三人姉妹 新潮文庫

大島真寿美【著】

• 販売会社／発売会社: 新潮社
• 発売年月日: 2012/02/28
• JAN: 9784101385716

商品レビュー

2022/03/28

早くに結婚して、田舎の実業家の子供を生んだ長女の亜矢、キャリアウーマンの次女の真矢と、単館の映画のアルバイトをする三女の水絵。亜矢は喧嘩をして実家に戻ってくるし、真矢はストレスから体中が痒くなる。水絵はひとり時間があるからと、様々な頼まれごとをする。

ライトノベルなのか、序盤では色んな人のセリフがカギカッコなし、改行無しでダラダラと続くため、思っていたよみやすさと異なるので、最初は読みにくくて難儀するのだな。後になるにつれ、カギカッコの会話が採用されてくるのだが、時々また戻ってくる。

夫婦げんかに介入したり、免許を取りに行ったり、バーのグンジさんの世話をしたり、失恋したりと忙しい水絵の視点。クリスマスには決まってろくな付き合いができず、2人の姉には男の操縦が悪いとバカにされ続ける。

ライトノベルというわけでもなく、かと行って純文学というわけでもないため、どっちの読者にもあんまり受けなさそうではあるが、独特の世界観で、少なくとも帯にあるように笑える話でもない。

わかりにくい話ではないが、印象に残らずどんどん進んでいき、気がついたら「まあいいんじゃないの」という感じで終わってしまった感じ。雪子さんとか忘れてたわ。

また忘れて読み返しそうな作品。解説の橋本治も納得の人選。

2022/02/07

なんだかんだいうけど仲の良い三姉妹で
いいなぁ。右京くん事件で酔い潰れてまやが迎えにきてくれるあたりいいなぁ。
最後友だちのびびちゃんと暮らそうっていう雰囲気なって終わるから、どうなったのか気になるくらい最後は主人公のことが好きになってた

2021/06/27

なんだか雰囲気が川上未映子さんの「乳と卵」に似てて、思わず作者を確かめてしまった。
これといったエピソードもなく、読み終わってみれば「？何が書かれてたったけ」という感想。気怠い感じの、まさに日常的なものが綴られていた。姉妹の距離感て実際こんなもの。リアルだった。