夫婦。クリークが行う凧の実験。嵐の夜に殺害が実行されると推理し犯行阻止に向かうマックス・カラドス。 『急行列車の謎』 F・W・クロフツ 急行列車内で射殺されたルエリン夫妻。密室の列車の個室、同室の女性ブレアブースが眠り込んでいる間の犯行。楔を打ち込まれ開かないドア。途中駅で降りたん謎の青年と事件の関係。事件から数年後に医師が聞かされた告白。 『窓のふくろう』 C・D・H&M・I・コール ウィルソン警視シリーズ プレンダガスト医師と散歩中に不審な男が家に入り込むのを目撃したという男に出会ったウィルスン警視。家から飛び出してきたバートン。同じ銀行に務めるカルアーク死の遺体。ラッパ銃で殺害された被害者。現場の電話室のきれた電球。

Posted byブクログ