男子はみんなBL 腐女子が見た！先輩×後輩のカンケイ

腐女子活性化委員会【著】

• 販売会社／発売会社: エンターブレイン/角川グループパブリッシング
• 発売年月日: 2011/11/30
• JAN: 9784047277113

商品レビュー

2014/08/05

BL目撃体験第3弾。初っ端から過激で、腐女子フィルターはかかってるだろうけれど、疑いようもなくBLな目撃談が多いように感じた。男子による体験談や、小学生の目撃談にはびっくりしつつも萌えたｗそして膝乗り率の高さに萌える///

2012/06/20

入荷先：八王子市立中央図書館

一読するまでも無いのだが、本書の基本的スタンスが理解することが困難である。というのも、前回の『部活の実態』編で掲載しきれなかった「えぴそーど」を補足している（追加投稿も含む）だけなのか、それとも「先輩―後輩」という言葉を、権威性から一度解体しておきながら、BLのロジックに組みなおしているだけでしかないことを自画自賛しているだけなのか。

一度して思い起こすのは、村山利勝の『（見えない）欲望へ向けて』である。村山はこう語る。
「われわれは他人の欲望を尊重しなくてはならない、とジジェクは再三語る。そのとおり。しかしそのとき、他人の幻想は共有不可能であることが前提とされている。実際、共有したような気分になってプライヴァシーに踏み込んでくるものほど迷惑な奴もいまい。しかし、そもそもものを読むとは、他人になること、同一になれるはずのないものに同一化することだ」（村山『（見えない）欲望へ向けて』P224）

そうなのだ。確かに私も本書を通じて眼前にいる男子二人をカップル関係と誤読して「共有したような気分」に至ったのではないか。それは認めよう。しかしほかの読み手は？ 「なんだ、この投稿者もうちと同じこと考えてんのw」と鼻で笑うにせよ、そこに自分のよどみを直視することはおそらく不可能であろう。これでは完全に開き直りというべきものであり、BLのフレームが当たり前に存在しなかった人々から顰蹙を買ってもさして異論は無いだろう。

一読して失望の域である。ああ、「シンデレラ」のガラスの靴の件を思い出す。12時を過ぎると解ける魔法のように、本書シリーズが再三強調する「腐女子フィルター」とやらもまた、バリデーション切れ（有効期限切れ）になったのだと。