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ワンス・アホな・タイム
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 理論社 |
発売年月日 | 2011/11/21 |
JAN | 9784652079836 |
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ワンス・アホな・タイム
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商品レビュー
3.7
42件のお客様レビュー
安東みきえさんは、教科書のみに書かれている短篇が二作あるそうなのだが(「そこまでとべたら」と「星の花が降るころに」)、私の学生時代より、遥かに新しい年代だったので、知らなくて当然といえば当然。 しかし、本書を読んだ後になると、それが読みたくてたまらなくなり・・要するに、こんなタ...
安東みきえさんは、教科書のみに書かれている短篇が二作あるそうなのだが(「そこまでとべたら」と「星の花が降るころに」)、私の学生時代より、遥かに新しい年代だったので、知らなくて当然といえば当然。 しかし、本書を読んだ後になると、それが読みたくてたまらなくなり・・要するに、こんなタイトルでも(失礼)、気軽に楽しめる事に加えて(ごく自然にクスッと笑える感じ)、何かを学び得られるような感覚と、心がぽっと温かくなる空気感もあって、そこに私は妙な新鮮味を感じられました。 とは書きつつも、ざっくりした表現になると、物語の内容の殆どが、外国のおとぎ話のパロディを盛り込みながらも、オリジナリティはちゃんとあるが、タイトル通りの、「アホな昔話」ということになってしまうのだが(笑)、さっそく各話を紹介していきましょう。 「おめざめですか、お姫さま」 城の中の窮屈な暮らしにうんざりした、お姫さまが他の暮らしに憧れる、『隣の芝生は青い』を、具現化したようなおとぎ話だが、そう思っていたのは、自分だけではなかったことを、皮肉な形で思い知ることになる。 「バカなんだか利口なんだか」 ロバを亡くして悲しみにくれる若者の、ピュア過ぎる天然の行動が、結果良い方向に導かれていったという、生きたいように生きていればなんとかなると、言われているような気もするが、割とデンジャラスな目にも遭っており、笑った顔のまま沈んでいった、水の精の台詞、「きこりはもっと上手によけたわよ」の真の意味が怖過ぎる。 「きみの助言」 ベタな駄洒落も決して不愉快ではなく、寧ろ、微笑ましい展開になるのが素晴らしく、本来、怖いはずの亡霊の姿が想像してみると、思わず可愛すぎて、逆に笑える中、これまた、ピュアで素敵な双子の妹姫の、アドバイスを素直に受けた上での、姉姫へのぶっちゃけ発言には、とても痛快で、すっきりさせられるものがあった。 「魔法のパンの実」 言いたい事を隠しておくのが、如何に難しく辛いことを痛感させられる話で、それに対して、『水清ければ魚棲まず』を引用しているのも頷ける、教訓もの。皆さんも溜め込みすぎるのは、身体にも心にも毒ですよ。気をつけましょう。 「ウミガメの平和」 几帳面すぎる王子もアホだが、その両親はそれ以上にアホで、ある意味、彼らの中でのみ描かれている平和な世界が、却ってやるせなく感じられるが、まあ別にいいかと思えて(笑)、寧ろ、ドライな対応で我が道を進む、家来の将来を応援したい気持ちにさせられた。 「呪われた王子たち」 ナルシスト過ぎる兄王子と、自信のなさ過ぎる弟王子の、双子の将来を嘆く余り、昔、双子は魔女に呪いをかけられたことにして(自らの子育ての問題はおいといて)、妄想の世界で楽しむ王と王妃のアホっぷりも面白いが、物語はとても凝った構成で、謎解きも楽しみながら、『人目をひどく気にするのは、人の中に自分の姿を見ようとしている』といった、劣等感についても考えさせてくれた。 「木霊の住む谷」 実は、これだけ異色の内容で・・アホと書いといて、こういう展開はずるいと思ってしまうが、物語は素晴らしく、『木霊がわかってくれるんだ。気持ちをいっしょになって言ってくれるから』の言葉は思っていた以上に、とても深いものを感じさせられたが、その一方で、『虐げられてきたものは虐げる者を見つける』といった言葉はやるせない。 しかし、それを慰めてくれるかのような、木霊たちの美しく温かい描写には、確かな未来への希望を感じさせられるとともに、本当のアホというのは、思い込みに縛られて、見えないものを見ようともしない輩の事を言うのだろうなとも、実感させられた。
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「ウミガメの平和」 王と妃のあまりにアホな会話が笑えた。 6編脱力な話が並んで、最後の「木霊の住む谷」はズルい。
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子どもに読んでもらいたい。 全く難しい知識もいらない面白い本。 ゲラゲラ笑うってよりは、優しさある内容。 よかった。
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