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仏教入門 法然の「ゆるし」 とんぼの本
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2011/09/24 |
JAN | 9784106022258 |
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仏教入門 法然の「ゆるし」
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法然上人。日本の仏教会に革命を興した人物。最澄の中国からもたらした教えを発展させ専修念仏思想を確立した浄土宗の開祖。 法然が南無阿弥陀仏を只管唱えることを教えとしたのに対して弟子である親鸞は、ただ一度でも唱えれば悪人も浄土に行けるとし浄土真宗を興した。親鸞は法然を超えたと観る向き...
法然上人。日本の仏教会に革命を興した人物。最澄の中国からもたらした教えを発展させ専修念仏思想を確立した浄土宗の開祖。 法然が南無阿弥陀仏を只管唱えることを教えとしたのに対して弟子である親鸞は、ただ一度でも唱えれば悪人も浄土に行けるとし浄土真宗を興した。親鸞は法然を超えたと観る向きもあるが、二人の悟りを得た時代背景の違いが大きいようだ。 平安時代から鎌倉時代にかけて仏教者の中に多くの僧が仏教の真髄を求めて只管修行に励んだ。そして自分の世界を築いた。それが各宗派に分かれたもの。したがって、どの宗教が正しいなどと言うべきではない。どれも正しい。自ら信じる教えに従うべきだろう。 そこは、死とか冥土とか、お寺とか檀家、墓をどうするかなどの現世の狭い考えに煩わされている自分がちっぽけな存在に思える。 世の常としてお寺を選場ざるを得ないのだが、その場合、宗派よりその寺の僧侶のが何を求めているか、何を語るかを尺度にしたい。今の世に法然のような僧が必要と思う。
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法然上人像は優しく温和な表情のものが多い。その表情の裏にある革命的な一生をコンパクトにまとめた本。小説『法然の涙』と並行して読みました。
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浄土宗を開いた法然の教えについて語られた本。 五木寛之の『親鸞』を読み、彼の一生は漠然なりと理解できましたが、親鸞の師である法然については良くわからないことも多いため、彼の一生について書かれた本を探していました。 著者は二人。 良く読んでみると、同じ本に書かれているのに、二名と...
浄土宗を開いた法然の教えについて語られた本。 五木寛之の『親鸞』を読み、彼の一生は漠然なりと理解できましたが、親鸞の師である法然については良くわからないことも多いため、彼の一生について書かれた本を探していました。 著者は二人。 良く読んでみると、同じ本に書かれているのに、二名とも若干歴史の解釈が違います。 父親が殺されたのは、法然がまだ親元にいる頃だという説と、すでに比叡山に登った後だという説、双方をそれぞれが支持しており、折り合っていないところが逆におもしろく感じられます。 「悪人正機」とは親鸞のオリジナルではなく、もともと法然が説いていたことを、親鸞が声高に言ったものだそうです。 善悪の勝ちを転倒させるかのような、革命的かつセンセーショナルな内容なので、親鸞が言ったかのようですが、それを穏やかな法然が言い始めたというのが驚きでした。 さらに、法然は僧侶でありながら「神仏に祈っても病気は治らない」と喝破したそうです。 当時は神仏にすがり、疫病払いの祈祷などに頼っていた時代。 さまざまな迷信に縛られていた人々にとって、これまた衝撃的な言葉だったことでしょう。 「祈って、病気が治ったり、寿命が延びたりすることがあれば、誰一人として病気で死ぬことがないはずです」 当時の閉塞的な時代において、このような正直かつ大胆な言葉を発せたとは、ひとかたならぬ勇気を持った人物だと思います。 日本には今でも檀家制度が残っており、キリスト教国でも教会税なるものが存在すると聞いたことがありますが、ヨーロッパでは死ぬ前に「テスタメント」という遺言を用意して、財産の一部を協会に寄付しなければ、破門され、死後、敷地内の墓地に埋葬してもらえないという仕組みになっていたとのこと。 洋の東西を問わず、宗教は人の弱みに付け込む側面があるというところは残念です。 仏教では「ただの人」になることが一番望ましいとされます。 一見、なにも頑張らなくてもよい、楽なことのように思えますが、「優越感と劣等感、自信過剰と自己不信という二つの川に落ちずに、その真ん中をすーっと渡るのが、一切のとらわれのないただの人」という定義を知ると、人でいる限りなかなか到達しえない境地なのではないかと思います。 巻末には、法然が弟子とかわした「一百四十五箇条問答」が掲載されていました。 「酒を飲むことは罪になるのか?」という問いに対し、「本当は飲むべきではないのですが、この世の習いです。」と答えている(第57条)ところが、とても人間らしくて親しみを感じられました。 個人的に一番スッキリしたのは、法然に関係する人物として、熊谷直実と九条兼実がごっちゃになっていたのが、区別がついたことでした。 穏やかな性格とラディカルな思想を併せ持った宗教家。 興味が尽きません。
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