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琥珀の眼の兎
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 早川書房 |
発売年月日 | 2011/11/11 |
JAN | 9784152092526 |
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琥珀の眼の兎
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商品レビュー
3.8
10件のお客様レビュー
ユダヤ系の富豪であり名家であるエフルッシ家の盛衰を描いた本書。著者はその末裔である。 舞台は19世紀から20世紀初頭、エフルッシ家はウィーンに大豪邸を構え社交界に顔を出し、美術品を蒐集する。そのなかには日本の根付も含まれる。時代、人、美術品が複雑に絡み合いながら残酷な命運を辿るの...
ユダヤ系の富豪であり名家であるエフルッシ家の盛衰を描いた本書。著者はその末裔である。 舞台は19世紀から20世紀初頭、エフルッシ家はウィーンに大豪邸を構え社交界に顔を出し、美術品を蒐集する。そのなかには日本の根付も含まれる。時代、人、美術品が複雑に絡み合いながら残酷な命運を辿るのだが、時代設定と場所、そして人種から察せられるように、その残酷さはナチによるものである。 本書は、海外では文学系の賞を受賞したらしい。たしかに、翻訳を通して読んでみてもノンフィクションや歴史物、伝記というより、頭から足まで文学的な表現と文体で彩られている。それが没落していく名家の数奇な運命を描くには合っているとは思うが、人によってはすこし読みづらいかもしれない。
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かつてウィーンやパリで栄華を極めたあるユダヤ人一族の末裔が、大叔父から相続した根付を巡り、一族の隆盛と悲劇の歴史を追うもの。19世紀末頃の勃興期から第一次、第二次大戦を経て、ほとんど全ての財産や友人を失う。日記や親戚へのインタビューから様々な史実が明らかになり、抑えた筆致ではある...
かつてウィーンやパリで栄華を極めたあるユダヤ人一族の末裔が、大叔父から相続した根付を巡り、一族の隆盛と悲劇の歴史を追うもの。19世紀末頃の勃興期から第一次、第二次大戦を経て、ほとんど全ての財産や友人を失う。日記や親戚へのインタビューから様々な史実が明らかになり、抑えた筆致ではあるが国や人種差別への怒りを感じる。最終的に根付は日本に永住を決めた大叔父の手で戦後間もない日本に持ち込まれる。そこでの友情にはホッとさせられる。戦争や人種差別は心底恐ろしいということを再確認。
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欧米各国での授賞という事と根付けの表紙とで根付けの蘊蓄がわかる欧米人が語る根付けの種集のお話かと思い3年ほど前に買った本だが、読み始めてわかったのが中身が全く違ったという事だ。ユダヤの大富豪エフルッシ家の末裔である陶芸家の著者が相続した根付の来歴を辿るために、その所有者達であった...
欧米各国での授賞という事と根付けの表紙とで根付けの蘊蓄がわかる欧米人が語る根付けの種集のお話かと思い3年ほど前に買った本だが、読み始めてわかったのが中身が全く違ったという事だ。ユダヤの大富豪エフルッシ家の末裔である陶芸家の著者が相続した根付の来歴を辿るために、その所有者達であった自分の先祖の血筋をたどりその様子を描いたノンフィクション小説である。ユダヤ人の才覚をもってしてパリで栄華をつかみながらもウィーンにおいて当初贅沢の極みの世界からナチスの横暴でもってすべてを失った家族、アメリカに逃れていた一人が敗戦後の東京へ。次々と寄せる歴史の荒波に呑まれながらも奇跡的に一族の中で受け継がれてきた根付けのコレクションを巡るお話に引き込まれ一気に読み進んだ。ただいつも翻訳物のときに思うがこの本も翻訳のクオリティは高いとは言えず日本語としては読みずらくはあったのが少し残念だが、その点を差し引いても読む価値のある本だと思う。20世紀のパリやウイーンの事を掘り下げて知る事の出来るのも楽しめるポイントだ。そんな久しぶりに出会った楽しめるノンフィクション物語を読むBGMに選んだのはEnrico PieranunziIの"Live in Japan". 知る人の多くないアルバムだと思うがなかなかです。
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