赤い糸の呻き

西澤保彦【著】

• 販売会社／発売会社: 東京創元社
• 発売年月日: 2011/08/12
• JAN: 9784488024802

商品レビュー

2020/08/08

西澤保彦氏の過去作品。たまに読みたくなるってことは好みに合ってるってことか。どんな作家さんでも「面白いっ！」と思えた作品に、１冊でも出会ったことがあれば他の作品も読みたくなる。その１冊を超えることはあったりなかったりだが。まぁ好みのわれる作家さんであることは間違いない。

この本は犯人当て、都筑道夫氏のパスティーシュなどを盛り込んだ本格ミステリが5編。どれも西澤さんらしい精緻な部分と遊び心のマリアージュが良い。

中でも、やっぱり表題作がベストだった。エレベーターの中で停電が起こる。復旧した時に乗客の1人が殺害されていた。果たしてその結末は…驚きのオチだった。

2019/06/14

「ぬいぐるみ警部の帰還」にシリーズになる前の作品があると知り、ノンシリーズ短編集のこちらを手に取りました。音無警部の頭の中はこんなになっていたんですね。楽しかったのでシリーズが続くならこういうところもまた見せてほしいです。他の短編もキャラが濃かったり安楽椅子探偵が答えを出してそのままだったりどれも西澤さんらしいと思います。表題作がとてもよかったです。思いがけなくガツンとやられました。あんなオチが用意されているとは！どれもさらっと読めましたが楽しみました。

2019/04/29

ノンシリーズ短篇5作品。実に西澤らしいのが表題作。8人の客を乗せて結婚式場へと上がるエレベーターが地震で一時停電，そこで起きた刺殺事件の真相を女刑事とその義妹が安楽椅子探偵。他に読者への挑戦が挿入された犯人当て，都筑道夫作物部太郎シリーズのパスティーシュなど。