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皇妃エリザベート 講談社文庫
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皇妃エリザベート 講談社文庫

藤本ひとみ【著】

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皇妃エリザベート 講談社文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 2011/12/15
JAN 9784062771061

皇妃エリザベート

¥330

商品レビュー

4.1

13件のお客様レビュー

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2024/07/04

こういう特定の時代や偉人に関する作品って史実を知らない方が楽しめるんじゃないかと思い始めてきた自分が居る まあ、ヨーロッパの王族を扱った作品を読む際の最大の難点は名前被りの多さなんだろうけど。エリザベートやらゾフィやら何人登場した事やら…… 本作で描かれる時代は皇帝の時代の終...

こういう特定の時代や偉人に関する作品って史実を知らない方が楽しめるんじゃないかと思い始めてきた自分が居る まあ、ヨーロッパの王族を扱った作品を読む際の最大の難点は名前被りの多さなんだろうけど。エリザベートやらゾフィやら何人登場した事やら…… 本作で描かれる時代は皇帝の時代の終焉に程近い時期。その為か、古い時代と新しい時代の衝突を見る事が出来るし、自由や権利を求めて戦う者達も盛んに登場する その中でシシィは自由な世界に生きようとする人間だね。幼い頃から型に嵌まった生き方をせず、詩の事ばかり考えて家族からさえも煙たがられていた それは誰にも縛られないかのような在り様。だからか、皇帝という人生に縛られていたフランツに見初められたのかもしれないけれど 当初こそシシィはフランツの美貌や強靭な精神に惹かれた面は有った。けれど、フランツはオーストリア帝国を象徴する人物 彼の生活には皇帝という因習に関連する制度や人間がうじゃうじゃ存在する。それは自由の中でしか生きられないシシィと相容れないもの 特にシシィと相性が宜しく無かったのが義母ゾフィーだろうね フランツを皇帝の中の皇帝に育て上げた張本人。また、皇帝位に近い男に嫁いだ女として宮廷でどのように振る舞えばいいか、そして国をどのように導いていくべきかを知っている そのようなゾフィーと型に嵌った生き方が出来ないシシィの馬が合う訳がなくて 面白いのは客観的に見ると、シシィの方がどう考えても間違っているのだけど、時代としてはシシィの主張に分がある点 ただ、皇后としてのシシィがその立場であのような主張をしてしまうのがどうしようもなく不似合いなだけで そう考えるとやはり自由を求めるシシィと自由を否定する立場のフランツは絶対的に相容れない関係に思えるのだけど、フランツがシシィの自由さを愛しているが為に関係が成立している点が不思議でありつつ二人の関係の特質さに結びついているように思える 皇帝の位に縛られて死ぬまでそこから抜け出せないフランツにとって皇后という位でさえ縛れないシシィという存在は希望そのものであり生きる糧だったんだろうなぁ… だからこそ、二人の夫婦生活はどうしても破綻してしまうのだろうけど フランツは確実にシシィを愛している。宮廷での暮らしに苦しみを覚えつつシシィとてフランツを愛している でも、どうあってもフランツはシシィが求める愛そのものには成ってくれないし、フランツはシシィをオーストリア帝国を共に支える相方と扱ってはくれない 何処まで行っても二人の関係は破綻を免れない。それでも二人が皇帝と皇后として共に居られたのは意外にもゾフィーの存在が大きかったのではないかと思える ゾフィーはシシィを大いに嫌い縛り付けようとするし、子供を取り上げてシシィの代わりに育て上げようとする シシィにとって理不尽で一時たりとも過ごしたくない相手なのだけど、それでもゾフィーの振る舞いはシシィを宮廷に紐づけるものとなったような そう思うとゾフィーの死は様々な意味でフランツとシシィの関係を引き裂くものだし、ゾフィーの遺言はその時点ではシシィが聞き取れない代物だった点も象徴的に映る ゾフィーの死後からシシィの旅は本格化してしまうのだから。その姿は皇后としては有り得ない程に自由。だが、その自由さが彼女の預かり知らぬ所で家族や親しい者を不幸にしていくのだから堪らない 自由を愛していた彼女は自由によって不幸に成っていく 自由を求める者に殺されながらも最後には美しい景色の中で静かに逝ったシシィ。そんな彼女に対してフランツが贈った言葉があまりにも尊く感じられたよ……

Posted by ブクログ

2021/07/16

ミュージカル『エリザベート』が大好きなので読んでみた。 自由を愛して、自由にも愛されてると思ってても、それはいつか孤独として牙をむいてくるよねって思った。

Posted by ブクログ

2021/07/09

オーストリア皇帝でハプスブルク家フランツ・ヨーゼフの妻エリザベート。オーストリアでも人気の高いこの人はどんな人だったかに興味を惹かれて購入。15歳で堅い宮廷に嫁ぎながら、一度履いた靴は二度と履いてはダメなど、宮廷の慣習を打ち破って自由に生きる姿がすばらしかったです。宮廷の秩序を重...

オーストリア皇帝でハプスブルク家フランツ・ヨーゼフの妻エリザベート。オーストリアでも人気の高いこの人はどんな人だったかに興味を惹かれて購入。15歳で堅い宮廷に嫁ぎながら、一度履いた靴は二度と履いてはダメなど、宮廷の慣習を打ち破って自由に生きる姿がすばらしかったです。宮廷の秩序を重んじ、帝国と皇室を守ることを考えた姑のゾフィとの確執は当然の流れ。自由に生きた代償からか、ゾフィ亡き後の晩年は、孤独な人生に。ゾフィとエリザベートの対称的な生き方には考えさせられました。後半は少し粗くはありましたが、歴史もよく分かるいい本でした。

Posted by ブクログ

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