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灯台守の話 白水Uブックス175
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 白水社 |
発売年月日 | 2011/08/10 |
JAN | 9784560071755 |
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灯台守の話
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商品レビュー
3.7
28件のお客様レビュー
なんともいえない不思議な雰囲気のお話です。 いつまでも読んでいたくなりました。 スコットランドのケープ・ラスにある灯台が舞台。 ソルツという地名は創作のようですね。 実在する地名が出てくるのに摩訶不思議な童話の中に迷い込んだような気分になりました。 この世界に行きたいなぁと思っ...
なんともいえない不思議な雰囲気のお話です。 いつまでも読んでいたくなりました。 スコットランドのケープ・ラスにある灯台が舞台。 ソルツという地名は創作のようですね。 実在する地名が出てくるのに摩訶不思議な童話の中に迷い込んだような気分になりました。 この世界に行きたいなぁと思ってしまう。 灯台の闇の表現がすごかった。 子供向けの本なのかなと思っていたらベッドシーンが普通に出てきてびっくり。 御伽話みたいな語りなのにシルバーの境遇も、周りの反応もダークの不倫の転末も世知辛くてリアル。 バベル・ダークとシルバー。同じように孤独を抱えているけれど対照的なラストを迎えます。 「折れた手脚や穴のあいた頭蓋骨は見つかるのに、心の痕跡はどこにもない。もっと深く掘ることだ。時の層に埋もれていても、現在と同じくらい真実の物語が、そこにはきっとあるから。」のところでなぜか泣いてしまいました。
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実際に読んだのはハードカバーのほうだけど、ブクログに見当たらないので白水Uブックスで登録しました。 海外文学好きな方の愛読書らしいので手に取る。 岸田さんの日本語好きだし。 読み始めてすぐ、前半は設定や文章がかっこよくて楽しめた。 灯台守の話って、絵本やら風車小屋だよりのワン...
実際に読んだのはハードカバーのほうだけど、ブクログに見当たらないので白水Uブックスで登録しました。 海外文学好きな方の愛読書らしいので手に取る。 岸田さんの日本語好きだし。 読み始めてすぐ、前半は設定や文章がかっこよくて楽しめた。 灯台守の話って、絵本やら風車小屋だよりのワンシーンにしかないから、読んでみたいなあと思っていたから、灯台守の生活が面白かった。 もっとそこを細かく書いてほしい。 スティーブンソンが第2のテーマかと思いきや、途中からアーサー王ネタが出てきた。 嬉しいけど、ちょっと内容が散ってしまったかんじ。 後半にいくと、私が読み飛ばしたかと心配になるほど、話がバラバラになっていく。 うん、まあ…、嫌いではないけど、ちょっと分かりにくかった。 以下は一番ステキだと思った箇所の引用。 (※めちゃ長いです。写真→コピー機能は便利ですね。) 孤児になった主人公の少女と盲目の老人ピューの灯台守の生活シーン。 訳者をして、ずっとここを訳していたいと思わせたらしい箇所。 p28 光が仕事なのに、わたしたちの暮らしは闇の中だった。光はけっして絶やしてはならなかったけれど、それ以外のものを照らす必要はなかった。あらゆるものに闇がつきまとっていた。闇は基本だった。わたしの服は闇で縁かがりされた。時化帽をかぶれば、つばが顔に黒い陰をおとした。ピューがありあわせのトタンでこしらえてくれた小さな風呂場で、わたしは闇の中で立ったまま体を洗った。 引き出しの中に手を入れれば、スプーンよりもまず先に指に触れるものは闇だった。〈怪力サムソン>の入った紅茶街を取ろうと戸棚を開ければ、茶葉よりも黒々とした穴が口をあけた。 腰をおろすにも、いもいち闇を追い払ったり押しのけてから座った。闇は椅子の上にうずくまり、階段の途中にカーテンのように垂れさがった。時にはわたしたちが欲しいものの形に姿を変えた─鍋、ベッド、本。母さんが、黒く、声もなく、わたしのうえに舞いおりてくることもあった。 闇はひとつの実体だった。わたしはしだいに闇の中を見、闇を透かして見、自分の中にある闇が見えるようになった。 ピューは何も言わなかった。いい人なのかそうでないのかも、わたしをどうするつもりなのかもわからなかった。かれはずっと一人で暮らしてきた。 その最初の夜、ピューは闇の中でソーセージを焼いた。いやそうじゃない、闇といっしょにソーセージを焼いた。その闇には味があった。それがその夜の食事だった。ソーセージと、闇と。 わたしは寒くて疲れて首が痛かった。うんと眠って眠って、二度と目を覚まさなければいいと思った。知っていたわずかなものさえ失くして、ここにあるのは他の誰かのものばかりだった。わたしの中のものがわたしのものなら、それでも平気だったかもしれない。でも、そこには錨をおろす場所がなかった。 二つの大西洋があった。一つは灯台の外に、一つはわたしの中に。 わたしの中の海に、わたしを導いてくれる光の列はなかった。 …と、このテンションでずっと続いたら良かったのだが。小ダークの奥さんへのDVシーンが嫌すぎる。ふう。
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灯台がずっと気になっている。海に行けばポツンと立っているけれど、荒れた日にもしっかりしているししばしじっと見てしまいます。世の中には同じような人がいて、フリーペーパーまで発行している。「灯台どうだい?」https://toudaifreepaper.jimdofree.com/ ...
灯台がずっと気になっている。海に行けばポツンと立っているけれど、荒れた日にもしっかりしているししばしじっと見てしまいます。世の中には同じような人がいて、フリーペーパーまで発行している。「灯台どうだい?」https://toudaifreepaper.jimdofree.com/ そんな流れでこの本もずっと手元にあったのですが、海が恋しくなって読んでみる。思っていたのと、内容は全く違う「文学」でした。しかもちょっと苦手なタイプの。たくさんの寓意が込められているのは理解できるのですが、その象徴とるのものの描き方が自分の許容をこえているというか。崖に文字通り斜めに突き立った家に命綱をつけながら住んでいて、母親は転落ししてしまった・・・の冒頭でひっかかってしまってなかなか胸に響かない。目覚めたら一匹の虫になっていた不条理は受け入れられるのに。ダーウィンもでてくるのですが、2004年の作品でありながら自然淘汰のとらえ方も間違ってるし。ちょっと鼻につく表現が合わないのかな?この自分の受け皿の限界がどの辺にあるのか謎。ばかばかしいSFとかは楽しめるのになぁ。 孤児にしてカルト的な教会の説教師にまでなってあげくに追放という経歴をもつ著者自身に興味がわいた。自伝的要素をもつ「オレンジだけが果物じゃない」のほうが面白そうだし、なにより純粋に灯台を深堀りしたほうが楽しそうだ。
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