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悲しみにある者
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悲しみにある者

ジョーンディディオン【著】, 池田年穂【訳】

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悲しみにある者

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 慶應義塾大学出版会
発売年月日 2011/09/16
JAN 9784766418705

悲しみにある者

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商品レビュー

3.2

5件のお客様レビュー

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2022/01/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

娘が重い病で生死の境をさまよう中、突然に心臓発作で夫を亡くした作家のエッセイ。夫を亡くしてからの一年間の話を書くのだが、 著者の語りはあらゆる過去を駆け巡り、常に時間を行ったり来たりしている。話は面白い(というのもなんか違う気がするが)のに、訳がかなり読みにくくてなかなか頭に入ってこなかった。 死亡直後の、ありえないとわかっていながらも「彼が帰ってくる」から準備していなくては…という行動から始まり、長い苦しみの日々に入る。 日常のふとしたきっかけで頭は思考の渦に巻き込まれていき、思い出がよみがえり、どこかで自分が見落としたものがあった、何かを間違ったのだ、夫が生き残る道があったのではないかというあらさがしが始まる。そして「死んだ」という変わらない現実が痛みを伴ってそれらを断ち切る。著者は本を読み、自分の持つ様々な知識を総動員して現実を受け止めようと試みるが、何度も手を変え品を変え思考の渦巻きは彼女を飲み込む。「何であれ私の考えたり信じていることを素通しなものにする」とある通り、混乱した頭の中をそのまま切り取ってきたような文章だ。狂った自分の精神状況をどこか冷静に見つめながらもそこから逃れられないさまを克明に描いていて、読んでいてこちらも苦しくなってくる。 私も夫を亡くしたら、きっとこうなるだろう。私には友達がほとんどいないから、多くの時間を一人で耐えなければいけないと思うと恐ろしくなる。でも、だからといって家族であることをやめようとは絶対に思えないのだから、「今ひと日よりも」愛していくしかないのだ。この本でも愛情と悲しみはひらりひらりと反転しながら、一体のものとして現れる。思い出の中の夫へ向けるまなざしの切実さ。あまりにゆっくりとした死の受容。胆力が必要な本ではあるが、また読みたい。

Posted by ブクログ

2012/07/26

なぜこの本を買う気になったのだったかと考えてみると、ジョーン・ディディオンの文章を前から好きだったのはもちろんだが、おそらくそう遠くない将来、ほんとうにそういう時をむかえることに備えておくのがよいだろう、なぜならそういう事態を迎えてしまったあとには、この種の本を読むのは大きな苦痛...

なぜこの本を買う気になったのだったかと考えてみると、ジョーン・ディディオンの文章を前から好きだったのはもちろんだが、おそらくそう遠くない将来、ほんとうにそういう時をむかえることに備えておくのがよいだろう、なぜならそういう事態を迎えてしまったあとには、この種の本を読むのは大きな苦痛にちがいないと思っていたからだ。 ところが実際に読んでみると、恐れつつも期待していたものは、まったくない。愛する人を失った「悲しみにある者」から通常うける影響、たとえば暴力的なほどの感情の波、失われた者のかけがえのなさを思い知らせるエピソード、そういったもので心をかき乱されるような読書体験ではまったくないということ。それだけで、瞠目すべき書物である。かわりにあるのは、自分の心臓を腑分けする科学者のような、冷徹な分析である。 原題には「マジカル・シンキングの年」とある。数十年間はなれず公私の生活をともにしてきたパートナーを失ったディディオンの思考は、気がつけば論理的な軌道を外れ、マジックの領域に入り込む。たとえば、夫の死後解剖を自ら希望しておきながら、同時に、彼が帰ってこられるように衣服の処分をこばむといったように、整合性のないロジックにはまりこむ隙間があちこちに口をひらいているようなものだ。しかし何よりも読む者を圧倒するのは、コントロールを失いかける自身の姿を冷徹にみつめ分析せずにいられない、作家としてのディディオンの姿である。それは称賛に値するというよりも、性としか言いようがない。 これが本書の最大の魅力であるとともに、日本の多くの読者には受け入れられない理由でもあるのだろう。同じテーマを扱った多くの和書とはまったく異質なこの希少な視点が、「そのとき」が来たときに私の助けになるのかどうか、それはまさにそのときが来なければわからないのだが。

Posted by ブクログ

2011/11/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

楽しみにしていたディディオンだったが、訳が今ひとつ。 人称代名詞が多すぎる。最初は意図してのことだろうと思って読み進めたが、途中から、この訳者は人称代名詞に鈍感なのだと気づき、うんざりして投げ出した。

Posted by ブクログ

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