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検証 東日本大震災
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検証 東日本大震災

関西大学社会安全学部【編】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 ミネルヴァ書房
発売年月日 2012/02/06
JAN 9784623062300

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2012/06/06

 図書館の新刊の棚でみつけて借りてきた。  関西大学に社会安全学部があり、文系、理系双方の観点から東日本大震災の状況分析、復旧状況の分析をしている。まだ、復興の話はない。この手の情報はとても大事だが、今年に入ってだすのは情報としては遅すぎる。内容からみると、河田先生の論考など昨...

 図書館の新刊の棚でみつけて借りてきた。  関西大学に社会安全学部があり、文系、理系双方の観点から東日本大震災の状況分析、復旧状況の分析をしている。まだ、復興の話はない。この手の情報はとても大事だが、今年に入ってだすのは情報としては遅すぎる。内容からみると、河田先生の論考など昨年の5月中のもののようなので、まさに電子図書があったら、早くぼくらにとどいたのにと思う。  それが残念。  しかし、内容は充実している。 (1)河田先生:大船渡や釜石の湾口防波堤は不十分ながら機能を果たし、被害を軽減した。しかし、これは言い訳であり、けっして被災者に言える言葉ではない。(p3)  僕もそう思う。土木技術者からよくこの言葉は聞いたがすごく違和感がある。津波の高さが低くなったとか、遅らせたとかいっても、それでも人が死んだらなんにもならない。むしろ安心して逃げおくれた人もいるかもしれない。その謙虚な反省の姿勢が土木技術者には必要だと思う。 (2)河田先生の提案した人工地盤の構想。(p27)最初は奇妙きてれつだと思っていたが、これを建物単位にきってピロティ形式にすれば権利関係も簡単だし、盛り土のような時間がかかる工事もいらないので、かなり現実的な案にあると思う。  一面の人工地盤にすると、坂出の人工地盤のように全部が区分所有建物になってしまって、建て替えができなくなってしまうし、人工地盤の管理も非常に大変になる。これをピロティ形式と考えれば現実性がでてくると思う。 (3)東北新幹線の緊急停車は、最新のp波探知に成功したのではなく、1970年代に整備していた海岸近くに地震計をおいて地震の早期に探知するという古いシステム。これを捨てずにとっておいたので助かった。(p50)  これも初めて知ったが、一般原則として大事なことだと思う。新しい技術を導入したときも古い技術のシステムを維持しておいていざというときのバックアップに使うという発想は大事だ。  そのほか、東日本大震災を高速道路のミッシングリングの整備の好機ととらえるのは調子にのっているという記述もある。(p116)  自分は個人的には、3ないし4連動の津波対策は、まず、すぐできる避難教育、避難訓練の徹底、さらに、すぐに地震直後にすぐに津波のくる静岡とか高知では避難ビルの指定、避難ビルがない場合には避難タワーの整備といった、早期に対応できることをまず実施すべきと思う。  現在の財政状況、公共事業予算で、防波堤をかさあげしたり、多重防御をするような大規模な投資が、どこでおこるかわからない地震に対応して、それに間に合うように整備できるとはとても思えないから。

Posted by ブクログ