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「知」の欺瞞 ポストモダン思想における科学の濫用 岩波現代文庫 学術261
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「知」の欺瞞 ポストモダン思想における科学の濫用 岩波現代文庫 学術261

アランソーカル, ジャンブリクモン【著】, 田崎晴明, 大野克嗣, 堀茂樹【訳】

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「知」の欺瞞 ポストモダン思想における科学の濫用 岩波現代文庫 学術261

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 2012/02/18
JAN 9784006002619

「知」の欺瞞

¥880

商品レビュー

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2024/05/19

私が『差異と反復』があまりにも読めない(これは哲学の前提知識がない、ポストモダンの文章に慣れていないなど多くの要因がある)ので、いっそもっとも批判的な立場にある書籍をよんでみたらなにかヒントがあるのではないかと思い、読んでみた。 本書では、ポストモダンと呼ばれるジャンルの作品に...

私が『差異と反復』があまりにも読めない(これは哲学の前提知識がない、ポストモダンの文章に慣れていないなど多くの要因がある)ので、いっそもっとも批判的な立場にある書籍をよんでみたらなにかヒントがあるのではないかと思い、読んでみた。 本書では、ポストモダンと呼ばれるジャンルの作品に(おそらく)メタファーとして用いられている数学的・物理的な単語が、メタファーとして成立するだけの最低限の理解を持って書かれているか文脈から推察する、といった試みがされる。 結論は誰もが想像するように、メタファーの体裁を保つだけの論理的な整合性はない。 本書は8人の哲学者に対して議論を展開していて、それぞれの考察に相当な分量の文章を割いている。(この詳しい解析は著者からすると真摯な態度を表しているのだろうが、各哲学者の愛読者にとっては果たして読む価値のあると感じるものなのだろうか。) これらの混乱に付随する実害として、政治的左翼の弱体化を挙げていて、おもしろい。 > 政治的左翼を自認するわれわれすべてに、ポストモダニズムは特定の負の帰結をもっている。... 知識人、特に左翼の知識人が、社会の発展のためにプラスになる貢献をしたければ、そのための最良の道は、世を風靡している考えを明瞭に分析し、支配的な言説から神秘的な匂いを取り払うことだ。自分で神秘を付け加えることではないのである。(なぜ問題なのか?) とはいえ、これもポストモダニズムへの根本的な反論にはならないような気がする。本書の活用方法として、本書で批判されている相対主義に陥らないように、両方の立場を考えて、自らの考え方の糧とするのがいいのだろうと思う。 冒頭付近では、哲学者が数学の教育を受けていないことによって批判をするのは間違いである、という問いかけに対して、われわれが気にしているのは資格ではなくて内容だけである、という主張がある。これの注釈としてチョムスキーの分野の違いによる文化の差についての逸話があり、象徴的な話だと感じた。 > 数理言語学の仕事をしましたが、数学の本職の資格があるわけじゃない。数学は完全に独学だし、それもちゃんとやったというほどでもありません。それでも、何度も大学の数理のセミナーやコロキウムに呼ばれて数理論理学について話してきました。だれも私がこのテーマについて話す資格があるかとか聞きませんでしたよ。数学者は気にもしてません。... あくまで話の内容が議論になるのであって、私がそれを議論する権利じゃない。 > ところが、社会問題や、米国の外交政策、たとえばヴェトナムや中東とかに関する議論になると、こういうことが相も変わらず問題にされるんです、それもかなりの毒を含んでですね。話す資格について何回も意義を唱えられ、こういったテーマについて話していいだけの特別な教育を受けたのかと訊かれたものです。(6 誰に批判する資格があるのか?)

Posted by ブクログ

2023/05/01

めちゃくちゃ面白かった。 ただソーカルの告発だけでポストモダン思想家たちの主張を一方的に断罪することは避けたい。 ファッショナブルでナンセンスな言説がなぜ生まれ、大衆に広く流布したのか。 ラカンとその思想を学んだイリガライの章が特に激烈だった。 言葉を蔑ろにしないための戒めとし...

めちゃくちゃ面白かった。 ただソーカルの告発だけでポストモダン思想家たちの主張を一方的に断罪することは避けたい。 ファッショナブルでナンセンスな言説がなぜ生まれ、大衆に広く流布したのか。 ラカンとその思想を学んだイリガライの章が特に激烈だった。 言葉を蔑ろにしないための戒めとして、何度も再読したい本だと思います。 リベラル的思想を基盤に広く人気を得たはずのポストモダン思想家たちの主張や行動が、逆説的にリベラルの首を絞めていくという、後半のポリティカルな分析にはやられた。

Posted by ブクログ

2022/09/10

第5章で取り上げられる「イリガライ」の章が特に傑作だと思いました。 なにしろイリガライの著作の引用文が群を抜いて意味不明で、この本のエッセンスが凝縮されていると思いました。 大学の文系講義で難解なテクスト分析をやらされた経験のある人ならば、特に愉快に読める本だと思います。

Posted by ブクログ

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