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謎手本忠臣蔵(下) 新潮文庫
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謎手本忠臣蔵(下) 新潮文庫

加藤廣【著】

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謎手本忠臣蔵(下) 新潮文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2011/11/29
JAN 9784101330556

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商品レビュー

3.9

9件のお客様レビュー

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2017/01/22
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※このレビューにはネタバレを含みます

 敵役の(魅力的な)描写がないと(魅力的に限らず、愚劣、臆病、被害者面する事なかれ主義者でも何でもいい)、小説としては全然面白くない典型。実に淡々と準備をし、淡々と討ち入りし、淡々と泉岳寺に引き上げていく。確かに、吉良上野介が何もしなかった、用意周到でなかったという展開は、それでいいが、ならば、どうしてそうなのか、何を考え、何を見落としたか、文治主義の権化、権威主義の権化でも何でもいいので、その心中に迫って欲しかったところ。著者の発想なら上野介が善、赤穂浪士が悪でも良かったかも。吉保も敵役ではないしねぇ。 柳沢吉保や徳川綱吉を含む幕府側の思惑、近衛ら朝廷側の思惑、その暗躍の中で翻弄された吉良上野介、そして、狂言回しに利用された赤穂浪士という構図が本シリーズからは想定されるが、ならば、その一方の策士たる近衛ら朝廷側の思惑が一切語られないのは、片手落ちだし、上記構図の説得力や小説としての面白さを失わせる。これ、本当に「空白の桶狭間」と同一著者なのだろうか?

Posted by ブクログ

2015/09/09

まさに“謎手本”の表題通り、刃傷事件と討ち入りの真相に迫る歴史ミステリとして、興味深く読ませて頂きました。 個人的には“お安い涙”も嫌いではないので、今後忠臣蔵で泣けなくなりそうなのは少々残念かも。。。

Posted by ブクログ

2012/05/16

忠臣蔵といえば断絶となった旧浅野家の家臣が吉良上野介を討ち取った実話で、私の場合はテレビドラマで何度も見てきました。討ち入りに参加した人数は50人弱ですが、それらを構成する人は様々な人たちから成っているのですね。 討ち入りに参加した人しなかった人、各々事情はあったようですが、著...

忠臣蔵といえば断絶となった旧浅野家の家臣が吉良上野介を討ち取った実話で、私の場合はテレビドラマで何度も見てきました。討ち入りに参加した人数は50人弱ですが、それらを構成する人は様々な人たちから成っているのですね。 討ち入りに参加した人しなかった人、各々事情はあったようですが、著者の加藤氏が調査した内容を上手に小説の中に取り込んでいて、とても興味深く読むことができました。 この本では討入りの根拠となった原因について加藤氏の見解が示されています。将軍綱吉の母へ従一位授与をめぐる朝廷と幕府との対立があったことを示唆しています。 また、興味をひかれたのは、討ち入りが終わった吉良邸から泉岳寺まで、できるだけ問題の起きないような道順が考えられていた点でした。 以下は気になったポイントです。 ・当時の男の上位の遊び場であった「島原」等において、太夫・天神・鹿囲の序列がある、太夫一晩の揚代は、銀76匁(銀60匁=1両=20万円、公式ルートは50匁=1両)なので、現在で12.7万円相当、以下半額(p18) ・人は、己の欲することしか見えぬもの、これを超えて真実を見つめる勇気を持たなければ、本当の殿様にはなれませぬ(p163) ・討入り時の吉良側江戸屋敷在宅者は43人、非戦闘員(料理人、足軽、坊主など)を除けば36人、当時の宿直員は22人、さらに逃亡した者を除くと実質戦闘に参加したのは15人程度=死亡、負傷者は13人(p177、247) ・吉良上野介を見つけられなかったので、内蔵助は、全員を今いる場所にとどめて、そのまま安座させる奇策をとった(p179) ・当時、江戸入りのための大川渡りには3つの橋(両国橋、新大橋、永代橋)があった(p197) ・どうしても避けられない大名屋敷として、1)竜野脇坂家上屋敷、2)伊達家上屋敷、3)会津保科家中屋敷があった(p207) ・総勢46名は4家へ分散お預け措置となった、1)細川越中(外様)、2)松平隠岐(徳川)、3)毛利甲斐(外様分家)、4)水野(譜代)(p256) ・16世紀半ばの欧州では、英国が歳出の90%、フランスが75%、ロシアは85%を軍事費にあてていた、日本は完全に平和ボケしていた(p307) ・秀吉は金(慶長大判・小判)をもっぱら褒美に与える「見せ金」としていて、流通には銀と銅を使うという二重貨幣政策をしていたが、家康やそれが理解できず、生活貨幣に金を混入させた(上・p107) ・貨幣改鋳(慶長→元禄)は、旧貨幣を持つ富裕層から財を収奪したいわゆる「富裕税」に似た善政ということもできる、当時の出目(差額利益)は、5千万両(3-4兆円)であった(上・p109) 2012年5月16日作成 ======================== 後半も楽しく読ませてもらいました。本当かどうかは今後のお楽しみとしても、設定としては楽しかったと思います。 以下は気になったポイントです。 ・銀60匁=1両が綱吉時代のレートで、12.7万円程度となる、太夫と遊ぶのは1両、その下の天神は半分、その下の鹿恋はさらに半分の14匁(p93) ・1両=60~100匁となるのは、徳川中期以降に南米で大量の銀鉱脈がみつかって銀相場が急落したから、それで金が流出した(p106) ・赤穂塩がおいしいのは、熊見川の良水が海に流れ込むため、養分が塩田の海水に混入するため(p110) ・江戸内部に入るために通る必要のある辻番は、1800箇所を超えていた(p139) ・吉良側は、最初から逃亡したものを除くと、実質戦闘に参加したのは15人程度(p213) ・吉良上野介がどうしても見つらからなかったので、大石内蔵助は、全員に動かさず安座をさせた(p215) ・吉良側の死者は側近15人、負傷者が13人、赤穂側は死亡者なし、軽傷者が若干名(p265) ・16世紀半ばのヨーロッパは、国の歳出の殆ど(イギリス:90%、ロシア:85%、フランス:75%)を軍事費にあてて、軍 備の充実にあてていた(p311)

Posted by ブクログ

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