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狂愛オフィス23時 三匹の美獣社員 フランス書院文庫
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狂愛オフィス23時 三匹の美獣社員 フランス書院文庫

風吹望【著】

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狂愛オフィス23時 三匹の美獣社員 フランス書院文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 フランス書院
発売年月日 2011/12/26
JAN 9784829618318

狂愛オフィス23時

¥385

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2019/03/21

タイトルとあらすじは盛大なミスリード

凌辱的な内容を示唆するタイトルやあらすじは盛大なミスリードと言わねばならない。「狂愛」であり「美獣」かもしれないが、意味合いがちょっと違う。主人公もまた「触りたい、抱きたい、啼かせたい」などといった願望はなく、むしろ健全な感覚の持ち主。ヒロインを犯すなどといったこともなく、逆に「...

凌辱的な内容を示唆するタイトルやあらすじは盛大なミスリードと言わねばならない。「狂愛」であり「美獣」かもしれないが、意味合いがちょっと違う。主人公もまた「触りたい、抱きたい、啼かせたい」などといった願望はなく、むしろ健全な感覚の持ち主。ヒロインを犯すなどといったこともなく、逆に「おねだり」という形で迫られていると言った方が正しい。要するに、M性を秘めていたヒロイン達が、主人公への大いなる愛情を背景に、自らの理想とする「ご主人様」として主人公を育成する調教プレイの物語であり、その育成は半ば強引に仕立て上げていると言っても良い。笑えるやり取りもあって軽妙かつコミカルな作品である。 可憐な佇まいながら仕事もデキるスーパー新入社員の【由加里】23歳が深夜のオフィスで自慰に耽っているのが発端。これを偶然に(ではなかったのだが)目撃した28歳の主人公へ「叱ってください」とおねだり。そんな「お仕置き」関係の継続を由加里は望むのだが、これには惚れた男へ傅きたい想いだけに留まらない理由が後に判明する。何かと覚束ない主人公に言葉責めの台詞さえも指南する由加里にはしたたかな一面もあり、元より才女だけに主人公のトボけた言動にはツッコミ役も果たしていく。そして、不意のアクシデントによって主人公の同期にして役員秘書の【理央】に2人の関係が知られることとなる。 ある意味で理央はツンデレなのだが、そのクールな一面に隠された主人公への想いは健気の一言。主人公が由加里と関係していると知った理央の豹変に驚く主人公だが、庇護欲も掻き立てられている。様々なタイプのヒロイン達が見せる別の顔、もう一つの表情がギャップ込みで迫ってくるにつけ、主人公は幾度となく「可愛い!」と感じているのである。そして、ここから最凶(?)のラスボスが登場して物語はさらにエスカレートしていく。 主人公や由加里の上司である部長の【美咲】34歳はデキ過ぎるほどデキる怜悧なキャリアウーマン。理央と若干カブるキャラだが、猛烈にスケールアップした感じであり、世の中の表も裏も知り尽くし、酸いも甘いも噛み締めた女傑である。これが思わぬ形で控えめな女性を演じると言うのだから面白い。その秘密を維持するために主人公の出した条件が美咲の被虐スイッチを押すこととなる。そして、その被虐の度合いは桁違い。最もアクティヴな、主人公も制御不能な暴走キャラとなり、時にはちょっと危険なスリルも味わっている。もちろん、それさえも美咲にとってはご褒美である。 総じてヒロイン達は主人公よりデキるイイ女ばかりだが、主人公に惹かれることで自身が隠していた本性を曝け出すことが出来ている。傍目の印象ではなく、内なる本当の自分である。だからこそ「狂愛」の「美獣」として振る舞えるのであろう。その可愛らしい変貌を見るに、本作は被虐の官能を借りた多重の恋愛小説とも言えそうである。

DSK

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