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日出処の天子(完全版)(メディアファクトリー版)(1) MFC
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | メディアファクトリー |
| 発売年月日 | 2011/11/22 |
| JAN | 9784840140683 |
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日出処の天子(完全版)(メディアファクトリー版)(1)
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商品レビュー
4.7
21件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
本文は最終巻まで読み終えた上での感想であることに留意下さい。 この見た目で描く部分が恋愛とは思わなかったが、 水がゆっくりと砂山の中に浸水していくが如く深く味わった。 一巻から六巻まで、神話の世界の存在であった厩戸王子(聖徳太子)が、最終巻にして、その神秘性を脱ぎ去り感情のままに動く。その結末に至るまでの伏線を丁寧に、丁寧に描いている。それなのに内容は濃く、30巻ぐらいある作品を読み終えたような展開の数々と読了感。 主人公らの周りの存在にもストーリーがあって良い。 母の策略で仲を取り持たれるも、一切手を出さない厩戸王子を気付けば愛してしまい、その関係性のままに側室の女に子を成される彼女。 兄妹関係でありつつも、陵辱の果てに兄しか愛せなくなった妹。 無能ゆえにその座に有りつけたものの、手を差し伸べた厩戸王子を疎ましく感じ始める大王。 特に雨乞いの話は良かった。 厩戸王子が切れ者であるため、主人公毛人らを取り巻く環境の変貌とその対抗策がストレスなく見れて良い。手放しで褒め称えたい。うめき声が漏れる程に名作だった。 7巻P79〜 「卑怯だぞ 毛人 今になって そなたは確かに 私を愛しているのだ」 いってしまうのか 自己の口から 「そなたは今も私は愛しているはずだ」 口に出してしまう言葉の何という虚しさだ。 私は何という愚かしいことをやっているのだ 答えは出ていたというのに 愛を強要したところで自分が惨めになるだけだというのに 「姿は私を愛していない...」 私の一人相撲に終わるのか 「そうなのだな」 ここらの台詞、心情の、一つ一つに強い思いのこもった文章の畳み掛けが凄まじい。 その後の展開も含め、欲望がさらけ出された厩戸王子の未熟な精神性がまろびでていく。
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山岸涼子による歴史漫画であり、2011年に出版されたものの、実際には1980年に発表された作品である。私はこの作品を初めて知ったが、その内容の新鮮さに驚かされた。山岸涼子は、非常に緻密な描写と豊かな想像力を持つ作家であり、この作品では従来の聖徳太子像を一新する、まったく新しい解...
山岸涼子による歴史漫画であり、2011年に出版されたものの、実際には1980年に発表された作品である。私はこの作品を初めて知ったが、その内容の新鮮さに驚かされた。山岸涼子は、非常に緻密な描写と豊かな想像力を持つ作家であり、この作品では従来の聖徳太子像を一新する、まったく新しい解釈と物語を展開している。かつて見たことのない視点と設定が、物語に奥行きを与えている。 この作品の舞台は、西暦583年頃から始まる。物語は大臣の蘇我馬子、崇仏派の代表人物が登場するところから幕を開ける。585年には、橘豊日大王が即位し、用明天皇となる。厩戸王子(聖徳太子)は、その時代背景の中で重要な役割を果たす人物として描かれている。特に、厩戸王子の妖しさや神秘性が不思議な存在として描かれ、それが物語の核となっている。 厩戸王子は、第31代用明天皇の息子であり、その後の推古天皇は、叔母にあたる女性である。彼の出生や血筋にまつわる複雑さ、その神秘的な存在感が、作品の中で繊細に描かれている。また、厩戸王子と蘇我毛人の関係や周辺人物についても詳細に描かれている。厩戸王子は、多面的なキャラクターであり、時には美しい女性に、時には凛々しい青年に変身する能力を持つ、まるで妖精や預言者のような存在として描かれている。厩戸王子の威厳とカリスマ性は圧倒的であり、預言者的な才能と超能力も併せ持っている。このようなキャラクター設定は、読者に深い印象を残す。 また、「男女変身」という設定は、厩戸王子の多面的な性質を巧みに表現しており、非常に優れた発想といえるだろう。毛人に関しても、なぜか厩戸王子に好意を持たれているという点に、物語の謎と引き込まれる要素が加わっている。毛人の妹、刀自古も登場し、当初はお転婆娘として描かれているが、やがて聖徳太子と結婚する運命にあると示唆されている。 この第1巻では、豊日大王、すなわち第31代用明天皇(在位:585-587年)が、痘瘡にかかり死去する悲劇的な出来事も描かれている。これにより、物語の展開は権力闘争の側面に重きを置き、政治的な動きや人間の欲望、裏切り、陰謀といったテーマが中心となって進行している。山岸涼子の描くこの歴史的設定と、人物たちの深い心理描写は、単なる歴史漫画を超えた芸術的な作品となっている。全体として、壮大な歴史ロマンと、登場人物たちの複雑な心理とドラマが融合した、非常に魅力的な一巻である。また、画が美しいし、スタイリッシュである。
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聖徳太子(厩戸王子)と蘇我蝦夷(蘇我毛人)の出会いから始まる、飛鳥時代前夜の話。イラストが尊いのと、厩戸王子が妖艶でカッコよく、ひかれていく。
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