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巡礼 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2012/01/30 |
JAN | 9784101054179 |
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巡礼
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商品レビュー
3.7
16件のお客様レビュー
ゴミ屋敷と化した家に独りで暮らす下山忠市の生涯、それに悩まされる向かいの家の吉田家や、ワイド・ショーの取材にこたえる矢嶋富子、そして町やそこに暮らす人びとの変化を見てきた田村喜久江などの登場人物たちの心理をたどった小説です。 著者の作品はおおむね、小説であれエッセイであれ、「近...
ゴミ屋敷と化した家に独りで暮らす下山忠市の生涯、それに悩まされる向かいの家の吉田家や、ワイド・ショーの取材にこたえる矢嶋富子、そして町やそこに暮らす人びとの変化を見てきた田村喜久江などの登場人物たちの心理をたどった小説です。 著者の作品はおおむね、小説であれエッセイであれ、「近代」もしくは「戦後」という時間を生きてきた人間の精神の軌跡をえがくという手法がとられており、本書もその基本的な手法を共有しています。ゴミ屋敷をめぐる問題については、一人で暮らす老人の孤独といった、現代という時間だけをとりあげるかたちで語られるのをしばしば目にしますが、そうした表層的な見かたを越えて、大きな変化を遂げた戦後という時代に目を向けたところに、著者のねらいがあったように思います。 他方、忠市の弟である修次が、実家の惨状をテレビで知ってそこへ駆けつけてからの展開は、やや性急に感じられます。これも著者の小説にありがちなことではあるのですが、「時代」とそれを生きる「人間」をえがいたことで目的は達せられており、小説としての「締めくくり」を仕上げるのに、それほど関心がなかったのではないかと感じてしまいます。もっとも、忠市の生きてきた戦後という時間と空間は現代にもつづいており、われわれ自身もおなじ時間と空間を現に生きているのだと考えるならば、「締めくくり」などないのかもしれません。
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ゴミ屋敷の設定とタイトルとのバランスに惹かれ思わず手にとった。ボタンのかけ違えの妙。血の繋がりの強さを感じた。そして、衝撃のラスト。生きることは難しい。ドラマになったら、話題になりそうな一冊。
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最初はゴミ屋敷の主人と近所の住民とのトラブルの話かと思ったら、ゴミ屋敷の一家の歴史が描かれていく。どんな人間にもそれまでに至る当然の過程があるのだが、普段見えない部分を掘り下げて、読者もそのストーリーに引きずり込まれていく。読み終わった後で読む前とは違う自分に気づかされる。
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