不連続の世界 幻冬舎文庫

恩田陸【著】

• 販売会社／発売会社: 幻冬舎
• 発売年月日: 2011/10/12
• JAN: 9784344417410

商品レビュー

2025/12/09

読書ノート：https://note.com/futen_seisuke/n/n439326e613a8
妻と別居中の多聞を、三人の友人が「夜行列車で怪談をやりながら、さぬきうどんを食べに行く旅」に誘う。車中、多聞の携帯に何度も無言電話が・・・・・。友人は言った。「俺さ、おまえの奥さん、もうこの世にいないと思う。おまえが殺したから」（「夜明けのガスパール」）他4篇、「月の裏側」の塚崎多聞、再登場。恩田陸のトラベルミステリー！

2025/12/08

塚崎多聞シリーズ、順番は違いましたが3作読むことができました。満足。

「夜明けのガスパール」
寝台特急サンライズの中で繰り広げられる不穏な世界。
今も現役のサンライズが走っていてよかった。
ますます、サンライズへの乗車が高まる！

多聞シリーズ、珈琲怪談で復活した勢いでこの先も続いて欲しい。

2025/11/30

とりあえず最初に読んだとき、「一体これはどういうジャンルの小説なのか」と少し戸惑った。別にジャンル分けしてから読まなければいけないということではないのだが、読み始めてみると、ある種ホラーのようでもあり、ミステリーのようでもあり、日常的な出来事を単純に綴った物語のようでもあった。結局２話くらいまで読み終えた後で、「これはまぁ広い意味でのミステリーなのかなぁ」というふうに考えて納得し、その後は読みやすかった。

もちろん本格小説のような読み方を作者が意図しているとは思わないので、そのあたりのノンジャンル的なふわふわした雰囲気は悪くないと思った。読んでいるうちにそれなりのサスペンスも盛り上がって、最後はまぁなんとなく落ち着きどころがあるような結末になる。でも、最後まで心の中にちょっとモヤモヤが残るというあたりの雰囲気が、きっと狙いなんだろうと思う。

で、その狙いはよくわかったのだが、それが自分にとって面白かったかどうかと言うと、個人的には微妙であった。なんか納得できないような、すっきりしないような読後感があり、それは心地の良いものというよりも、まさにモヤモヤとしか言いようがない感覚だった。

読んでいてとても面白い短編は確かにあった。主人公の業界の話や人間関係も興味深く、それはそれでとても面白かった。だけど、結局小説としてのカテゴリーというかジャンルというか、そういったものがどうも自分の中ではしっくり来なくて、繰り返すようだがモヤモヤとした気持ちで読み終えるしかなかった。

好きな人にはとても好きなタイプの物語だと思うけれど、個人的にはやっぱり合わなかったとしか言いようがない。