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音楽の科学 音楽の何に魅せられるのか?
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2011/12/22 |
JAN | 9784309272566 |
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商品レビュー
4.1
11件のお客様レビュー
倍音や音色など、個人的に何となく不思議に思っていたことが扱われていたので面白かった。脳内の広い領域で音楽が処理されていると聞くとやはり活性化が促されるメリットを感じる。視覚への影響で有名なゲシュタルト原理(類同、近接、連続)が音楽へ作用されるパートが一番面白かった
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まだ読み始めです。 認知科学、文化学、その他非常に多様な観点から音楽を科学しています。 「音楽は普遍的で宇宙人にも分かるのか?」「音楽は人間に必ずしも必要か?」「音楽は常に人にとって良い物か?」など様々な問いが提示されます。
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600ページを超える大部のハードカバーで、活字も小さめなので、かなりボリュームがある。じっくりと時間をかけて読んだ。 音楽の認知科学の分野は、これまで数冊読んできたが、あまり期待されるような成果が出ておらず、はっきり言って現代科学にしてはかなり立ち後れた分野である。つまり、なぜあ...
600ページを超える大部のハードカバーで、活字も小さめなので、かなりボリュームがある。じっくりと時間をかけて読んだ。 音楽の認知科学の分野は、これまで数冊読んできたが、あまり期待されるような成果が出ておらず、はっきり言って現代科学にしてはかなり立ち後れた分野である。つまり、なぜある種の音の組み合わせが、人間にとって快かったり不快だったりすのか、はっきりとした原因は未だ掴めていない。 この本の著者は音楽の専門家でも科学の専門家でもなく、「サイエンス・ライター」である。従ってこの本は音楽にも科学にも詳しくない人でも容易に読めるよう、とてもかみ砕いて書いてある。逆に言うと、専門的な語句をあまり使えないために、妙に冗長だったり不正確だったりする面もある。この本が異様に長いのも、「簡単に書いてある」せいだ。 とはいえ、書かれている情報はなかなかの分量である。私にとってはどれも興味深いトピックなので、丁寧に読んでみた。 どうも著者は、いわゆる「現代音楽」(主に無調の、前衛的な欧米音楽)を今ひとつと思っているらしく、シュトックハウゼンとかブーレーズの前衛性について、人間の認知論的側面から離反してしまっている(わかりにくくなってしまっている)という難点を挙げている。 しかし私の場合でいうと、確かにはじめは得意でなかったが、徐々に慣れ親しんでいき、しまいには「現代音楽」でない近代音楽にはどうも物足りなく感じてしまっているのだが、そういう点は、どうなんだろう。 本書で最も興味深かったのは、音楽が「言語」と似た何物かである、という最後の方の章だった。音楽を認知する脳の反応を調べると、確かに言語に対する反応と、重複する箇所もあるらしい。 確かに音楽は明確なシニフィエ(意味内容)を持たないシニフィアンの構造体である、と言うことができそうだ。ジャック・ラカン的な意味で、音楽はシニフィアンが織りなす心的複合体である。ただしこのシニフィアンは情動(ダマシオの言う、感情以前の反応としての情動)レベルでよく作用する。なぜなのかは科学的に解明されていないが、とにかく、たとえばある種の和音の連結が特定の情動を惹起することは確かだ。 とはいえ、音楽的な構造は著者の言うように、文化のコードによって規定されたものでもある。文化が異なれば音楽の情動化作用も異なってくるのだ。 クラシックや西洋由来のポピュラーミュージックに限らず、著者はいわゆる民俗音楽に関してもよく調査している。わかりやすく(通俗的に)書いてはいるが、その裏にある学問的知識はたいしたものだ。かなり詳しく調査したのだろう。 音楽において「予測されたとおりに進行すると快があり、時折予測を裏切ったときにも快がある」という点に、著者はちょっとこだわり過ぎなのではないかとも思ったが、ここに含められた膨大な情報が、読者に「音楽とはどういう現象なのか」ということの再考をしきりにうながしてくれるのは確かだ。
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