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ペインティッド・バード 東欧の想像力7
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 松籟社 |
発売年月日 | 2011/08/01 |
JAN | 9784879842602 |
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ペインティッド・バード
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ホロコーストから逃れるために、東欧のとある寒村に預けられた少年。だが、金髪碧眼の周囲の人間からは浮いたその風貌から、迫害を受け、村から村へと追放される。時には危険を冒し庇護下に置いてくれる人物もいたが、安寧は長くは続かず…。食糧も、家族も、居場所もない中、唯一想像力を糧として生き...
ホロコーストから逃れるために、東欧のとある寒村に預けられた少年。だが、金髪碧眼の周囲の人間からは浮いたその風貌から、迫害を受け、村から村へと追放される。時には危険を冒し庇護下に置いてくれる人物もいたが、安寧は長くは続かず…。食糧も、家族も、居場所もない中、唯一想像力を糧として生き抜かんとした少年のサバイバル小説。 とにかく残虐で凄惨という前評判だけは知っていたので覚悟していたが、冒頭の子供がリスを無邪気に生きたまま火だるまにするシーンを読んで納得。この描写がアウトなら読まない方が良い。しかも終始容赦がないのであれば、構えて、ひたすら打たれ続けるのに耐えれば良いだけなのだけど、誰かの不意打ちのような優しさで無防備にされたその直後に、ボディブローをかまされたりする。このアップダウンが一番残酷かもしれない(実際はダウンダウンダウンアップくらいのものだけど)。 しかし本作、「ホロコースト文学」と謳われているが、素直にそう捉えて良いのだろうか。少年は本当に、ジプシーやユダヤ人と勘違いされ、銃後という余裕のない環境で、ナチスの処罰を恐れた住民に迫害されたのだろうか?平時であれば、違ったのだろうか?鮮やかなペンキで塗られた鳥、「ペインティッド・バード」が、群れの仲間の元に戻された後にどうなるかを考えると、疑念を抱かずにはいられない。最も強い暴力である戦争と、最も無力である子供という対置で際立つが、そのような過酷な環境下で唯一武器となるのは、呪い・信仰・思想といった想像の力であるということを著者はただ示したかったのでは、と思った。
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映画を観た後に読んだ影響で景色がしっかりと目に浮かぶ。映像の中でヒキで撮影されたカットが本の中でも体内の状況や気持ちまでクローズアップされる事がよく分かった。これがフィクションであろうとこんな状況になっていただろうし、現在でタブーである動物や親子間での関係性(当時もタブー視されて...
映画を観た後に読んだ影響で景色がしっかりと目に浮かぶ。映像の中でヒキで撮影されたカットが本の中でも体内の状況や気持ちまでクローズアップされる事がよく分かった。これがフィクションであろうとこんな状況になっていただろうし、現在でタブーである動物や親子間での関係性(当時もタブー視されて村八分か)も当時の残虐な時代背景を上手く写り出しているように感じた。
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第2次世界大戦下の東欧で1人の少年が都市から田舎に疎開させられた。村人は少年をジプシー、ユダヤ人と見なし、迫害する。命の危険を感じた少年は多くの村を転々とし、なんとか戦争を生きながらえようとする。 戦争中の虐待や暴力が子供の精神に大きな負の影響を及ぼす事は想像に難くない。本書が...
第2次世界大戦下の東欧で1人の少年が都市から田舎に疎開させられた。村人は少年をジプシー、ユダヤ人と見なし、迫害する。命の危険を感じた少年は多くの村を転々とし、なんとか戦争を生きながらえようとする。 戦争中の虐待や暴力が子供の精神に大きな負の影響を及ぼす事は想像に難くない。本書が描くのはそうした「崩壊」のプロセスである。 本書の後半で、主人公の少年は赤軍のソ連兵士と出会うのだが、そこで彼は神が存在しないことを知る。そして、スターリンの共産主義が「善を推し進めるための現実的な方法」であることを学ぶ。 カバーの折り返しに印刷された著者の略歴によれば、本書は出版当初から大きな非難にさらされたという。私は、本書に描かれた神の否定と共産主義が非難の理由なのだろうと思った。果たして後記には反ソからの非難について言及があったが、それよりも著者の出身国ポーランドの人たちによる、「祖国を侮辱した」という非難の方が質量ともに大きなもののようだ。確かに、本書の中で少年を虐待している人々の多くは同胞である。 現代に生きる日本人の私としては、これらの批判は(頭では理解できても)感覚的にすっと入ってはこない。けれども、個人的に、やはり私は本書が好きになれなかった。本書にリアリティが感じられなかったからだ。本書の描写があまりにも残虐で、およそあり得そうもない、と思ったわけではない。そうではなく、一人称で書かれた物語の主人公が6歳の少年(最後は12歳になっている)である点に、私の想像力が追い付かなかった。あまりに思索的にすぎるのではないか。 個人的には、本書の最後に付された後記の方が興味深く読めた。
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