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だれのための仕事 労働vs余暇を超えて 講談社学術文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2011/12/14 |
JAN | 9784062920872 |
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だれのための仕事
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商品レビュー
3.6
20件のお客様レビュー
いま興味のあるテーマが2つある。「幸せ」と「仕事」である。両者はつながっている部分も多い。定年退職まであと半年を過ぎたいま、自分にとっての仕事とはいったい何だったのか、今後どのように生きていけばよいのかを考えている。そして、何が自分にとっての幸せなのかも。と同時に、実は長男のこと...
いま興味のあるテーマが2つある。「幸せ」と「仕事」である。両者はつながっている部分も多い。定年退職まであと半年を過ぎたいま、自分にとっての仕事とはいったい何だったのか、今後どのように生きていけばよいのかを考えている。そして、何が自分にとっての幸せなのかも。と同時に、実は長男のこともある。1人暮らしをしていた長男が会社を辞めて実家にもどって来て3ヶ月になる。何をするでもなく、一度も社会人経験がないという学生時代の友人とずっとオンラインでゲームをしている。いろいろと考えていることはあるようだが、行動には出ていない。自分の興味もあって、放課後児童支援員の研修をいっしょに受けることになったが、何か動き出すきっかけになってくれればいいと思う。ただ、ここに来てそもそも人は働くべきなのか、という疑問がわいてくる。10年ほど前に、「働くことの意味」を勤務校の通信に連載したことがあったが、そのときは「誰かの役に立つこと」、そのことによって、誰かに認めてもらえる、あるいは感謝してもらえる、そういうようなことが働くことの意味である、と書いた。それはそうなのだが、食うために働くというのも何も悪いことではない。ある程度食べていけるだけのものを稼いだら、あとは遊んで暮らす。そしてまた、必要に応じて働く。そうやって幸せそうに暮らしている人もいる。そう、各人にとっての働くことの意味と、それぞれの幸福感は密接につながっているのだ。本書を読んでいろいろと考えた。多くの過去の哲学者のことばについては理解することをほぼあきらめている。(そうか、算数の授業でいつも子どもたちに言っていた。理解することをあきらめたら(シャッターを下ろしたら)それでおしまいだと。自分は子どもたちと同じことをしているのかもしれない。)鷲田先生自身のことばは、引用はしないが納得できるものがいくつもあった。ただ、「なるほど、そう考えればよいのか」というような新たな発見はなかった。自分がいままでいろいろと読んで考えてきたことが、哲学者の考えと大きくはことならないということが分かったという感じだ。本書は、今年誕生した最近流行の独立系書店である「鴨葱書店」で偶然見つけたものだ。仕事関連の本が集まっていた棚にあった。先日読んだ今村仁司著「仕事」と並ぶようにして。ところで本書は1996年に単行本として刊行しているようだが、まったく古びていない。この30年で状況が変わっている点はたくさんあるが、本質的なところは何も変わっていないのだと思った。
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1 前のめりの生活 ・「時は金なり」という言葉で表現されるように、現代では時間を無駄にしないことが重要だとされる。ジョンロックは、生命と財産の保全のために所有権の理論を構築し、累進的増大を徳目とする思想を提唱した。また、労働は価値ないしは富の源泉とした。資本主義を支えるこの勤勉・...
1 前のめりの生活 ・「時は金なり」という言葉で表現されるように、現代では時間を無駄にしないことが重要だとされる。ジョンロックは、生命と財産の保全のために所有権の理論を構築し、累進的増大を徳目とする思想を提唱した。また、労働は価値ないしは富の源泉とした。資本主義を支えるこの勤勉・勤労というエートスが、人間の活動はたえず価値を生産しなければならない、それもつねにより多く、より速やかに、つまりはより効率的に、という強迫観念を生み出してくる。結果として、現代人は、未来をよりよくするために、今を効率的に生きなくてはならないという思想に縛られるようになった。 2 インダストリアルな人間 ・現代では、労働は人生を意味づけるもの、生きがいとして受け止められるようになっている。さらに労働のみならず、余暇や消費、さらにはじぶんの身体といったものにも勤勉・勤労のエートスが浸透するようになる。 ・たえず変化していなければならないという強迫的な意識が、惰性的に反復されてきたのが20世紀社会であった。 3.深い遊び ・仕事と遊びが、労働と余暇という関係へと二極化され、労苦とそれからの解放というふうに、両者が対立物として規定され、その差異が強調されることで、皮肉にもそれぞれが空疎なものになってしまった。 4.労働 VS 余暇 のかなたへ ・仕事の「内的な満足」は、未来の目的とではなく、現在の他者との関係と編みあわされている。すなわち自己のアイデンティティとの関連で与えられるものであり、「生きがい」とよばれるものである。 ・なにかに向かっているという感触が充実感やときめきを与える。そしてそういう感覚のなかでは目標点ではなく、通り過ぎる風景のひとつひとつが、回り道や道草もが意味をもつこととなる。 ・現在を不在の未来の犠牲にするのでなく、「いま」というこのときをこそ、他者たちとのあいだでときめかせたいものだ。
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含蓄深い、仕事をめぐる論考。 始終、自分はこのままで良いのかの反省が出来た。 身体論、ファッション、また、家事とボランティア、クレーマーの話題が面白い。 労働と余暇をめぐる歴史的変遷も頭の整理になった。
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